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2025年5月15日更新

納得しないと行動できない|こんな時どうする?大人の発達凸凹(でこぼこ)㉖

文・金武育子
(株)沖縄発達支援研究センター代表(株)おきなわedu取締役



発達凸凹の困りごとあるある
  当たり前のことが難しい 

あなたの周りに、暗黙のルールや社会人としての常識が分からず困っている方はいませんか? 「暗黙のルールや社会人としての常識は、教えにくいし、そもそも教えるものなの?」という心の声が聞こえてきそうですね。そして、「困っているのは周りの人間の方だ」、という声も聞こえてきます。

それでは、ちょっと想像してみてください。あなたが日本語はもちろん、英語も通用しない外国に一人旅をしています。行きたい場所に向かうタクシーでは、言葉が通じず首をかしげられ、食事や買い物をしようとしても、あなたの常識は通用せず首を横に振られ、もちろん便利なモバイルも全く使えません。そんな時あなたはどうしますか? 多くの人は途方に暮れて、結局何も手に入れることができないのではないでしょうか?



表情やしぐさから
感情読み取るのが苦手


職場では、空気を読んで動くこと、チームプレーを行うことが重要になり、「コミュニケーション力」が大切になります。発達凸凹の方は、空気を読めずコミュニケーションでつまずく傾向があります。その原因として発達凸凹の方は相手の顔の表情や声の調子、しぐさなどから意思や感情を読み取るのが苦手なことが挙げられます。彼らから見ると、多くの人が暗黙の了解を理解してコミュニケーションしているのは、まるでテレパシーを使っているようにも感じるそうです。さらに、発達凸凹のある方の特徴として「なんとなく」な理由では行動に移しにくく、納得しないと行動できない傾向があります。そのため、明文化されていない社会的常識や暗黙の了解を理解するのは難しいのです。

たとえば、大きなプロジェクトが終わり、「打ち上げ」の会食や飲み会を開くことになり誘われたとします。多くの人が、万障繰り合わせて参加する中で、彼らには「なぜ、就業時間後の会合に自分が参加しなければならないのか」、納得がいかないので、本屋に立ち寄り食事を済ませて帰宅し、新刊を読むという「自分の予定」が優先されます。そのため悪びれた様子もなく、平然と参加を断るのです。この集まりを機にチームメートになじんで、仕事がしやすくなることを期待した主催者の意図は彼らには通用しないのです。
 
  納得しないと行動できない  

困った人は、
困っている人


暗黙のルールや社会人としての常識が分からずトラブルが多い方と一緒に働くと、「困った人だなぁ」と思ってしまいませんか? それは、あなたにとっての「当たり前」で判断しているからかもしれません。でも、先ほどの一人旅を思い出してみてください。言葉も日本のルールも通用しないため、暗黙のルールどころか、その国の常識も見当がつかず、どうすればいいのかまったく分からないとしたら? 逃げ出したくなりますよね。このような状況では、あなたは周囲の方たちからすると「困った人」なのではないでしょうか? でも、あなた自身はどう感じるでしょう? 間違いなく、困っていますよね?

暗黙のルールや社会人としての常識が分からず困った人だな、と思ったら、彼らを理解したい、良い方法を見つけたい、という気持ちを持って気長に向き合ってみてはいかがでしょう? 「困った」がチャンスになるかもしれません。



文・金武育子
(株)沖縄発達支援研究センター代表
(株)おきなわedu取締役

きん・いくこ/1970年、那覇市首里生まれ。10代の2人の息子を通して人生と向き合う中年期クライシス体感中。臨床心理士・国際交流分析士。大学講師、office育子を経て、現職。好きな言葉は「人は必ず発達する」「人間、この未知なるもの」

記事に関する問い合わせは、odssc.okinawa@gmail.com

これまでの記事はこちらから。
『週刊ほ〜むぷらざ』こんな時どうする?大人の発達凸凹
第1970号 2025年5月15日掲載

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