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2017年11月16日更新

琉球薬膳料理研究家の宮國由紀江さんが教えてくれる薬膳レシピ「ロールキャベツ」

気・血・水のバランス整え心身快調に 薬膳でメンテ[56]
アトピー|胃腸を整えて熱冷ます

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 Gさん 男性(23歳)

「アトピー性皮膚炎」

【症例】
幼いころから皮膚が弱かった。就職後、手のひらと顔のかゆみに始まり、徐々に全身にかゆみが生じ、成人後、アトピー性皮膚炎と診断された。顔面や手足の屈曲部・両腕全体に激しいかゆみがあり、赤く腫れ、乾燥する。中でも、耳の周りの症状が、ひどかった。夜はかゆみや寝汗でゆっくり寝られず、不眠にも悩まされていた。病院で処方された薬やステロイドで、症状をおさえていた。



胃腸を整えて熱冷ます

Gさんは、両手首から腕にかけて黒みを帯びた褐色で色素沈着が顕著でした。手の指のかゆみがひどく、かきむしると透明な液とともに表皮がはがれます。食事は辛い物や脂っこいものを好み、便は4~5日に1回。食欲はあまりなく、食べると胃もたれをするとのこと。慢性の鼻炎にも悩まされていました。
アトピー性皮膚炎は、気・血・水や、その流れに異常が発生し、過不足が生じたときに症状が現れます。皮膚と皮下組織の病で、中医学的に、皮膚は肺に、肌は脾(胃腸)に属するため、肺と脾の病と考えることができます。さらに、大気汚染や空調設備の環境、食生活にも密接な関係があります。


二つのタイプ

アトピーには、大きく二つのタイプがあります。
①かきむしると血液は出るが湿液はみられず、患部が白い。首や手足の屈曲部、足の裏、手などに症状が出る。小食で疲れやすく、夏の夜にも薄い布団をかぶりたがり、よく横になっているタイプ。気や潤いが足りず、湿(余分な水)が停滞。幼い子どもに多い。
②かきむしると、黄色い湿液のかさぶたを形成し、首や腹部、全身に炎症がある。慢性的な鼻つまりや鼻水、くしゃみ、便秘もある。不眠。冬でも薄着だが、足の指先は冷たい。気や潤いが足りず、湿と熱が停滞。
どちらも胃腸の機能が弱まり、栄養や水の不足・停滞から、体に熱がこもることが原因です。対策は、胃腸を丈夫にし熱を冷ますこと。二つで異なるのは、②のタイプは湿を排出させないといけないことです。今回の相談者は②と判断し、胃腸を整え、熱を冷まし、湿を取る食事療法をアドバイスしました。
湿の原因の一つが、油っこい物や辛い物の食べ過ぎといわれ、ストレスは熱がこもる原因となります。普段の食生活は、熱や湿を生む辛い物や揚げ物を控えめにし、煮物や蒸し料理などあっさりした調理方法がよいと伝えました。軽い運動をし、ストレスを解消する事も勧めました。
その結果、Gさんは、徐々にかゆみが軽くなり、少しずつ眠れるように。体力がついたようだ、とのことでした。重い症状だったので、食事療法だけですぐに完治することは難しいのですが、悪化しないようサポートすることも薬膳の役割だと考えています。


ロールキャベツ|薬膳でメンテ

胃腸を整えるゴボウ、キャベツ
熱をさます昆布、ゴボウ

ロールキャベツ
[熱と湿を取る]

 

●材料(2人分)
キャベツ 6〜10枚
昆布 5g
ゴボウ 50g
キクラゲ 30g
豚ミンチ 150g
小さじ半分
片栗粉 大さじ2
みそ 大さじ2
かつおだし 500ml
 
●作り方 
1. キャベツはまん中の芯を包丁でくりぬいて、一枚一枚はがしてボイルする。
2. 昆布、ボイルしたゴボウ、キクラゲを千切りにする。
3. ボウルに2と豚ミンチ、塩、片栗粉を入れしっかりこねる。
4. 1のボイルしたキャベツに3の具をのせ包む。
5. 鍋にかつおだしと、かつおだしで溶いたみそを入れ、4のロールキャベツを並べ詰めていく。
6. 沸騰したら、中火にして落としぶたをして煮汁がなくなるまで煮込む。


食材の効果レシピから

昆布 体の熱を取り、痰湿を排出する
キクラゲ 体を潤す
ゴボウ 胃腸を丈夫にし、体の熱を取る
キャベツ 胃腸の調子を整える

 

お勧めの食材

ニガウリ・トウガン・ナス・ヘチマなどウリ系の野菜。モズク・アオサ・ヒジキなどの海藻類。昆布・山芋・キクラゲ・エリンギ・豚肉・魚類など。



<過去の薬膳レシピ>




[文]
宮國由紀江(みやぐに・ゆきえ)
「薬膳龍花」主宰。国際中医薬膳講師、栄養士。沖縄の食材を使った琉球薬膳料理を研究している。
http://www.y-ryuka.com/​


編集/栄野川里奈子
『週刊ほーむぷらざ』薬膳でメンテ・第1583号 2017年11月16日掲載
[薬膳・アトピー]

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