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2025年9月18日更新

安心できる話し合いの場を持つ|こんな時どうする?大人の発達凸凹(でこぼこ)㉚

文・金武育子
office育子 代表



発達凸凹の困りごとあるある
 コミュニケーションが苦手 

発達に「凸凹(でこぼこ)」がある人のコミュニケーションには、以下のよう特徴的な困難が見られることがあります。その困難によって、周囲の人々は困ってしまうのですが、何度も繰り返してしまうことで、コミュニケーションに不安を感じたり、知らず知らずに周囲から敬遠されたりすると、当事者自身が一番困ってしまうのではないでしょうか。では彼らに何が起こっているのでしょう。

言葉や表情から
意図を読み取れない


①言語的コミュニケーションの難しさ
会話のキャッチボールが苦手…相手の話に適切に応答するのが難しく、一方的な話し方になりやすいことがあります。
比喩や冗談、皮肉が理解しづらい…言葉の裏にあるニュアンスや抽象的な表現が伝わりにくく、やりとりがかみ合わないことがあります。
話題の切り替えが苦手…自分の興味に集中し過ぎて、相手の話題に合わせられないことがあります。
言葉の使い方が独特…語彙(ごい)が豊富でも、文脈に合わない言葉を使ってしまうことがあります。

②非言語的コミュニケーションの難しさ
視線が合いづらい/過剰に見つめる…自然なアイコンタクトがとれません。
表情やジェスチャーの読み取りが難しい…相手の感情や意図を非言語的な手がかりから読み取るのが苦手です。
身体的距離感が独特…近づき過ぎたり、距離を取り過ぎたりします。

③社会的な場面での困難
・集団のルールが理解しにくい…暗黙の了解や場の空気を読めず、誤解されます。
・自己表現が極端になる…感情をうまく表現できず、突然怒ったり泣いたりすることがあります。
・孤立や誤解につながる…周囲とのズレが積み重なることで、対人関係が築きにくくなります。

彼らのこれらの特徴は、なぜ起こるのでしょうか。以下の事が考えられます。

・認知の偏り(言語優位、視覚優位など)
・感覚過敏、鈍麻(音・光・触覚などへの反応)
・注意の切り替えやコントロールの難しさ
・自己理解・他者理解の発達段階の違い



 
 安心できる話し合いの場を持つ 

自己と他者の
視点を育てる


絵カードや図解を活用して会話の流れや感情を整理して示すことや、スモールステップで、あいさつ・順番・話題の切り替えなどを段階的に理解していく練習が効果的ですが、職場でそのような特別な支援は難しいので、困難が続く際には、安心できる支援的な話し合いの場を持って、簡単な図の活用や、具体例を示すなどの説明が効果的でしょう。また、「今どんな気持ち?」「相手はどう感じている?」などの問いかけで自己と他者の視点を育てる「メタ認知の促進」も効果的です。

私たちは、驚いたり、見通しが持てず不安になったりする時、感情的に反応してしまいます。一息ついてペースを乱さず、相手の「良いところ」に目を向けて付き合ってみてはいかがでしょうか?



文・金武育子
office育子 代表

きん・いくこ/1970年、那覇市首里生まれ。10代の2人の息子を通して人生と向き合う中年期クライシス体感中。臨床心理士・国際交流分析士。大学講師、office育子 代表。好きな言葉は「人は必ず発達する」「人間、この未知なるもの」

記事に関する問い合わせは、office.ikuko@gmail.com

これまでの記事はこちらから。
『週刊ほ〜むぷらざ』こんな時どうする?大人の発達凸凹
第1984号 2025年09月18日掲載

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