毎日のレシピ
2017年1月19日更新
ローゼルとワインのホットドリンク|薬膳レシピ
琉球薬膳料理研究家の宮國由紀江さんが教えてくれる薬膳レシピ
[高血圧を予防赤ワイン、血圧を下げるローゼル]
高血圧を予防赤ワイン、血圧を下げるローゼル
ローゼルとワインのホットドリンク
[睡眠前におちょこ一杯飲んで、体ポカポカ]
赤ワイン | 300ml |
ローゼル | 5個 |
シナモンスティック | 1本 |
はちみつ | 大さじ3 |
1. | 鍋に、全ての材料を入れ中火で加熱する。 |
2. | 約20分加熱し、少しトロッとしたらできあがり。 |
3. | 粗熱をとり、冷蔵庫で保存する。 |
*飲む前に温めて飲むのがおすすめです。 |
食材の効果
赤ワイン | 高血圧予防、動脈硬化予防、体を温める |
ローゼル | 血圧を下げる、美肌 |
はちみつ | 空ぜき、乾燥肌に効果的 |
食生活見直し冷え対策も高血圧
中医学では、高血圧は病気を引き起こす可能性が高い未病の状態です。放っておくと深刻な病気につながる恐れもあるので油断は禁物です。
中医学では、原因の一つを於血(ドロドロの血液。血行不良)だと考えます。また、血液を送り出す「心(心臓)」の不調、心の働きと深く関わっている「肝(肝臓)」「腎(腎臓)」の機能の低下なども、高血圧を招く要因となります。
こうした不調には、ストレスや喫煙、肥満、運動不足、塩分やコレステロールの高い食事といった生活習慣の不摂生が大きく関係しています。特に食生活は、於血、高血圧と密接に関係しています。血圧を安定させるためには、血流を良くするように、生活習慣を見直すことが大切です。
高血圧にも体質によってさまざまなタイプがあります=下表参照。体質にあった食養生を心掛けましょう。
さまざまな体質に共通するのが季節の養生です。寒い冬は血の巡りが悪くなり、血圧が高くなりやすい時季! 寝る前に冷えないように予防をすることも大切です。
◆最高血圧が高い【ストレスタイプ】
症状:頭痛・めまい・耳鳴り・顔の紅潮・ほてり・イライラ・口渇・舌の色が赤い・舌のコケが黄色
解説:このタイプの高血圧は「肝」がポイントです。肝は血液の貯蔵庫であり、血液の流れや代謝をコントロールする臓腑(臓器)。この肝の血(陰)と気(陽)のバランスが保たれていると、新陳代謝もスムーズで情緒も安定します。しかし、怒りや憂うつなどで精神的なストレスがたまると、肝の血(陰)を消耗し、陽気が過剰に上昇! 陰陽のバランスが崩れ、血圧も上昇します。
【お勧めの食材】
熱を取る苦味のある食材。セロリ・ニガウリ・ニガナ・からし菜・緑茶・トマト・キュウリなど
◆最低血圧が高い【血行不良タイプ】
症状:頭痛・めまい・物忘れ・胸悶(きょうもん)・胸痛・顔色が悪い・手足がしびれる・むくみ・舌の色が暗い
解説:このタイプは、「於血」といって血液が汚れ(例えば、コレステロールや中性脂肪が高い)、ドロドロになって血液の循環が滞り、血管の内壁に汚れがたまって血栓ができます。慢性的な血管疾患のため血管が徐々に硬くなり、さらに血行が悪くなる心配も! 於血が発生すると、血と一緒に流れている水も停滞し、痰(たん)湿(体内の余分な脂肪や水分)が体内に発生しやすくなり、ますます血行が悪くなる恐れがあります。
【お勧めの食材】
海藻類。血液の汚れを掃除して血管を軟らかくする効果があります。ワカメ・ヒジキ・昆布・モズク・アオサ・黒キクラゲ・ローゼル・赤ワインなど
◆慢性・高齢の方【エネルギー不足タイプ】
症状:息切れ・疲労感・動悸(どうき)・耳鳴り・めまい・物忘れ・睡眠障害・腰痛・夜間の頻尿
解説:加齢とともに増える高血圧。高齢の方・慢性化している人の高血圧は、体力不足にも配慮が必要です。血液を運ぶ気(エネルギー)が不足すると血液の流れが滞り、動脈硬化が進み高血圧につながることがあります。腎機能が低下するとエネルギー不足になってしまうため、エネルギーの源を生む「腎」を補うことが大切です
【お勧めの食材】
クコの実・黒ゴマ・クルミ・豚の腎臓・黒キクラゲなど
<過去の薬膳レシピ>
- 野菜のカップケーキ
- 大福もち
- ロールキャベツ
- マメマメサラダ
- レーズンペースト
- 野菜と魚介のスープ
- トマトとイカのサラダ
- 薬膳スイーツポテト
- 沖縄風みそ汁
- 豚レバー薬膳スープ
- ローゼルとワインのホットドリンク
- クリームチーズの芋団子
- 豆腐とヤマイモのグラタン
- クワの葉と実のムース
- 大根もち
- セロリとトマトのスープ
- ネギのリゾット
[文]
宮國由紀江(みやぐに・ゆきえ)
「薬膳龍花」主宰。国際中医薬膳講師、栄養士。沖縄の食材を使った琉球薬膳料理を研究している。
http://www.y-ryuka.com/
編集/栄野川里奈子
『週刊ほーむぷらざ』薬膳でメンテ・第1540号 2017年1月19日掲載
[薬膳・ヘルスケア・高血圧を予防]