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彩職賢美|沖縄の輝く女性にインタビュー

COLUMN

新城和博

2017年1月27日更新

すいスイーツ|新城和博のコラム

ごく私的な歳時記 Vol.25
首里に引っ越して20年。「ボーダーインク」編集者でライターの新城和博さんが、この20年も振り返りながら、季節の出来事や県産本の話題をつづります。

すいスイーツ|新城和博さんのコラム


茶色いのが多いのはきっと黒糖を使っているからかな。
おばあちゃんが出してくれたお菓子も、だいたい茶色っぽかった気がするのは個人的記憶の改ざんかもしれないけれど、やっぱりどこか懐かしい味がする。

何かといえば、最近、食後のお楽しみとしてハマってしまった地元のお菓子のこと。近所のスーパーのレジまわりとか、仏壇のお供え用のお菓子のそばにおいてある甘い、あれである。

しかし、あがらさー(蒸し菓子)のような味わいを好むようになろうとは、自分でも意外だ。蒸しカステラにハイガ蒸しパン、クラムパイ(ってなんだろ?)、よもぎ大福、きなこだんご……。みんな一口サイズ。ジャーマンケーキだって一口サイズ。お年寄りが好む味、というのはやはり偏見だろう。いや、僕もその境地の入り口にたどり着いたのか。

最近、沖縄の雑誌でロハスな感じのパンやおしゃれなスイーツが紹介されているのを見かける。ああおいしそうだなと思いつつ、遠出してその店まで出かける余裕とおしゃれ感のない僕らとしては、まさに“汝(なんじ)の足元を見よ! そこに甘き泉あり”(伊波普猷)である。めちゃくちゃおいしいー、ほっぺた落ちるーという感じではなく、ほっこりとおいしいなぁと、地味にもぐもぐしてしまう感じ。

その種類の多さと、製造しているお菓子屋さんの地元感に感動した。地元、その周辺の街角のお菓子屋さんが家内制手工業的に製造しているようだ。商品製造表示を確かめて、小さなもちの名前や、もちもちしたふかしたパンの名前を確認するのも楽しい。





首里のスーパーで買っているから、個人的にまとめて「すいスイーツ」と呼ぶことにした。首里(すい)の甘いもの。

実際、首里は和菓子屋さんが多い。近所を散歩してたまに立ち寄って、その店オリジナルの名物まんじゅうとかプリンとか買ったりもしていた。伝統の琉球お菓子と和菓子、そして洋菓子が並んでいる光景は、沖縄の歴史の断片かもしれない。スーパーではそういう店はもちろん、浦添や那覇や中南部の店からやってきた商品も並んでいる。玉城のある菓子製造所のもちの表示に「ナントゥの老舗」というフレーズを見つけて、ナントゥにも老舗があるのかと一口大の感動をした。

このような身近な地産地消というのは、僕が仕事にしている「沖縄県産本」にも通じるものがある。いや見習うべき営業戦略があるのでは……、なんてことまで考えながら味わっている。もぐもぐ。

本格的に「すいスイーツ」をまち歩きのコースにして、今度散策してみようと計画中である。



正月の首里城からの風景


 

<新城和博さんのコラム>
vol.34 かつてここにはロマンがあった
vol.33 夏の終わりのウッパマ
vol.32 ちょっとシュールでファニーな神さま
vol.31 セミシャワーと太陽の烽火
vol.30 甘く香る御嶽かいわい
vol.29 松の浦断崖と田園段丘の旅
vol.28 一日だけの本屋さん
vol.27 春の呑み歩き
vol.26 そこに市場がある限り
vol.25 すいスイーツ
vol.24 妙に見晴らしのよい場所から見えること
vol.23 帯状疱疹ブルース
vol.22 隣の空き地は青かった
vol.21 戦前の首里の青春を偲ぶ
vol.20 君は与那原大綱曳をひいたか?
vol.19 蝉の一生、人の一日


過去のコラムは「コノイエプラス」へ


新城和博さんのコラム[カテゴリー:まち歩き 沖縄の現在・過去・未来]
ごく私的な歳時記 vol.25

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ライター/編集者
1963年生まれ、那覇市出身。沖縄の出版社「ボーダーインク」で編集者として数多くの出版物に携わるほか、作詞なども手掛ける。自称「シマーコラムニスト」として、沖縄にまつわるあれこれを書きつづり、著書に「うちあたいの日々」「<太陽雨>の降る街で」「ンバンパッ!おきなわ白書」「道ゆらり」「うっちん党宣言」「僕の沖縄<復帰後>史」などがある。

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