毎日のレシピ
2016年8月18日更新
【不眠】暑さが一因、食事で熱取る セロリとトマトのスープ|薬膳レシピ
琉球薬膳料理研究家の宮國由紀江さんが教えてくれる薬膳レシピ
[体の熱を取るセロリ、トマト、アサリ]
体も心もスッキリスープ[体内の余分な熱除く]
セロリ | 1本 |
トマト | 中1個 |
アサリ | 100g |
黒酢 | 大さじ2 |
かつおだし | 500ml |
塩 | 小さじ1 |
オリーブオイル | 大さじ1 |
1. | セロリ、トマトはサイコロ状にカットする |
2. | 鍋に油を入れて熱し、むきアサリの身を入れて炒める。セロリ、トマト、かつおだし、塩を入れて加熱する。 |
3. | 2を15分程度煮込み、黒酢を入れて味を調える。 |
セロリ | 体の熱を取りイライラを鎮める。利尿作用がある。 |
トマト | イライラを鎮め、全身を涼しくし、体を潤す。 |
アサリ | 精神を安定させ、体の熱をとる。利尿作用がある。 |
黒酢 | 消化を助ける、解毒効果。体力回復。 |
【不眠】暑さが一因 食事で熱取る
現代医学では体と精神の症状を分けて考えますが、中医学では関連すると考えます。不眠の原因には、精神的なものと、身体的なものが考えられます。精神的なものには、ストレスや抑うつ、びっくりするなど感情の急激な変化によって精神が乱される、などがあります。身体的なものには、過労や過度に怠情な生活、慢性病による体力の消耗、暴飲暴食といった食生活の不摂生などがあります。
不眠になりやすい夏
不眠と主に関係する臓腑(内臓)は、心(心臓)・肝(肝臓)・脾(胃腸)の三つです。
中でも関連があるのは、「心」。中医学の心は、西洋医学の心臓と同じくポンプを通して血液を循環させる役割に加えて、思考・精神作用の中枢とされています。精神活動を安定させるためには、心を養う栄養となる血や陰液(体液)、気(エネルギー)などが充実していなければならないと考えます。これらが不足すると、不眠が起きます。
もともと心は熱を持っていて、暑さで弱りやすい臓器。夏は不眠になりやすい季節です。
「肝」は大量の血液を蓄えていて、心とともに血と関係が深い臓器です。
心は肝が蓄える血から栄養を受けて、活動を安定させています。落ち込んで気分が優れなかったり、激しい怒りによって「肝」が傷つくと、血を蓄える機能が衰えてしまい、心への血が減少するため熟睡できなくなります。
「脾」も不眠に関連があります。考え過ぎたり、心配ごとがあって食欲が落ちたことはありますか?
脾胃(胃腸)は気や血を作り、全身へ運ぶ働きがありますが、考え過ぎや心配事があるとその働きが弱まり、気や血が少なくなります。すると、心に届く血が不足し、不眠の症状が現れます。
体に熱がこもっている
不眠にはタイプがあり、症状も食事療法もさまざまです。今回は夏に多い、体に熱がこもっているタイプの不眠にお勧めのレシピを紹介します。
症状としては、強い不眠、悶々として夜通し眠れないことが多い、夢をよく見てすぐ目が覚める、胸が暑苦しい、焦りがある、動悸、のぼせ、口が苦い、舌先がしみるように痛い、口内炎が多発する、舌先が赤い、興奮症状などが見られます。
熱タイプの不眠に
お勧めの食材 |
小麦・アーモンド・イワシ・カキ・シジミ・モツ・ウーロン茶・トマト・キクラゲ・クウシンサイ・アロエ・スッポン・セロリ・キュウリ・春雨・ニガウリ・ユウガオ・レンコン・スイカ・牛タン |
控えた方がいいこと |
辛い食事や暴飲暴食 |
<過去の薬膳レシピ>
- 野菜のカップケーキ
- 大福もち
- ロールキャベツ
- マメマメサラダ
- レーズンペースト
- 野菜と魚介のスープ
- トマトとイカのサラダ
- 薬膳スイーツポテト
- 沖縄風みそ汁
- 豚レバー薬膳スープ
- ローゼルとワインのホットドリンク
- クリームチーズの芋団子
- 豆腐とヤマイモのグラタン
- クワの葉と実のムース
- 大根もち
- セロリとトマトのスープ
- ネギのリゾット
[文]
宮國由紀江(みやぐに・ゆきえ)
「薬膳龍花」主宰。国際中医薬膳講師、栄養士。沖縄の食材を使った琉球薬膳料理を研究している。
http://www.y-ryuka.com/
編集/栄野川里奈子
『週刊ほーむぷらざ』薬膳でメンテ・第1518号 2016年8月18日掲載
[ランチ・ディナー]