健康
2025年8月21日更新
全国最悪の65歳未満死亡率|健康チャレンジ!(65)
医師の安谷屋徳章さんが、ダイエットの基本について話します。
文・安谷屋徳章
全国最悪の65歳未満死亡率
今回は、ちょっと怖い話になります。皆さんは、「65歳未満死亡率」をご存じですか。働き盛り世代(20-64歳)の健康状態の指標として使われているものです。実は沖縄県の「65歳未満死亡率」は都道府県ワーストです。1990年までは死亡率の低さで上位だったのですが、90年以降順位を下げ、2008年にとうとう死亡率の高さにおいて1位になってしまいました。08年以降ずっと1位です。原因として考えられるのは、食生活の欧米化や肥満の増加、喫煙・飲酒の習慣、自殺・事故死の多さ、経済的な不安定さなどです。
08年当時65歳だった人は現在82歳です。つまり、沖縄県の82歳未満の健康状態は、見方によっては全国最悪に等しいと言えます。「82歳未満死亡率」というきちんとしたデータはありませんが、毎年ワーストなので差し支えないでしょう。1位ではないだけで、90歳未満の世代すべてが死亡率で上位だと考えられます。
沖縄県が「健康長寿」の名誉を50年やそこらで取り戻すのは不可能ですが、現状に甘んじてはいけません。食の欧米化が良くないのであれば、野菜が豊富で塩分の少ない従来の沖縄料理を取り入れればいいのです。肥満であれば、ダイエットをして痩せればいいのです。喫煙や飲酒の習慣をなくせばいいのです。
自殺や経済状況への対応は個人でなかなか変えることはできません。しかし、調べてみると、県や市町村で対策しています。そうしたサービスを利用することもいいと思います。若くしてのパートナーとの死別や自身の深刻な病気は、人生において大きく長く続くダメージとなります。そうならないためにも一人一人ができることをやりましょう。みんなでやれば怖くありません。
怖い話だったと思いますが、健康への認識を改めることで、よりよい健康状態を実現し、ひいては死亡率ワーストから抜け出せるようにがんばっていきましょう。

あだにや・のりあき。糖尿病や生活習慣病の改善を専門とするゆいゆい内科クリニック院長。自身も糖質コントロールで20キロ痩せた。著書に「沖縄の医師が教える糖質コントロール健康法」など
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第1984号 2025年8月21日紙面から掲載