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2025年10月2日更新

ロボットを使い、膝の人工関節手術 世界的にも主流に|身近な病気もっと知ろう 家族の医学手帳(136)

家族の健康が気がかりな「ほーむさん」が専門のドクターを訪ね、気になる病気について聞くこのコーナー。前回に続き今回も、整形外科治療の新たな選択肢について、医療法人八重瀬会理事長で同仁病院院長の山内裕樹先生に話を聞きます。

整形外科治療の新たな選択肢②

膝にも人工関節手術支援ロボット

変形性膝関節症の手術にも

ロボット手術が
世界の主流に


Q1 膝の手術にも手術支援ロボット?

変形性膝関節症とは、年齢とともに老化して弾力を失った膝関節の軟骨がすり減り、変形してしまう疾患です。60代以降の女性に多く、膝にかかる負荷も原因となることから、肥満率が高い沖縄では少なくありません。初期には、膝が腫れる、水がたまるといった症状や、立ったり座ったりの動き始めに痛みを感じます。進行すると正座ができない、膝をまっすぐに伸ばしきれないといった症状も出てきます。さらに進行すると軟骨がすり切れて骨同士が当たるようになり、膝を曲げ伸ばしの際にゴリゴリと音がすることもあります。

変形性膝関節症が進行すると、最終的には人工膝関節に置き換える手術が必要になりますが、当院では手術支援ロボットを導入しています。この人工膝関節置換術では世界的にも整形外科専用の人工関節に特化したロボットが主流になってきており、当院でも昨年は160件以上行っており、導入から730件以上の手術を実施しています。

 

Q2 膝関節をどう手術するの?

膝関節のダメージが広い場合には、骨の損傷面を取り除き、人工膝関節を設置する手術を行います。この手術は整形外科ではとてもポピュラーな手術で、年間約10万人の方が受けています。ロボットを使用すると、人の手よりも精密で正確な手術が可能になります。変形性膝関節症では膝関節の内側がすり減ってO脚になるケースが多く、骨を切る角度は患者一人一人で違います。当院が使用しているロボットは理想的な角度をナビゲーションし、医師が直接アームを操作して組織を切ることができるため、人の手で行う感覚に近い直感的な手術が可能です。また、手術する組織への負担や損傷が最小限になるため、術後もより早い回復が期待できます。
 
人工膝関節置換術の流れ

すり減った膝関節の傷んだ部分を取り除き、人工関節に置き換える人工膝関節置換術には、膝関節全体を人工関節にする全置換術と、部分的に人工関節にする部分置換術があり、いずれも手術支援ロボットが活躍するケースが増えています。
 

 

Q3 部分的な手術もあるの?

膝関節の傷んだ部分が狭い場合には、膝関節の一部だけを人工関節に置き換える人工膝関節部分置換術を行います。この手術のメリットは、膝関節全体を人工関節に置き換える人工膝関節全置換術に比べて、患者の身体にかかる負担が少なく、術後には正座できるほど回復する方もいます。
 
◆   ◆   ◆

次回は、整形外科分野での再生医療について聞きます



山内裕樹さん/医療法人八重瀬会理事長、同仁病院院長

やまうち ゆうき/医療法人八重瀬会理事長、同仁病院院長
医師、医学博士。東京科学大学臨床教授。日本股関節学会、日本人工関節学会の評議員。日本整形外科学会、日本リハビリテーション学会、日本リウマチ学会、日本脊椎髄病学会の指導医。日本骨粗鬆(しょう)症学会認定医など。モットーは「正確な診断、適切な治療、良質な対応」。

医療法人八重瀬会 同仁病院
電話=098-876-2212
沖縄県浦添市城間1丁目37番12号
文・堀基子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』 家族の医学手帳<136>
第1990号 2025年10月2日掲載

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