毎日のレシピ
2021年1月21日更新
薬膳ごはんと食材帖⑨|[レンコン]血の巡り、抗コレステロール効果
体の冷えやのどの痛みが気になる冬。血の巡りを改善し、冷えやのどの痛みの緩和が期待できるレンコンは今おすすめの食材です。
レンコン|足腰の冷えやのどの痛みに
炭水化物、カリウム、ムチンなどが含まれる。沖縄の食医学書の御膳本草や薬膳的効能と現代栄養学を比較すると、抗コレステロール効果と瘀血改善の考え方が同じ。
加熱後に働きが変化
そんな冬にぴったりの食材がレンコン。最近は県産も出回り、新鮮なものが手に入りやすくなりました。生の状態と加熱後で効能が異なるのが特徴で、沖縄の食医学書の御膳本草(1832年)では「生のレンコンは喉の渇きを潤し二日酔いに良い、瘀血(おけつ)(血液の滞り)を散らす効果がある」「火を通して食すると、渋り腹(便通の悪さが原因の腹痛)に効果的。五臓を元気にする」「白米とレンコンを白砂糖で煮て、その汁を飲むとよい」とあります。
レンコンには、カリウムやムチンなどの有効成分が含まれており、抗菌作用や抗コレステロール・抗がん作用などがあります。現代栄養学と御膳本草や薬膳的効能とを比較すると、「抗コレステロール効果と瘀血を改善する」という考え方が同じです。ムチンは免疫力を強化する働きがあり、古典栄養学では「五臓を丈夫にする」という点で同じ考え方です。
中医薬膳では、熱による喉の渇きや痛み・血の巡りを良くしたい場合は生で、止血や解熱・引き締めの効果を期待したい場合は加熱して食べることを推奨しています。また、より効能が高くなるため、蒸して食べるのもおすすめです。薬膳の世界では、同じレンコンでも部位によっても効能が変わるとされ、漢方薬として使われる部位もあります。普段の食事に取り入れて寒い冬を乗り切りましょう。
蓮根(レンコン)と山芋(イモ)の蒸し饅頭
●材料(2人分)
レンコン……………………………………200g
山芋…………………………………………50g
エビ…………………………………………20g
枝豆…………………………………………20g
ニンジン……………………………………10g
ぎんなん(乾燥)…………………………4粒
塩………………………………………小さじ1
片栗粉…………………………………大さじ2
【あん】
かつおだし……………………………1カップ
しょうゆ………………………………大さじ1
みりん…………………………………大さじ1
片栗粉…………………………………大さじ1
●作り方
1 レンコン、山芋をすりおろす
2 エビとニンジンは粗刻みする。
3 ボウルに1、2、枝豆、塩、片栗粉を入れ混ぜる。
4 3を4等分にしてラップで包む
5 蒸気が上がった蒸し器に布を敷き、4を並べて約20分蒸す。
6 別の鍋にだし汁、しょうゆ、みりんを入れて火にかけ、あんを作る。
7 6に水溶き片栗粉を入れとろみをつける。
8 5を器に入れ、ぎんなんをのせて7のあんをかけできあがり。
レンコンとの組み合わせにオススメの食材
【足腰を丈夫にする】
黒ごま、エビ、黒豆、山イモ、ゴボウ、豚の腎臓(豚豆)
★レンコン、ゴボウを千切りに、豚豆をスライスして砂糖じょうゆで炒め、たっぷりの黒ごまを入れたら足腰を丈夫にするメニューのできあがり!
著者の宮國由紀江さん
みやぐに・ゆきえ/栄養士。病院の栄養士を経て、薬膳研究家へ。国際中医薬膳士。琉球料理伝承人。薬膳の普及に努める。薬膳琉花代表。県内外で講演。県栄養士会会員。
宮國由紀江さんが書いた「薬膳でメンテ」(タイムス住宅新聞社発行)が県内書店で発売中!
かぜや不眠、便秘など、日々の不調を食事でサポートする心強い一冊だ。1500円(税別)。
問い合わせは、タイムス住宅新聞社☎︎098(862)1155へ。
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毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1746号 2021年1月21日紙面から掲載」