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喜屋武奈央子

2018年10月17日更新

グローバルに活躍する~頑張り過ぎて燃え尽きてしまいそうなあなたへ。|喜屋武奈央子のコラム

喜屋武奈央子のfunokinawaコラム[vol.13]





大学生の時にアルバイトしていた塾で、「あなたは損な星回りだね~。人と同じ仕事量をこなしていたらあまり仕事してないように見えるから、人の2~3倍働かないと認めてもらえないだろうね」と言われたことがあります。その時以来かなり長い間、それが私の仕事量を自己判断する目安になってしまいました。自分では頑張っているつもりでも、周りと比べるとまだまだ同じくらいの量しかこなせていないように感じ、常に劣等感と戦う毎日。体力がある時はまだまだ頑張れると自分を鼓舞できるけれど、体力が落ちてくるとネガティブ感情のスパイラルにはまり込んでしまいました。常に人の2~3倍の仕事量をこなさねばならないと思うと、最初は使命感に燃えていた仕事でもだんだん士気が下がってしまい、最後はやらされている感がいっぱいで嫌になってしまうというのがお決まりのパターンでした。

嫌々仕事をすると、本来なら楽しめるはずのことも無味乾燥でつまらなく感じてしまいます。通常仕事はチームワークで行っているので、自分の仕事に加えてチームメートのカバーをすることもありますし、状況によっては新たな仕事が追加される場合もあります。現在抱えている仕事量だけでも精いっぱいなのに、これ以上は無理だと喉まで出かかっても言えない時もあります。私の経験では、チーム全体に大きく負荷がかかっている時には、特にそういう傾向があるように思います。「できないことはできないとはっきり言うべきだ」というアドバイスもよく見聞きしますが、言うはやすし行うは難し。特に組織に入って間もない人にとっては大変難しいアドバイスと言えるでしょう。

組織で働いていると、「うちの上司は理不尽で、一人一人の業務量も把握しないで次々と仕事ばかり振ってくる」「うちの部下は要領が悪くて、一から十まで教えないと何もできない」などの不満を一度くらいは口にしたり耳にしたこともあるでしょう。特に今は、上司も部下も関係なく業務や人間関係に対してストレスを抱えている人がたくさんいる、働きづらい時代であるように思います。政府は一億総活躍社会をつくるための働き方改革を推し進めていて、それに応じて抜本的な社内改革を行っている会社も話題になりますが、個人的には社員一人一人が充実感を感じながら仕事ができるような体制を整えることが、働き方改革の要だと思っています。

情熱を感じながら仕事をすることが充実感につながるというアドバイスもありますが、情熱というと少々ハードルが高いように感じる人もいると思います。そのような人は、日々の出来事の中にちょっとした喜びや感動することを見つけることから始めてみてはいかがでしょうか? 例えば、ちょっとした気配りでチームメイトが「ありがとう、助かる!」と言ってくれたこと。自分がいつもより早めにタスクを完了したことで、次の人がスムーズに仕事に取り掛かれたこと。取引先の人に笑顔であいさつしたら、同じように笑顔で会釈されたこと。頭をめいっぱい使った後で飲んだコーヒーに心底ほっとしたこと。受付に飾られている花が色鮮やかで、思わず目をとめたこと。どれもこれも忙しい生活の中では見落としがちな小さなことですが、このような小さな喜びに気がつくようになると、精神的に余裕が生まれます。私の場合はこの余裕が積み重なっていくことで、自分をしっかりコントロールできている実感がわきます。次に、チームがどのような状況であるのかを観察し分析する余裕が出てきます。そして、チーム全体の成果を上げるためには自分の業務量をどのようにこなしていけばいいのかを見極めることができるようになります。これが私の仕事の充実感につながっていくのです。

業務量が多かったり、同じような仕事ばかり任されたり、自分のスキルや能力に見合わない仕事をさせられているような感じがしたら、ちょっと立ち止まって客観的に観察したり、周りに意見を聞いてみてください。多いと感じる業務量は、スケジュールの立て方を工夫したり、業務をまとめてみたりすることで効率よくこなすことができるかもしれません。同じような仕事や自分にとって役不足に感じる仕事に対しては、今までとは違うやり方でより業務の質を上げたり、野球選手の素振りのように地道なベーシックトレーニングの機会だと捉えることはできるでしょう。自分のスキルや能力を超えているように感じる業務の場合は、自分の限界を打ち破る好機として挑戦してみてはどうでしょうか?

何かに取り組んでいる最中には、それが将来どのように作用するのか全く分からないことが多々ありますから、やっていることが無駄に感じたり、損をしている気分になったりすることもあると思います。私はOIST(沖縄科学技術大学院大学)の広報担当副学長のエグゼクティブ・アシスタントとして7年弱勤務していますが、愛情あふれるスパルタ元上司が「If you rest, you rust.(休めばさびる)」と言ってさまざまな業務を丸ごと任せてくれたおかげ(丸投げ?)で、自分の限界や新しいことに挑戦して成長する機会を貪欲に探していくことができました。「しまった、またこんな大変なことを引き受けてしまった…」と多少後悔することもありましたが、振り返ってみれば全て自分の肥やしになっています。

もちろん、どう考えても理不尽なほどの業務量を振り分けられたり、残業時間が尋常でないほど多い場合は、是正するよう組織内で適切な対応が必要ですので、無理せずに関係部署に相談をしてくださいね。



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1974年に沖縄本島(現在のうるま市)で生まれる。父の仕事の都合で10歳の時に新潟県に、13歳の時に北海道札幌市に引っ越す。大学3年まで札幌市で過ごし、21歳で米国アイオワ州にあるアイオワ大学に編入し、学士号(経済学)と修士号(第三世界の開発)を取得。卒業後は東京の財団法人や政府機関で働いたのち、国連の専門機関である国際労働機構(スリランカとスイスのジュネーブ)で勤務。帰国後は沖縄に戻り、現在は恩納村にある沖縄科学技術大学院大学(OIST)で勤務。1児の母。

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