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2019年12月31日更新

[平成から令和へ受け継ぐ]残したい、地域の味|読谷・楚辺ポーポー

平成から令和へ。時代が変わりゆく中で、受け継ぎたいものは何だろう。地域の味・楚辺ポーポー、絵本で伝える地域のものがたり、気軽に楽しむ組踊、泡盛を広めたいと開発した自動販売機。思いやアイデアあふれる取り組みを紹介する。

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◇      ◆      ◇      ◆      ◇



読谷村楚辺で昔から親しまれているお菓子「楚辺ポーポー」。村外で購入できる場所はあまりなく、レシピは門外不出とうわさになったことも。普段からよく作るという比嘉テルさん(84)は「ずっと残したい味」と紹介する。

くるくると巻かれた楚辺ポーポー



楚辺ポーポーを次世代へ

薄力粉に卵や黒糖、炭酸水を混ぜて焼いた生地を巻く楚辺ポーポー。読谷村楚辺で作られている「地域の味」で、ふんわりとした食感やほどよい甘さがクセになる。

地域の行事で作るのは楚辺の女性たち。比嘉テルさんは、「ホットケーキもいいけど、楚辺ポーポーもおいしいよー」とにっこり。「私が作るのは、炭酸水やベーキングパウダーを入れてふんわりさせているけど、昔は卵も貴重な物だった。私の母たちはもっと少ない材料で作っていたんじゃないかな」

地域の若い女性には作り方を教え、ポイントも説明。「目を離すとすぐ焦げるから油断できない。楚辺の特徴でもあるから、ずっと残したいね」と思いを口にする。

「楚辺ポーポーは旧暦の4月15日にあるアブシバレー(田畑の虫払い)という祭りで、楚辺以外の地区から集まるお客さんに振る舞われたお菓子だったよ」と話すのは池原和江さん(79)。「家では、父の仕事仲間をもてなすときに母が作っていたのを思い出すさー」と懐かしそう。

嘉手納町から嫁いできた40代の女性は「火加減やひっくり返すのが難しい。回数を重ねたらうまくなれるかな」と話す。


今は普段からよく作るよー(比嘉さん)
昔はお客さん用のお菓子だった(池原さん)

公民館で楚辺ポーポーを作る比嘉テルさん(右)と池原和江さん


各家庭で子に伝えて

「物心ついたときには食べていた。明治の時代くらいから作られていたんじゃないか」と話すのは生まれも育ちも楚辺の比嘉弘さん(90)。「読谷は昔田んぼがほとんどなくて、小麦や大麦、粟などの穀物の栽培が盛んだった。小麦は皮ごと石うすでひいて使っていたから、昔のポーポーの表面には小麦の薄い皮が見えたよ」という。

「アブシバレーで楚辺ポーポーを知った人たちがどんどん広めていった。昔はお祝いなど、食べる機会が限られていたけど、今は普段のおやつ。これからもこの味を残すために、各家庭で親が子どもに作り方を教えられるといいね」と笑顔を見せた。

地域の味を伝えることは昔の人の暮らしぶりも一緒に伝える機会になりそうだ。
 

比嘉弘さん



楚辺ポーポーの作り方(直径20センチ×約25枚分)

●材料
薄力粉………………………………………1㎏
黒糖(粉)……………………………500g
グラニュー糖…………………………200g
ベーキングパウダー……………………40g
ホットケーキミックス(あれば)…100g

炭酸水…………………………………200ml
水………………………………700~800ml
卵………………………………………7~8個
サラダ油………………………………100ml
牛乳……………………………………200ml


●作り方
 赤字の粉類をボウルに混ぜておく。

 別のボウルに卵を割って混ぜ、牛乳、炭酸水、サラダ油を入れて混ぜる。

 2に赤字の粉類と水を数回に分けて加えて混ぜ、生地を作る。


 フライパンを中火で熱し、3の生地を丸く広げて焼く。

 表面にプツプツと穴が開いてきたらひっくり返し、裏面を10~15秒程度焼いて取り出す。


 熱いうちに手早く巻いてできあがり!

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編集/比嘉知可乃
『週刊ほ〜むぷらざ』平成から令和へ受け継ぐ
第1692号 2020年1月2日掲載

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比嘉知可乃

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新人プランナー(企画・編集)
1990年生まれ、うるま市出身。365日ダイエット中。
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