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2019年1月31日更新

琉球薬膳料理研究家の宮國由紀江さんが教えてくれる薬膳レシピ「豚レバーと卵のスープ」

薬膳でメンテ[64]
生き物が活発に活動を始める「春」。中医学的には、精神的に不安定になりやすく、目の症状が出やすい季節です。意識的に目を休めて、リラックスしましょう。

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春は目を休めリラックス

生き物が成長し、発育する「春」。暦の上では、「立春」から「立夏」までです。植物が芽生え、動物たちも活発に動き始める季節です。

寒さは少しずつ和らぎ、体の機能も目覚め始めます。強い春風が吹き荒れて動植物が目覚めるように、私たち人間も不安定になりやすい時期です。

特に、自律神経の病に注意! アレルギーや目の症状でも悩まされやすい時期、と言われます。目の充血や頭痛、イライラ、不眠症、情緒不安定、血圧が上がる、月経不順、などの症状が表れやすい季節です。

というのも、中医学では春は五臓の一つ、「肝」の気が高ぶりやすい季節。肝の働きは西洋医学でいう肝臓とまったく同じではなく、血液の貯蔵・分配、解毒などのほかに、目や筋肉、気や情緒のコントロールなど、広範囲にわたっています。自律神経や血液循環の調整も担っています。

目の症状が出やすい

中医学では、感情と内臓には密接なつながりがあると考えられています。

情緒をコントロールする肝は、ストレスの影響を一番受けやすい内臓。ストレスによって気がうまく流れなくなると、体に不調が表れます。気には血を流す作用もあるため、気の滞った状態が続くと、血の巡りも悪くなってしまいます。そうなると、毛細血管などの微小循環に障害が起こりやすく、血液の粘度が上がって血栓の心配も出てきます。長引くと、冷えやのぼせ、月経不順、不妊にもつながります。さらには、脳卒中や心臓病の危険性も出てくると言われています。

また、肝により目に必要な血が供給されるため、肝にトラブルが起こると、目にも症状が表れます。中医学には「肝は目に穴を開く・肝は血を受けて能く視る」という言葉があります。目は、肝に蓄えられている血の営養(えいよう)によって働く、という意味です。
 


ストレスから月経不順

春は季節が移り変わり、気温の変化が激しいため、体調を崩しやすい時期でもあります。早寝早起きや目を休める時間を作ること、良質の営養を取ることを意識しましょう。この時期の食材は、不安定になりがちな心と体をリラックスさせ、ストレスを発散させ、体の血行を促すもの(かんきつ類など香りのいい食べ物)や、血を補い、肝に営養を与えるもの(豚や鶏のレバーなど)がお勧めです=左囲み参照。

女性の症状で、この時期、特に気にしたいのが月経不順です。月経不順を防ぐには、まず、気を巡らせて滞りを解消すること。ストレスは大敵です。気も血も滞っている場合は、気を流し、同時に血をサラサラにすることを心掛けましょう。

滞った気を散じさせるには、気晴らしに、体を動かすことが大事です。血流が良くなり、血と気の滞りを防ぎます。

女性は特に排卵から生理までの期間に気が滞りがちになるので、気を巡らす作用の食べ物などで工夫が必要です。

さらに滞った気を巡らせるために、日常的に工夫をしましょう。早寝早起きや朝の軽いウオーキング、大きな声で発散(カラオケ。大声で笑う)。香りの良い湯で半身浴、好きな香りを部屋に置く、口寂しい時はガムなどをかむ、などが、お勧めです。

目の疲れ、貧血気味などにお勧め

豚レバーと卵のスープ


●材料(5人分)

豚レバー…300g
白ネギ………2本
卵……………1個
塩………小さじ1
水………1000ml


●作り方

〈1〉豚レバーは、一口大にカットし塩もみをする。きれいに水で洗い流す。

〈2〉白ネギは、3センチ幅のぶつ切りにする。卵は溶きほぐしておく。

〈3〉鍋に水を入れ、1の豚レバー、白ネギを入れて火にかけ、沸騰したら中火弱で煮る。

〈4〉3に溶き卵を入れかき玉を作り、塩で味を調え出来上がり。



食材の効能

豚レバー   目の疲れ・むくみ・血液不足・かっけに良い
白ネギ    寒気・冷えに効果的
      貧血の改善・体力回復・胎児安定

 

イライラ・不安・ストレス解消に!!

小豆と手羽元のスープ

●材料(4人分)

手羽元………………8本
チンゲン…………菜2束
玉ネギ………………半分
緑豆……………大さじ2
小豆……………大さじ2
ゆず……………大さじ1
塩………………小さじ1
かつおだし……1000ml


●作り方

〈1〉沸騰した湯に、手羽元を入れ下ゆでする。

〈2〉玉ネギはスライスし、小豆、緑豆は洗い、ゆずの皮をむいて刻む。

〈3〉鍋にかつおだしを入れ、1の手羽元、2の玉ネギ、豆類を入れ煮込む。

〈4〉3の手羽元や豆の火の通りを確認してチンゲン菜を入れ、塩で味を調える。

〈5〉火を止め、ゆずの皮を入れ出来上がり。



食材の効能

手羽元     体力回復・食欲増進
チンゲン菜   整腸・リラックス
玉ネギ     ストレス解消
緑豆      解毒
小豆      解毒
ゆず      ストレス解消


春にお薦めの食材

血を補う食材
豚レバー・鶏レバー・鶏肉・豚肉・黒豆・大豆・アーモンド・シジミ・アサリ・ホウレン草など

気の流れを促す
かんきつ類・シークヮーサー・ゆず・オレンジ・グレープフルーツ・玉ネギ・ピーマン・ジャスミンなど



[文]
宮國由紀江(みやぐに・ゆきえ)
琉球薬膳料理研究家。国際中医薬膳師。栄養士。薬膳龍花代表
http://www.y-ryuka.com/​


薬膳龍花
098-974-8183

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編集/栄野川里奈子
『週刊ほーむぷらざ』薬膳でメンテ・第1644号 2019年1月31日掲載
[薬膳・春は目を休めリラックス]

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おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

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