毎日のレシピ
2021年2月18日更新
薬膳ごはんと食材帖⑩|[カラシナ]寒さを体の外に出す
風邪や、新型コロナウイルス感染症も心配なこの頃。寒さや感染症に負けない体づくりを意識したいものです。今回紹介するカラシナは、風邪予防も期待できる食材です。
カラシナ|風邪、感染症予防
急な寒さを体の外に出す。鼻づまりや鼻水の緩和、耳の閉塞感の改善が期待できる。
ぞくっとする寒さに
沖縄の食医学書である御膳本草(1832年)では、「体には九つの穴(両目、両耳、鼻、口、膀胱(ぼうこう)、肛門)がある」とされており、カラシナはそれらの穴を開かせると考えられていたようです。また、「カラシナは葉の大きいものを選べ。葉が小さいものは産毛が多く、微毒が含まれている。傷口がある場合は、悪化しやすい」と、書かれています。
現代栄養学では、カラシナにはグルコシノレートという成分が含まれており、解毒効果があることが分かっています。「体の外に排出する」という意味では、薬膳の考え方と同じです。そのほかにもカリウムやカルシウム、鉄、カロテン、ビタミンCが豊富。ツーンとする辛みは胃に刺激を与えて食欲を増進させるので、食欲がないときにおすすめです。
今回紹介した「カラシナのそぼろ丼」は、風邪や感染症予防になる食材を組み合わせました。特に、豚肉は体力を付けたい時にぴったりの食材です。辛みが苦手な場合は、生のカラシナに軽く塩を振って炒めることで辛みが和らぎます。塩を振った後にカラシナを絞り過ぎると、辛み成分がなくなるので気を付けましょう。
カラシナのそぼろ丼
●材料(4人分)
カラシナ…………………230g
塩…………………………小さじ1
豚ミンチ…………………200g
ショウガ…………………25g
油…………………………大さじ2
粉唐辛子…………………小さじ1
クミンシード……………大さじ1
ごはん……………………4人分
●作り方
1 カラシナは塩を振って5~6分おき、水分が出てきたら水で洗って軽く絞り、小口切りにする。
2 熱したフライパンにサラダ油をしき、豚ミンチとショウガを炒める。
3 豚ミンチに火が通ったら1のカラシナを加えて炒め合わせ、クミンシード、粉唐辛子を入れてさらに炒める。
4 器にごはんを盛り、3をのせていただく。
カラシナとの組み合わせにオススメの食材
【風邪予防や鼻づまり、鼻水の緩和に】
オレガノや香菜、シソ、ショウガ、ネギなどをカラシナと一緒に炒めたり、スープにするのがおすすめ。風邪の予防や鼻づまり、鼻水の緩和も期待できる。
著者の宮國由紀江さん
みやぐに・ゆきえ/栄養士。病院の栄養士を経て、薬膳研究家へ。国際中医薬膳士。琉球料理伝承人。薬膳の普及に努める。薬膳琉花代表。県内外で講演。県栄養士会会員。
宮國由紀江さんが書いた「薬膳でメンテ」(タイムス住宅新聞社発行)が県内書店で発売中!
かぜや不眠、便秘など、日々の不調を食事でサポートする心強い一冊だ。1500円(税別)。
問い合わせは、タイムス住宅新聞社☎︎098(862)1155へ。
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毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1750号 2021年2月18日紙面から掲載」