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2025年3月20日更新

発達凸凹の特性を生かそう|こんな時どうする?大人の発達凸凹(でこぼこ)㉔

文・金武育子
(株)沖縄発達支援研究センター代表(株)おきなわedu取締役



職場の困り事あるある
  問題点ばかりに注目しない  
 
これまで、大人の発達凸凹がある方の「困った!!」に注目してきましたが、今回は、発達凸凹がある方の特性を生かしていく、という視点でお話します。

まずは、2種類の発達凸凹の特性をおさらいしてみましょう(表参考)。ADHDとは、「注意欠如・多動症」という名称の通り、注意散漫で、忘れ物やケアレスミスが多く、細かい仕事や同時進行(マルチタスク)が苦手で、話の聞きもらしもあります。また、じっとしていられず、その時その時の思い付きで行動するため、周囲からは軽率にみえがちです。これに加えて「傷つきやすさ」もADHDの特性を持つ方の大きな特徴と考えられています※。そのため、大人になってもミスを繰り返したり、評価を得られなかったりして、自己肯定感が低くなりがちです。

ASDは、「自閉症スペクトラム症」と呼ばれており、特性としては「コミュニケーションの困難」「同一性の保持」「感覚過敏」の三つが知られています。この方たちは、相手の言葉や表情から裏側を想像する力が弱く、「空気の読めない人」として扱われてしまいがちです。「同一性の保持」とは、変化に弱く、いつも同じ行動を好み、考え方が固定化されていることで、急な予定変更や環境の変化が苦手です。また、感覚過敏とは、聴覚、視覚、臭覚、触覚、味覚といった感覚が、生活に支障をきたすほど過敏なことです。この特性を課題や弱みではなく、「取りえと強み」と考えてみます。
 

ADHDの強み
行動力と発想力


ADHDにみられる「多動性・衝動性」の傾向がある発達凸凹の方は、定形発達の人よりも活動的で、実業家や起業家には、この特性がある方が少なくありません。「多動力」を発揮し、臆せず実行できる力のためでしょう。人よりもたくさん動けて、興味のおもむくことに飛びついていける旺盛な行動力を上手に使えば「多動性・衝動性」は魅力的で有力な武器になります。

また、発想力が豊かで一つのことにこだわらず次々に新しいものを求める特性は、クリエーティブな仕事に向いています。そして、裏表がなく明るい社交的な特性は多くの活躍の場につながり、ここぞというときに見せる高い集中力は、「本番の強さ」につながります。
 
 ADHD発達凸凹の3大特性 
 

<ADHD>
○多動性・衝動性
○不注意    
○傷つきやすさ 

 
 発達凸凹の特性を生かそう 
ASDの強み
専門性と論理性
 
ASDにみられる「同一性の保持」の傾向の強い方は、同じことの繰り返しが苦にならず、繰り返すうちにスキル(技術)も向上しますから、作業を繰り返し技を積むことを求められるような職種を、ぜひ目指すとよいのではないかと言われています。細かなデータを処理する能力にもたけており大手IT企業も積極的に採用し、特性を生かした活躍の場の提供を試みています。日本でも、発達凸凹の問題点ばかりに目を向けるのではなく、秀でた特性として協働する機会が増えることを希望します。

また、膨大な資料や文献を読んで整理する仕事では、彼らの優れた記憶力が活躍につながるでしょう。そして何より、感情に流されない論理的な思考が彼らの最大の強みになるのではないかと考えます。これは、彼らの理屈で納得しないと動かない傾向によるもので、「感情に流されず、論理で考える」という強みにつながります。よく、「空気が読めない」と評されることがありますが、空気の読み合いが重視され忖度(そんたく)が働くとき、冷静な立場で論理的に考えられる人、「空気を読まない」存在が必要なのではないでしょうか。

 
 ASD発達凸凹の3大特性 
 

<ASD>
○コミュニケーション障害
○同一性の保持     
○感覚過敏       

先日、あるアニメの中で、孤高の天才と称される変わり者の主人公のセリフに感銘を受けました。それは、「私は、周りの空気を読んだり、人に合わせることが苦手。だからこそ、論理を使って生きてきた。その論理を曲げろというなら、私は私でなくなる。だから屈することはできない」というものでした。論理とは、物事の法則的なつながりのことで、真偽を見極める考え方です。

いかがでしょうか? 新年度に向けて、「困った」にばかり注目していた発達凸凹の方の特性について「生かし方」を考えてみることをご提案します。

※引用・参考文献 2022 「発達障害の人が見ている世界」岩瀬利郎著



文・金武育子
(株)沖縄発達支援研究センター代表
(株)おきなわedu取締役

きん・いくこ/1970年、那覇市首里生まれ。10代の2人の息子を通して人生と向き合う中年期クライシス体感中。臨床心理士・国際交流分析士。大学講師、office育子を経て、現職。好きな言葉は「人は必ず発達する」「人間、この未知なるもの」

記事に関する問い合わせは、odssc.okinawa@gmail.com

これまでの記事はこちらから。

『週刊ほ〜むぷらざ』こんな時どうする?大人の発達凸凹
第1962号 2025年03月20日掲載

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