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COLUMN

喜屋武奈央子

2018年5月30日更新

グローバルに活躍する~英語が話せたら将来は安泰?|喜屋武奈央子のコラム

喜屋武奈央子のfunokinawaコラム[vol.11]



2020年に新学習指導要領が実施され、小学校5・6年生では英語が教科として導入されます。「英語が話せないと、取り残されてしまうのかしら。。。」と不安に思っている親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか? 結論から言うと、英語でコミュニケーションができれば、少なくとも年収と情報収集の二つの点で有利になると言えます。

通訳・翻訳会社のテンナイン・コミュニケーションが2016年に発表した「英語格差に関する意識調査(https://www.atpress.ne.jp/news/114423)」によると、調査に参加した人事に関わる一般企業の経営者や役員及び会社員200人が以下のように回答しています。

  • 49.5%が、勤務先の会社で英語の習熟度による年収の格差を感じている。
  • 66%が、勤務先の会社で英語力の低い社員と高い社員の年収について、1.5~2倍の格差を感じている。
  • 49%が、勤務先の会社で英語力の習熟度による昇進スピードの格差を感じている。


英語で仕事ができるかどうかで、このようにもらえるお給料にはっきりと差が出るということは、グローバル化が進むにつれ、この傾向も加速されていくと予想できます。

また、英語は現在世界共通語として使用されています。World Economic Forumは2016年12月に”These are the most powerful languages in the world”(仮訳:世界最強の言語)という記事の中で、地理、経済、コミュニケーション、知識&メディア、外交の面で有利となる言語を、20もの項目から総合的に判断した結果、英語が世界最強の言語であると発表しました。
https://www.weforum.org/agenda/2016/12/these-are-the-most-powerful-languages-in-the-world/
同フォーラムは2050年の予測もしていますが、やはり英語が世界最強という予想でした。

私が現在勤務しているOIST(沖縄科学技術大学院大学)には、2018年5月の時点で59の国々から人々が集まっていますが、公用語は英語です。また、英語を母国語としない国で外国人が数名集まると、まずは英語で話ができるか確認することが多いのが現状です。インターネットでも最新のニュースや情報はまず英語で発信されます。英語を使用して人脈を広げたり情報収集することができるだけで、そうでない人たちよりは有利になります。

それでは、英検1級やTOEICで満点を取って、外国人とビジネスができる程度の英語が話せるようになれば、将来は明るいのでしょうか? お子さまをインターナショナルスクールに入れて英語がペラペラになれば、その子の将来は安泰なのでしょうか? 英語が世界共通語として君臨し続ける限り、英語で仕事ができるようになれば、より高収入のポジションについたり、情報収集や人脈の幅を広げることができる可能性は高くなると言えるでしょう。それがみなさんの目指す方向なのであれば、英語でのコミュニケーション能力をどんどん開発していくと良いと思います。

ただ、英語で話したり読み書きできるということと、国籍や育ってきた環境・文化が異なる人々と理解しあえるということは、全く別問題であるということを、頭にとどめておいてください。英語はある程度まで相手を理解することを助けてくれますが、人と人とのコミュニケーションには言語だけでは対応しきれないことがたくさんあります。宗教観や慣習、育ってきた環境が違うと、100歩譲っても理解できないことが出てきます。そこまでいかなくても、みなさんの周りには同じ日本人同士なのに理解しあえない人がいると思います。言葉を尽くせばお互いに理解しあえるかと言えば、そうとばかりは言えないのではないでしょうか。

私たちを含めこれからの世代は、世界平和や持続可能な世界を確立するためにはどのように行動するべきなのかを真剣に考える必要があります。今のような生活スタイルを続けていれば、あと数十年後には地球環境が取り返しのつかない状態になると警告している科学者たちもいます。また、途上国が抱えているさまざまな問題は、決して私たちの生活とは無関係ではありません。グローバル化がますます進んでいる状況では、途上国が不安定な状態になれば、私たち日本人の生活も危なくなってくるからです。世界中が抱える問題を、沖縄や日本という視点だけではなく、世界中の人々と一緒に解決していく調整力こそが、これからの世代には必要不可欠な力であると思います。これは、英語が話せれば身につくという単純なものではありません。英語はあくまでも手段。この調整力を身につけるために必要不可欠なのは、「あなたとなら話し合いのテーブルについてもいい」と言ってもらえる、国際的に通用する人間力だと思います。

その力を鍛えるために、私は今までのコラムでもお伝えしてきた三つの方法ー①正しいのは自分だけではないと分かること②自分の内面をじっくり観察すること、そして③自分の中にたくさんの引き出しを持つこと、をおすすめします。もちろん他にもいろいろな方法がありますが、日常的に取り組みやすいのがこの三つの方法だと思います。

正しいのは自分だけではないと分かるためには、自分の考えが正しいと主張する前に、「本当にそうなんだろうか?」と一歩引いて考えてみたり、周りに意見を聞いてみたり、相手の立場になって考えてみたりすることで鍛えることができます。自分にとっては到底受け入れられないことでも、それが相手の考えでは正しいことなら、賛成しなくても理解する努力をし、同じ地球で生きる人間同士として、どう対応すればいいのかを考えていくことが大切です。

自分の内面をじっくり観察することで、「自分」という軸をしっかり持つことができるようになります。この軸がしっかりしていなければ、周りの状況にのまれて自分を見失ってしまい、気が付かないうちにあらゆる種類の差別や暴力行為に加わってしてしまう危険性があります。

自分の中にたくさんの引き出しを持つということは、想像力を鍛えるということです。これは人生経験を積んで、人間としてのありとあらゆる感情を経験することで培われます。想像力が豊かになると、相手の気持ちや行動をより深く理解できるようになります。

ノーベル物理学賞を受賞したアルベルト・アインシュタインは、こう言っています。「我々の直面する重要な問題は、その問題を作った時と同じ考えのレベルで解決することはできない」。人間力を磨いて、より世界中の人々と協力しあえる人材が増えるよう、心から願っています。


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<喜屋武奈央子のコラム>

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1974年に沖縄本島(現在のうるま市)で生まれる。父の仕事の都合で10歳の時に新潟県に、13歳の時に北海道札幌市に引っ越す。大学3年まで札幌市で過ごし、21歳で米国アイオワ州にあるアイオワ大学に編入し、学士号(経済学)と修士号(第三世界の開発)を取得。卒業後は東京の財団法人や政府機関で働いたのち、国連の専門機関である国際労働機構(スリランカとスイスのジュネーブ)で勤務。帰国後は沖縄に戻り、現在は恩納村にある沖縄科学技術大学院大学(OIST)で勤務。1児の母。

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