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2023年11月30日更新
アルコールの適量は?|健康チャレンジ!(44)
医師の安谷屋徳章さんが、飲酒について話します。
文・安谷屋徳章
アルコールの適量は?
みなさんはアルコールの適量をご存じでしょうか。1日当たりビールは500ml、泡盛は100mlと言われています。しかし、裏を返せば、お祝い事や模合でもこれだけしか飲めないということになることはご存じでしょうか。模合で好きなだけ飲んでしまい、適量をオーバーしてしまっていたという人も多いのではないでしょうか。アルコールの適量に関わる研究では、1週間のアルコール摂取量を調べたものが多いようです。2018年の医学雑誌「Lancet」に掲載された論文では、1週間のアルコールは100gまで、ビールだと2.5リットルまで、泡盛だと500mlまでというものです。つまり、模合でビールを2.5リットル飲んだら、後の6日間はお酒を飲むと適量を超えてしまうというわけです。アルコールの適量を考える上ではこちらの方が現実的ではないでしょうか。飲み会が2回あれば、ビール2.5リットルを分けて飲めばいいのです。ちなみに厚生労働省のホームページには、1日当たり男性は10~19g、女性は9g以下のアルコールが良いというふうに記載されていますが、注意点として65歳以上の人はより少量が良いと書かれています。つまり、一生を通しての「アルコールの適量」が分かっているわけではなく、それを調べた研究データはないのです。
アルコールは粘膜に障害を起こします。栄養素であるタンパク質やビタミン、ミネラルの吸収を邪魔します。睡眠を浅くする作用があることや病気につながることも知られていますので、健康に良いとはいえません。しかし、場を楽しく盛り上げるためお祝い事には欠かせませんので、適度な飲酒を心がけることをお勧めします。私はというと、40歳まではつぶれるまで飲んでいましたが、40歳以降はそこまで飲むことはありません。お祝い事の時にしか飲まないので年2回くらいです。それと、泡盛を広めるために外国人に泡盛の高級品を贈り物として渡したりしています。高級な泡盛を少量ずつ味わうのがいいと思いますが、いかがでしょうか。
あだにや・のりあき。糖尿病や生活習慣病の改善を専門とするゆいゆい内科クリニック院長。自身も糖質コントロールで20キロ痩せた。著書に「沖縄の医師が教える糖質コントロール健康法」など
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第1895号 2023年11月30日紙面から掲載