毎日のレシピ
2017年9月21日更新
琉球薬膳料理研究家の宮國由紀江さんが教えてくれる薬膳レシピ「りんごのコンポート」
気・血・水のバランス整え心身快調に 薬膳でメンテ[54]
冷え性|毎日食べて冷え改善!「りんごのコンポート」
Eさん 女性(46歳)
「風邪」
【症例】
鼻水透明、発熱、うなじや背中の寒気、頭痛、倦怠(けんたい)感、くしゃみなど、風邪っぽい症状がある。仕事も忙しいので休みがとれないため風邪がこじれると困る。薬膳料理でいい方法はないか? と相談があった。
まず冷えか熱かを判断
このような症状は、風邪と判断します。中医学では、風邪を感冒といい、寒気、のどの痛み、熱っぽさ、頭痛、くしゃみなど、人によってさまざまな症状を訴えます。風邪の初期段階では、外の空気と直接接している体の表面や浅いところ(皮膚など)に症状がでてきます。まだ奥まで入り込んでないこの段階で手をうてば、邪気を追い出すことができます。風邪には冷えているタイプと熱タイプがあります。
鼻水が透明で、発熱は軽いが悪寒が強く、汗は出ない場合は、体が冷えていると考え、体を温めながら発汗させます。逆に、鼻水がネバネバで、汗がすっきり出ない、のどが渇き発熱がある場合は、体に熱がこもり炎症があると考え、熱をとり炎症を鎮め、発汗させます。
食べ過ぎはNG
Eさんの感冒は、体が冷えたための感冒(風邪)と考え、温めて発汗させながら邪気を払う食材を取るようアドバイスしました。ショウガや黒糖、シナモンなどです。
また、体に侵入した邪気を払うには、エネルギーが必要となります。人の体に邪気が侵入するということは、中医学では防御するエネルギーが不足しているとも考えます。
このような状態の時に、無理して食事をすることは逆効果です。食物の消化をするにもエネルギーが必要となります。風邪を長引かせないためにも、邪気を払うことにエネルギーが集中できるよう、無理して食事を取らず消化の良いおかゆやホットドリンク程度に抑え、体を温めて早めに就寝し、症状が治まったら、しっかり食事をすることをすすめました。
Eさんは、黒糖ショウガに少しお酒を入れ、早めに寝ることで、翌日には症状は緩和しました。
体を温めるシナモン、ショウガ
肺を潤すハチミツ、リンゴ
りんごのコンポート
[体を温め肺を潤す]
リンゴ | 1個(大) |
シナモンスティック | 1本 |
おろしショウガ | 大さじ2 |
ハチミツ | 大さじ3 |
レモン汁 | 大さじ2 |
1. | リンゴの皮をむき8等分にカットする。 |
2. | 鍋に1のリンゴを入れ、弱火で加熱し、リンゴから煮汁が出てきたらショウガ汁、レモン汁、シナモンスティックを入れ、再び加熱する。 |
3. | 2にハチミツを入れ全体的に、ハチミツがなじんだら火を止めて出来上がり。 |
食材の効果レシピから
リンゴ | 肺を潤し・胃腸の調子を整える |
シナモン | 体を温め寒気を取り除く |
ショウガ | 体を温め寒気を取り除く |
ハチミツ | 肺を潤し乾燥をケアする |
レモン | せきやたんなどに効果的 |
お勧めの食材
冷える風邪に
ショウガ・黒糖・シナモン・シソ・ネギ・ヨモギ・トウガラシ・ハッカクなど
熱がこもる風邪に
ハッカ、緑豆、豆腐、クワの葉、タンポポなど
<過去の薬膳レシピ>
- 野菜のカップケーキ
- 大福もち
- ロールキャベツ
- マメマメサラダ
- レーズンペースト
- 野菜と魚介のスープ
- トマトとイカのサラダ
- 薬膳スイーツポテト
- 沖縄風みそ汁
- 豚レバー薬膳スープ
- ローゼルとワインのホットドリンク
- クリームチーズの芋団子
- 豆腐とヤマイモのグラタン
- クワの葉と実のムース
- 大根もち
- セロリとトマトのスープ
- ネギのリゾット
[文]
宮國由紀江(みやぐに・ゆきえ)
「薬膳龍花」主宰。国際中医薬膳講師、栄養士。沖縄の食材を使った琉球薬膳料理を研究している。
http://www.y-ryuka.com/
編集/栄野川里奈子
『週刊ほーむぷらざ』薬膳でメンテ・第1575号 2017年9月21日掲載
[薬膳・風邪]