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2023年12月28日更新
【稼ぐ力をアップ!①】登録販売者になり37歳で転職|松浦綾乃さん
昨年12月、医薬品を販売できる登録販売者の資格を取り転職した松浦綾乃さん(37)。「以前は契約社員やパートとして働き将来への不安もあったが、どこでもやっていけると自信がついた」と話す。
医療系の専門資格で新たなスタート
今年オープンしたドラッグストアで、オープニングスタッフとして働き始めた松浦さん。「心機一転、新たなスタートを切れました!」と話す/撮影協力:ダイレックスてだこ浦西店2人の子を母子家庭で育てている松浦さん。昨年8月、浦添市母子会からの支援で登録販売者の資格を取得できる講座があると聞き、興味を持った。「資格のことは知っていたけれど、専門的な学校で学ばなければ取れないだろう、と思っていたんです。そうではないと知り、一生生かせる資格だ、とチャレンジすることにしました」
医療の分野は未経験。学校でも仕事でも関わったことはなかった。体の仕組みや内臓の構造、薬の成分の内容など、学ぶ項目は幅広く「知らないことばかりでした」。仕事と子育てをしながら、毎週仕事後に授業を受けて、自宅学習を繰り返した。「もともと勉強は苦手だったけれど、車中で講座の動画を倍速で聞きまくり、休みには時間を作って復習しました。絶対受かる! という一心でした」。12月に受験し、見事合格。3月から、ドラッグストアで働き始めた。
松浦さん=右=と講座を行った(株)クレアの大城さやか代表
県母子寡婦福祉連合会からの表彰状。「頑張りたい人を後押しできたらうれしい」と松浦さん
資格取得が自信に
一人で医薬品の販売をするには、実務経験(累計1920時間)が必要で、その間、松浦さんは研修中でパートとして働いている。「薬に関する仕事をしている時が楽しい。売り場を任されると、私にしかできない仕事だと感じる」と話す。
これまで、契約社員やアルバイトとして働いてきた。「資格を取得したので、長く働き続けられる。これまでは将来への不安があったけれど、いつでもどこでも働けると思えて、自信になった」と笑う。
もう一つ、松浦さんには思いがあった。「思春期でいろいろ抱えている子どもたちに、挑戦する姿を見せたかった。言葉でガミガミ言うよりも、本気で行動することが一番かなと思ったんです」。合格したと聞いて2人ともとても喜び、友達に自慢することもある。「チャレンジしたことで、自分にも子どもにもいい風がおきた。とてもいいタイミングでした」。11月、努力が認められて県母子寡婦福祉連合会から表彰された。
「36歳で資格を取り、37歳で異業種に転職した。私ができたから、だれでもできる」。笑顔は、やる気と自信にあふれていた。
登録販売者とは?
医薬品を販売できる専門職
登録販売者は、2009年の改正薬事法でできた公的資格。薬剤師に次ぐ、医薬品を販売できる専門職だ。ドラッグストアや薬局などで販売されている一般用医薬品(かぜ薬や鎮痛剤など)のうち、全体の9割以上を占める第2・第3類医薬品を扱える。
(株)クレアでは資格取得に向けて講座を開催。大城さやか代表は「県内では登録販売者が不足していて、ニーズが高い。勤務時間や勤務場所が多様で柔軟に働けるので、子育て中の方や転職を考えている方にお薦めです。当社には10代~50代の人が通っていて、昨年の合格率は約7割(県内全体は4割)です」と説明する。
■株式会社クレア 電話=098(943)6515
https://www.crea.okinawa/course.php
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取材/栄野川里奈子
『週刊ほ〜むぷらざ』年末年始特別号・「稼ぐ」「守る」「増やす」
第1899号 2023年12月28日掲載