果実感豊かでビギナーにも

新興国のワインの特徴は？

比較的ワイン生産の歴史が浅い国「ニューワールド」には、アメリカ、チリ、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、日本などがあります。

まず有名なのはアメリカ。中でも、カリフォルニア州は生産量・質ともにトップクラスの産地です。豊富な日照量に由来するボリューム感のあるフルボディータイプが多く、小売価格で１０万円を超えるカルトワインも多数存在します。

コストパフォーマンスの高さからここ数年、日本で大ブームを起こしたのがチリ。現地の安価な人件費や土地代に加え、日本と締結したEPA(経済連携協定)により関税が削減・撤廃されたのがその要因。ちなみに、カルメネールという濃厚な赤ワインを生む黒ブドウ品種がこの国の看板の一つです。

そして日本。湿潤で雨量が多く、ワイン用のブドウ栽培には不利な条件が多いとされてきましたが、近年は、逆に日本の風土を映した繊細で軽やかなワインを製造。特に、和の柑橘類の香りとさっぱりとした味わいが特徴の白ワインを生む日本固有のブドウ品種・甲州が、世界から高い評価を得ています。

自由な発想と最新設備を用いた新興国のワイン。日本を除く各国は、高いアルコールに由来するふくよかさ、ジューシーさを持つのも特徴。果実感豊かでビギナーにもお勧めです。
 

今月のオススメ！

「甲州ドライ」
白・辛口／日本／1400円／山梨県甲府市に設立されたワイナリーのワイン。和柑橘やリンゴのような甘い果実の香りでスッキリとした飲み口。甲州特有のほのかな苦味、程よい酸味が爽快な一本。白身の刺身や寿司、天ぷらなどと｜写真左

「ダイヤモンド・コレクションクラレット」
フルボディ／アメリカ／4100円／名作映画「ゴットファーザー」の監督・フランシスコッポラ氏が所有するワイナリーのワイン。完熟プラムやスパイス、バニラの香りに濃厚な味わいが魅力。甘辛い味付けの牛肉料理と｜写真右


INFORMATION
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＜1月のオススメ！日本酒＞
「ラクリマ・クリスティ・デル・ヴェーズヴィオ・ビアンコ」、「パイパー・エイドシックエッセンシエル・キュヴェブリュット」

＜12月のオススメ！ワイン＞
「ラクリマ・クリスティ・デル・ヴェーズヴィオ・ビアンコ」、「パイパー・エイドシックエッセンシエル・キュヴェブリュット」

＜11月のオススメ！ワイン＞
「勝沼ブラン」、「穂坂マスカット・ベーリーA樽熟成」

＜10月のオススメ！ワイン＞
「アルダレス・アイレン」、「モルゴン サン・スフル／マルセル・ラピエール」

＜９月のオススメ！ワイン＞
「キュヴェ・ギョタク／ドメーヌ・ミットナット・フレール」、「ステーキ・ハウス／ハウス・ワイン・ワイナリー」

＜８月のオススメ！日本酒＞
「獺祭（だっさい） 純米大吟醸 磨き50 発泡にごり酒スパークリング」、「獺祭 純米大吟醸 磨き２割３分」

＜７月のオススメ！ワイン＞
「ガタオヴィーニョ・ヴェルデ」、「コンチェルトランブルスコ・レッジアーノ・セッコ」

＜６月のオススメ！ワイン＞
「甲州ドライ」、「ダイヤモンド・コレクションクラレット」

＜５月のオススメ！ワイン＞
「ソアーヴェ・クラッシコ」、「ジュヴレ・シャンベルタン」

＜４月のオススメ！ワイン＞
「パランガ・ホワイト」、「シャトー・ミュザール レッド」




［文］小湾 喜智
ワイン専門店「コート・ドール」ソムリエ

『週刊ほーむぷらざ』気軽にワイン＜3＞
第1561号　2017年6月15日掲載