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2017年4月20日更新

琉球薬膳料理研究家の宮國由紀江さんが教えてくれる薬膳レシピ「沖縄風みそ汁」

気・血・水のバランス整え心身快調に 薬膳でメンテ[49]
■腎に潤い「ヤマイモ、豚」 ■腎を補う「豚豆、卵、キャベツ」

老化

生命の源「腎」を補う

Aさん69歳 女性
【訴え】数年前から夜の寝つきが悪く、夜間のトイレで目が覚める。十分な睡眠がとれない。目の乾きや足がつる。腰のだるさもあり、難聴で補聴器がないと話が聞こえず、物忘れがひどい。常に体がすっきりしない。体を冷やさず温めるよう食事を意識していた。


月経や出産で消耗

Aさんの訴えから、腎(腎臓)の働きが衰えていると考えました。中医学では腎を、生殖器を管理し、生命を維持するための原動力と考えます。腎には腎陽(エネルギーの元)と、腎陰(血や体液)が蓄えられています。老化すると、腎陽が不足したり、腎陰が消耗することがあります。特に女性は月経や出産によって、腎陰が不足しやすいです。腎陰が不足すると、腰がだるくなり、耳鳴りやめまい、のどの渇き、のぼせ、物忘れ、不眠などがおこります。

目の症状は肝

さらにAさんは目の症状も訴えているため、目に関連する肝の働きも衰えていると考えました。肝は血を貯蔵します。肝の血が不足すると、気力の減退、目の乾き、イライラ、のぼせ、耳鳴り、難聴、足のこむら返り、などの症状が出ます。Aさんは腎陰と肝血の不足により、不眠や目の乾きが出たのではと考えました。
Aさんを、「肝腎陰虚」と判断しました。対策として、腎の陰液と肝の血に代わる食材を補充しました(囲み参照)。また、温め過ぎると、さらに陰液が消耗されるため、しばらくは温め過ぎないように刺激物や油物の食材を取りすぎず、サウナや岩盤浴なども控えめにすることをアドバイスしました。
その結果、10日を過ぎたあたりから、全体的なだるさがなくなり、スッキリしてきたとのこと。症状がすべてが改善したのではないですが、喉の渇きはなくなり、ふらつき、こむらがえりなどが緩和してきました。

※薬膳料理での食事改善は即効性があるものではなく、時間をかけてするものです。強い症状は主治医や専門医に相談することをお勧めしています。



全身を潤すスープ

沖縄風みそ汁

[腎に潤いヤマイモ、豚・腎を補う豚豆、卵、キャベツ]
 

●材料(2人分)
骨汁  
豚だし骨 1kg
5L
   
沖縄風みそ汁  
骨汁 600ml
ヤマイモ 100g
豚豆 100g(1個)
キクラゲ 2枚
2個
キャベツ 50g
ネギ 適量
みそ 大さじ1と半分
 

●下ごしらえ・骨汁を作る。 
1. たっぷりの水に、だし骨を入れて40分程度ゆでる。
2. ザルにゆでこぼして、分量の水を入れ、だし骨を入れて8時間ゆでる
  ヤマイモは、皮を食べやすい大きさにカットする。豚豆はボイルして、縦1/4にカットし尿管を取り、食べやすい大きさにカットする。キクラゲは千切りに、キャベツは短冊切りにカットする。卵は器に割っておく。

●作り方 
1. 鍋に骨汁を入れ、ヤマイモ・豚豆・キクラゲ・キャベツを入れ、強火で沸騰させ、そこから中火~弱火で具材に火が通るまで煮込む。
2. 1の鍋に卵を一つずつ入れ半熟になるまで火を通す。
3. だしで溶いたみそを2の鍋に入れ、全体的にみそが混ざれば火を止める。
4. 3を器に盛り、小口切りしたネギをのせ出来上がり。


食材の効果レシピから

陰を補う、口の渇きに、脊髄や骨髄に栄養補充
ヤマイモ 陰を補う、疲労・口の渇き・老化防止・頻尿に
豚豆 腎を補う、腰痛・むくみ・体力回復に
キクラゲ 補陰、血を補い、貧血やのぼせ、不安に
陰を補う、血を補う、口の渇き・体力回復に
キャベツ 腎を補う。胃もたれ・胃腸虚弱に

 

お勧めの食材

◆腎陰と肝血を補う
ヤマイモ・豚の骨・黒豆・アスパラ、エリンギ・ホウレンソウ・クワの実・ニンジン・イカ・カキ・カニ・スッポン・ブリ・豚肉・キクラゲ・チラグヮー(豚の顔)・黒米・ナタマメ・ササゲ・黒ゴマ・枝豆・キャベツ、プルーン・ブドウ・ブルーベリー・ウナギ・エビ・サザエ・豚レバー・豚の腎臓・鶏肉

 

<過去の薬膳レシピ>




[文]
宮國由紀江(みやぐに・ゆきえ)
「薬膳龍花」主宰。国際中医薬膳講師、栄養士。沖縄の食材を使った琉球薬膳料理を研究している。
http://www.y-ryuka.com/​



MY LIFE|funokinawa 〜週刊ほーむぷらざ〜


編集/栄野川里奈子
『週刊ほーむぷらざ』薬膳でメンテ・第1553号 2017年4月20日掲載
[薬膳・ヘルスケア・老化]

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