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喜屋武奈央子

2017年9月1日更新

グローバルに活躍するために~精神的に自立する③|喜屋武奈央子のコラム

喜屋武奈央子のfunokinawaコラム[vol.04]


 

ブレない軸をつくる練習をしましょう。

私たちは日常的に、住む場所や休暇の行き先などの物理的な事柄から、価値観や宗教、政治、自分の内面に関わる事柄まで、さまざまな選択をしながら生きています。自分とは育ってきた環境が違う多種多様な人々のいるグローバルな環境で働いていると、何かを選択しなければならない場合、日本で生活している時よりも難しく感じることがありますし、日本の常識は海外では通じないこともよくあります。こういう時は、「自分」という軸をしっかり持つことが大事だと思います。この軸がしっかりしていなければ、周りの状況にのまれて自分を見失ってしまう危険性があるからです。真珠のネックレスを想像してみてください。真珠の1つ1つは、自分の能力やスキル、価値観、大切なことなどを表します。それらの真珠を繋いでいるひもが「軸」です。ひもが切れてしまうと、真珠はバラバラになってしまいます。

軸がしっかりしているということは、たった1人でもブレない精神的な強さがある、ということだと思います。例えば、四面楚歌になっても自らの信念に基づいて行動する意志と勇気がある。また、誰かに「こっちの方が絶対にいいと思うよ」と強く勧められて選択したことでも、その結果については決して人のせいにせず、「選択したのは自分である」と責任を取ることができる。これらは軸がしっかりしていなければできないことだと思います。

では、どうしたら軸がしっかりするのでしょうか? 人それぞれいろいろなやり方があると思いますが、私がジュネーブにいる時に教わって今でも実行している方法は、「孤独にどっぷり浸ること」です。自分にしっかり向き合うことで自分をよく知る努力をすること。自分をよく知るための孤独な時間を苦痛なく過ごせるようになることで、ブレない軸を作ることができると教わりました。

自分としっかり向き合う時間をつくるためには、人間関係を意識的に排除することが必要です。そこで有効なのが、スマートフォンやタブレット端末、パソコンなどのデジタル機器を一定の時間オフにする「デジタル・デトックス」です。IoT(Internet of Thingsモノ(物)がインターネットで繋がる仕組み)が急速に拡大している現在、デジタル機器は私たちの生活とは切り離せない存在になっていますが、あえてそれらから遠ざかることで、自分だけの孤独な時間を持ちやすくなります。私も時々スマートフォンなどのデジタル機器を持たずに出かけますが、孤独になれるだけではなく考え事に集中できるので、より中身の濃い時間を過ごせるように感じます。

孤独な時間を過ごせる場所は、静かな公園(危なそうなところは避けること)や図書館、お気に入りのカフェ、自宅のリビング、車の中など、1人で行ける場所であればどこでもOK。私が出会ったグローバルな女性たちの多くは、あえて週末を1人で過ごしたり、勤務後に1人でカフェでコーヒーを飲みながら自分と向き合う時間を取ったりして、自分と向き合う孤独な時間を上手に楽しんでいました。もちろん、そんな時は携帯はオフにし、メールもチェックしません。「1人でいると、することがないかわいそうな人に見えてしまうかも…」などと心配する必要はありません。なぜなら、あなたが思っているほど周りはあなたを見ていないからです(笑)。自意識過剰になっているのは自分だけ。何度かこのように時間を過ごしているうちに、だんだん慣れてきますから大丈夫です。

孤独な時間を過ごせる場所を確保したら、最初は本を読んだり料理を作ったり、景色を眺めたりして、1人で静かに過ごすことから始めてみましょう。いろいろな考えが浮かんでくると思いますが、じっくり考えなければいけないことでしたら、その都度集中するようにします。この時鏡を用意し、自分と対話する感じで自分の顔を見つめることをお勧めします。お化粧する時や朝晩にお肌のチェックをする時以外は自分の顔を見る時間はあまりなく、最初は恥ずかしく思うかもしれませんが、自分の顔を見ながら考え事をすると、内面に入りやすくなるように思います。何らかの選択をしなければならない場合は、その選択に対して自信を持つこと。自分にとって好ましくない選択肢の中から選択しなければならないとしても、今のあなたにとってより好ましいものを選ぶと思うからです。そしてこの時、「自分が選んだ」と心に留めておくことが大事です。私の経験では、自分にとって好ましくない選択であればあるほど、「自分が選んだ」と思わなければ、「この人のせいで」「あの事のせいで」という思いがいつまでも心の中に巣くってしまい、怒りや悲しみが長く続くことになります。「自分が選んだから自分の責任だ」と思ったほうが、踏切りがつきやすく、前に進みやすいと思います。

孤独な時間を過ごす「孤独スイッチ」を入れ始めると、自分に対してネガティブな感情が浮かんだり、むなしい気持ちになることがあるかもしれません。そして、今置かれている状況を選んだ自分をののしり、その選択を後押ししてくれた家族や友人を恨み、自分がどうしようもなく情けなくて寂しい人間のように思えてくることもあります。あり地獄から抜け出せないような絶望的な気分になったり、自信をすっかり失ったりして、泣きたくても泣けない場合もあるでしょう。このような症状を克服するには、「自分は今、孤独スイッチがマックスになっている状態だ」と客観的に認識することがとても大事だと思います。そして、決して湧き上がってくる感情を押し殺さないこと。泣きたければ大声で泣き、怒りが湧いてきたら思いっきり叫んでいいと思います。枕やクッションに顔をうずめて声を出してもいいでしょう。(公共の場で大声を出して面倒なことになっては困りますので、場所は選んでくださいね。)

今まさにこの症状に苦しんでいる人がいれば、決して絶望しないでください。私の大好きな小説「赤毛のアン」に、「夜は夜もすがら泣き悲しんでも、朝とともに夜明けが来る(旧約聖書 詩編30編5節)」という一節がありますが、どんな夜でも必ず夜明けは来ます。これは私を含め、たくさんの人が通ってきた道なのです。「今、自分は孤独スイッチが入っている状態だ」と客観視することができれば、きっと乗り越えることができると私は心から信じています。しかし、何日たっても客観視できずに虚無感や絶望感ばかりが大きくなる場合は、迷わず心療内科などの医療機関を受診してください。

私は未だにこのようにして訓練を続けていますが、回数を重ねるたびにだんだん慣れてきて、少しずつ心にゆとりを持てるようになってきました。すると、味方がほとんどいなくても、自分が選択したことに責任を持って進む勇気が出せるようになりました。物事が思うように進まなくても人のせいにせず、以前のように心が乱れることは少なくなりました。自分に不利な状況でも、あり地獄から抜け出せないような絶望感ではなく、人生を軌道修正するための機会だと考えられるようになりました。自分自身に対するネガティブな気持ちを感じないようにすることはできませんが、それを感じた時の自分のあり方をコントロールできるようになってきました。

ストレスを早いうちに解消する自分なりの方法と、決してブレない確固たる自分の軸を身につけることができれば、精神的に自立して自信に満ち溢れた自分に生まれ変わることも不可能ではないと思います。まるで、自ら炎に飛び込んで死に、再び蘇るという伝説上の不死鳥のように!
 


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1974年に沖縄本島(現在のうるま市)で生まれる。父の仕事の都合で10歳の時に新潟県に、13歳の時に北海道札幌市に引っ越す。大学3年まで札幌市で過ごし、21歳で米国アイオワ州にあるアイオワ大学に編入し、学士号(経済学)と修士号(第三世界の開発)を取得。卒業後は東京の財団法人や政府機関で働いたのち、国連の専門機関である国際労働機構(スリランカとスイスのジュネーブ)で勤務。帰国後は沖縄に戻り、現在は恩納村にある沖縄科学技術大学院大学(OIST)で勤務。小学生の娘とスペイン人の夫と暮らしている。

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