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2018年3月15日更新

琉球薬膳料理研究家の宮國由紀江さんが教えてくれる薬膳レシピ「ハトムギと玄米ドリンク」

気・血・水のバランス整え心身快調に 薬膳でメンテ[60]
ぜんそく|胃腸の低下が原因の一つ

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Kさん 女性(60代)

「ぜんそく」

【症例】
痰(たん)が多く息が苦しい。舌の苔(こけ)が厚い。呼吸をするとゼーゼーヒューヒューと音がする。太りぎみ。前はかなり暴飲暴食をしていたが、最近は食欲があまりない。



胃腸の低下が原因の一つ

中医学では、呼吸は、「肺」と吸い込まれた精気を納める「腎」による協調運動です。ぜんそくは、何らかの原因で、肺と腎の協調運動がスムーズに行われなくなり、呼吸が乱れて息苦しくなる現象と考えます。主な病変は肺に起こりますが、腎も大きく関わっています。

肺にトラブルを引き起こす原因の一つが、体内の余分な水分や汚れである「痰」です。痰は体の新陳代謝が阻害されてできたもので、肺での滞りがぜんそくの原因になると考えられます。体の水分代謝は、「肺」と「腎」そして消化吸収をつかさどる臓器である「脾」が互いに協力して行われています。これらの働き、特に脾の働きが低下すると、痰ができやすくなります。生じた痰がからだにたまり、肺に上がって、せきやぜんそくの症状を起こします。つまり「肺・腎・脾」に問題があると、気管支ぜんそくになりやすいということです。細菌やウイルスなどが原因の場合もありますが、中医学では、季節や邪気、肺・腎・脾と密接な関係があると考えます。


暴飲暴食を避ける

Kさんは、食事の不摂生によるものと考えました。暴飲暴食で「脾胃」の機能が低下し、生じた痰が肺に上がり、発作が起きたと推測されます。

薬膳では、ぜんそくの発作を緩和したり、鎮めることはできませんが、発作を起こさないよう予防することを目指します。

Kさんには、暴飲暴食を避けるなど、食生活や食事の量のバランスについてアドバイスをしました。さらに、肺を健やかに保つ食材と、脾胃にたまった痰湿を取り除く食材をお勧めしました。また、甘い砂糖や脂っこい食材は痰湿を生じるといわれています。特に、暑くなると胃腸の機能が低下しやすいとされているため、これから夏に向けて養生は重要です。

Kさんは食生活の改善に取り組みました。劇的な変化はないのですが、発作での入院や、仕事を休む回数が減ってきたそうです。




痰取り除く/ハトムギ、玄米
胃腸温める/黒糖、ショウガ

ハトムギと玄米ドリンク
[胃腸を整え、痰を取り除く]

 

●材料(作りやすい量)
玄米 50g
ハトムギ 100g
黒糖 半カップ
ショウガ汁  大さじ1
3カップ
 
●作り方 
1. 玄米・ハトムギは、フライパンで20分程度炒(い)る。
2. 1の玄米・ハトムギ、水をミキサーに入れ、攪拌(かくはん)する。
3. 攪拌した2を鍋に入れ中火にかけ約40分程度加熱する。水分が減ってきたら、途中で水を足す。
4. おかゆのようにとろみが出てきたら、黒糖・ショウガ汁を入れ味を調える。


食材の効果レシピから

玄米 痰を取り除く。の調子を整える
ハトムギ 痰を取り除く。美白効果がある
黒糖 おなかの冷えを散らす。下痢に効果的
ショウガ 肺や胃腸を温める。風邪を予防する

 

お勧めの食材

米・芋・ヤマイモ・米こうじ・ハトムギ・小豆・緑豆・インゲン・もやし・ゴーヤー・ニガナ・セロリなど



[文]
宮國由紀江(みやぐに・ゆきえ)
「薬膳龍花」主宰。国際中医薬膳講師、栄養士。沖縄の食材を使った琉球薬膳料理を研究している。
http://www.y-ryuka.com/​



<過去の薬膳レシピ>


編集/栄野川里奈子
『週刊ほーむぷらざ』薬膳でメンテ・第1599号 2018年3月15日掲載
[薬膳・ぜんそく]

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