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2021年3月18日更新

薬膳ごはんと食材帖(11)|[黒糖]おなか温め整腸作用も

春を感じる季節になりました。この時季の気温の特徴は、三寒四温。寒くなったり、暖かくなったりと日によって気温が変わりやすく、段々と暑くなる準備をしています。このようなときは、風邪をひきやすく、体調を崩しがち。今回は、そんなときに体をサポートしてくれる黒糖(黒砂糖)を取り上げ、簡単なレシピも合わせて紹介します。

黒糖|月経痛、整腸、血の巡りをサポート


腹部を温める。血の巡りを良くして胃腸の調子を整え、消化器官を丈夫にする働きがある。月経痛に悩む女性や、おなかを下しやすい人におすすめ。ミネラルが豊富に含まれている。


カリウムやカルシウムが豊富

沖縄で昔からなじみのある黒糖。薬膳的には、おなかを温める他、血の巡りを良くして胃腸の調子を整え、消化器官を丈夫にする働きがあるとされています。特に、月経痛に悩む女性や、冷たいものを食べるとおなかを下しやすい人におすすめの食材です。

現代栄養学の観点からは、カリウムやカルシウムなどミネラルが豊富なため、「ミネラルの塊」と言われています。さらに、天然オリゴ糖とも呼ばれるラフィノースや、抗糖尿病や抗コレステロール作用があるとされているフェニルグルコシドなどの成分が含まれており、整腸作用も特徴の一つです。

先にお伝えした薬膳的な効能と、科学的な根拠に基づいた現代栄養学の考え方が一致することに注目です。薬膳的効能は科学が発達する以前から先人の知恵によって伝えられたものですが、現代でも同じように考えられているのです。今後も、先人が体験してきた「食べ物は薬」という考え方は大切にされていくと思います。

今回紹介するレシピの「黒糖くろみつ」は簡単に作ることができ、さまざまな使い方があって重宝します。風邪予防に役立つショウガやヒハツの他、急な寒さ対策に生かせるシナモンを加えるので、ぜひ今の時季に食べてほしいです。

薬膳料理とは、毎日おいしく食べることにより、ゆっくりと体調の変化を感じることができる料理です。焦らず、ゆっくり、のんびりと、自身の生活に合った食材を選び、元気な体作りに生かしていただきたいです。


黒糖くろみつ


●材料
粉黒糖………………………………200g
水……………………………………200ml
ショウガ……………………………20g
シナモン……………………………大さじ1
クローブ……………………………1粒
ヒハツ………………………………小さじ1

☆薬膳的には、ショウガは風邪予防、食欲不振の緩和、シナモンは急な寒さ対策、血行促進、クローブは冷えによる腹痛の予防、ヒハツは風邪予防に役立つと考えられている。

●作り方
 鍋に全ての材料を入れて火にかけてゆっくり煮詰める。
 粉黒糖が溶けているかを確認して火を止めたらできあがり(過熱時間が長くなり過ぎると、固まってしまうため、火加減に注意する)。


黒糖くろみつの使い方

■悪寒を伴う風邪をひいた場合
黒糖くろみつに、生のショウガをすりおろして加え、お湯に溶いて飲む。

■月経痛対策・お腹を下しやすい人に
ホットティーやカカオドリンクなどに、スプーン1杯分の黒糖くろみつを加えて定期的に飲む。アイスクリームにかけると、おなかの冷え予防に。下しやすい人は、食前にお湯で溶いた黒糖くろみつを飲むのもおすすめ。



著者の宮國由紀江さん
みやぐに・ゆきえ/栄養士。病院の栄養士を経て、薬膳研究家へ。国際中医薬膳士。琉球料理伝承人。薬膳の普及に努める。薬膳琉花代表。県内外で講演。県栄養士会会員。


宮國由紀江さんが書いた「薬膳でメンテ」(タイムス住宅新聞社発行)が県内書店で発売中!
かぜや不眠、便秘など、日々の不調を食事でサポートする心強い一冊だ。1500円(税別)。
問い合わせは、タイムス住宅新聞社☎︎098(862)1155へ。


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昆布
甘薯(サツマイモ)
豚豆(ブタマメ)

ナガイモ・ヤマイモ
米麴
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レンコン
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毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1754号 2021年3月18日紙面から掲載」

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