心一つ 郷土の歌を継ぐ|在沖八重山郷友会連合会の皆さん[人生ブラボー!⑮]|fun okinawa~ほーむぷらざ~

沖縄で暮らす・食べる
遊ぶ・キレイになる。
fun okinawa 〜ほーむぷらざ〜

沖縄の魅力|スマイリー矯正歯科

わたしらしく

My Style

2025年8月21日更新

心一つ 郷土の歌を継ぐ|在沖八重山郷友会連合会の皆さん[人生ブラボー!⑮]

沖縄本島に暮らしながら、故郷である八重山への思いを胸に活動する在沖八重山郷友会連合会の皆さん。中心メンバーは60~70代。1年かけ準備してきた会の一大行事「全島とぅばらーま大会」本番に向け意気込む。

My Style

タグから記事を探す


在沖八重山郷友会連合会の皆さん
2年に1回開催している「全島とぅばらーま大会」に向け、実行委員会を立ち上げ、準備を進める在沖八重山郷友会連合会の皆さん(前列左から4人目が浦﨑会長)。八重山の伝統文化継承のため取り組む姿に郷里への深い愛情と誇りがにじむ


 全島とぅばらーま大会開催へ 

在沖八重山郷友会連合会は、1998年創立。石垣、竹富、与那国など八重山各地の郷友会で組織され、「八重山は一つ」を合言葉に会員相互の親睦と共栄を図りながら、郷土の発展に寄与することを目的に活動している。

会長の浦﨑猛さん(72)は石垣市登野城出身。昨年、会長に就任した。前期の石垣市郷友会会長を務めた。連合会の活動メンバーは各郷友会代表で60代から70代が多く、約20人が集い、取り組んでいる。

連合会の最大の事業は、2年に1回開催される「全島とぅばらーま大会」だ。ことし9月7日、アイム・ユニバースてだこホールで第22回大会が開催される。コロナ禍の4年間は通常大会が開催できなかったが、前回から再び開催できるようになり、メンバーの喜びもひとしおだ。

大会の準備は1年かけて行われる。実行委員会を発足させ、月1~2回の頻度で集まり、各郷友会代表が一丸となって準備を進める。総務、審査などの各部門に分かれ、経験者が部長を務めて新しいメンバーに運営ノウハウを伝承。「普段は各郷友会で動いているが、この大会のときは一つにまとまって動く。まさに『八重山は一つ』を実感できる瞬間」と浦﨑会長は語る。


実行委員会では総務、審査など六つの部に分かれ活発な意見が交わされた​


八重山の宝を未来へ

「とぅばらーま」は、八重山地方の叙情歌として長く愛され続けてきた。浦﨑会長は「独特な旋律に愛情や生活の喜び、苦しみなどを歌詞に乗せて歌い継いできた。八重山民謡の最高峰」と説明する。石垣、与那国など各地にそれぞれ特徴のあるとぅばらーまが伝承されており、八重山の豊かな文化を物語る。

大会は予選を経て本選に進む仕組みで、優勝者は石垣での大会に出場できる。「近年は10代の若い参加者も増えている」と喜ぶ。今年の大会は、第1部でとぅばらーまのコンクールを行い、第2部では各郷友会の舞踊芸能を披露する構成だ。

「とぅばらーまは八重山の宝であり誇り。未来へ歌い継がなければならない文化遺産」と力を込める浦﨑会長。大会には90代で元気に挑戦する参加者の姿もあり、「そんな先輩を見るとうれしいし、自分も負けてられないと励みになる」と笑顔を見せる。

故郷を離れても、旧暦1月の十六日祭には毎年帰省するという浦﨑会長。「どこにいても自分の生まれ島は大切にしたい」という思いは、連合会メンバー共通の思いだ。八重山の伝統文化を守り、次世代に継承していくその思いも未来へと受け継がれている。


叙情豊かに歌声響く

7月6日、西原町中央公民館で「第22回全島とぅばらーま大会予選会」が実施された。参加者は緊張した面持ちながら、練習の成果を披露。予選を通過した20人が、9月7日の本選へ。優勝者は、10月4日に石垣市で開かれる「とぅばらーま大会」に出場できる。

同市の「とぅばらーま大会」は1947年から続いており、旧暦8月13日の月夜の下で開催される。文化継承のみならず、観光資源の一つとしても広く内外に発信されている。

 
取材/赤嶺初美(ライター)
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1984号 2025年8月21日紙面から掲載」

My Style

タグから記事を探す

この記事のキュレーター

スタッフ
funokinawa編集部

これまでに書いた記事:4743

沖縄の大人女子を応援します。

TOPへ戻る