地域と暮らし
2017年9月5日更新
奇跡の南大東島 浪漫孤島【2】空気感
沖縄本島の那覇市から東へ400キロ。断崖絶壁の孤島での感動体験レポ!
島に流れる悠久の時 空気感
月見橋から見える池。県内にある池の大きさ上位13位までがすべて南大東島にあり、県内でも有数の湿地帯。めずらしいのは、上部約50cmだけが淡水で、そこよりも深い部分は海水となる。
朝日が昇り、まだ静けさに包まれた島の早朝。
8月24日の5時半を回った頃の空は、朝日で雲が白く輝いていた。
6時に近づくにつれ、作業服姿の人の運転する軽トラックの往来が増える。
「島の朝は早い」と聞いていたが、本当だった。
宿泊先だったホテルよしざとの向かいにあるケンチャンストアー。
市街局番が一桁!
コンパクトな店内には、総菜や野菜を始め、食品類から生活雑貨、南大東村の特産品、釣り用具など幅広い商品のラインナップされ、ところ狭しと並んでいた。
見たことがある商品が、いつもと違ってなぜだかエキゾチックに見えてしまうから、不思議だ。
食料品、日用品が並ぶ。個人的に魚拓に釘付け。
お店の人に聞いた売れ筋商品は、予約で完売することが多いという卵。ケンチャンストアーはなんと養鶏農家でもある。島の人の多くが兼業農家だという。
朝6時から夜10時までの営業時間だが、オープン早々、店の前には車がひっきりなしに停まる。
夜中3時頃から作り始めるというお弁当やおかずの品々。また、オーナーのケンチャンが手作りするユシ豆腐を目当てに、皆が買いに来る。
いつもの朝の風景から、そこで暮らす人たちから島の日常を感じた。その空気感は形に残らないけれど、島で過ごした時間を振り返ったときに、旅全体の印象を立体的にするのだと気が付く。
僕もユシ豆腐を買ってみた。
とても、優しい味。
今回、同じツアーに豊見城市から参加されていた女性がいた。彼女の親戚が南大東村にいて、なんとこのユシ豆腐を作っているケンチャンとご親戚だと分かった。朝食を向かい合って食べながら、ユシ豆腐も一緒に食べた。
会ったことはないケンチャンをすごく身近に感じられて、今まで食べたユシ豆腐の中で一番おいしいような気がした。
なんでも素敵に感じさせられる南大東村効果、恐るべし。
さて、南大東村は200万年後に消失すると言われているのを知っているだろうか。
現在でも北西方向に1年で7cmの移動を続けていている。約140km進むと、琉球海溝に達し、その時点で大東諸島は地球表面から消えることになると言われている。
まさに浪漫孤島。
永遠ではないそこに流れる悠久の時間が、今日も刻一刻ときざまれる。人間が物理的に目にすることができないものには、空気や愛、人間の心のうちなどがあるが、時間もその一つ。
僕も100%死ぬけれど、それがいつなのかは知る由もない。一年後、いや明日だって今日と同じように生きていられるとは限らないのだ。でも終わりなんて、意識しない毎日。
しかし、この浪漫孤島では終わりに向かう時が刻まれている。そのことへ想いを馳せると、旅として訪れたときにも感じられるものが、他にはない深い味わいになっているのかもしれない。
今日も、この島の朝は早い。
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②奇跡の南大東島 空気感
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