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2025年3月20日更新

雇用環境の整備義務化へ|来月施行の改正育児介護休業法|つらくない介護を⑫

改正された育児介護休業法が4月から施行される。企業、働く人それぞれが知っておくべき介護分野のポイントについて、社会保険労務士の富山文章さんと、おきなわ仕事と介護両立サポート協同組合代表理事の大城五月さんに話を聞いた。



雇用環境の整備義務化へ
来月施行の改正育児介護休業法
改正された育児介護休業法が4月から施行される。企業、働く人それぞれが知っておくべき介護分野のポイントについて、社会保険労務士の富山文章さんと、おきなわ仕事と介護両立サポート協同組合代表理事の大城五月さんに話を聞いた。


企業は助成金活用を
寄り添う姿勢示そう


富山文章さん
社労士オフィスTOMMY代表、社会保険労務士、主任介護支援専門員、産業ケアマネ、介護福祉士、保育士

仕事と介護両立へ
組合が対応を支援


大城五月さん
おきなわ仕事と介護両立サポート協同組合代表理事、産業ケアマネ、(株)hareruya代表、主任介護支援専門員


―介護休業法改正の背景とポイントは?

大城 
日本の生産年齢人口は、1995年の8716万人をピークに、2040年には6213万人まで落ち込むと予測されています。そして、年間10万6千人が介護のために離職し、特に組織の中核を担う40代後半から64歳の働き盛りの世代に多い傾向があります。また、介護離職によって築いたキャリアが分断されるほか、収入の減少、再就職率の低さも深刻です。

富山 今回の法改正のポイントは、企業に雇用環境の整備を義務付けたことです。具体的には、①研修の実施、②相談窓口の設置、③仕事と介護の両立支援制度の事例収集と提供、④両立支援の制度利用促進に関する個別の周知と意向確認、この四つのうちのいずれかを選択して措置を講じる必要があります。

企業側が取り組みやすいのは相談窓口の設置だと思いますが、担当者が制度をしっかり理解している必要があります。また、個別の周知と意向確認については「二つのタイミングがある」のがポイントです。一つ目は、労働者が介護に直面したことを申し出た時。次に、介護保険料の払い込みがスタートする40歳になった日から1年の間にも、介護休業制度の内容、申し出先などをしっかり伝える必要があります。
 


 

大城 おきなわ仕事と介護両立サポート協同組合では、企業が行わなければならない雇用環境の整備についてサポートしています。4月の法改正に対応が間に合わないと不安であれば、相談してほしいです。


富山 確かに、介護の制度に詳しい産業ケアマネで結成された組合のサポートで、前述の四つをすべてクリアできるというメリットはとても大きいと思います。


大城 今回の法改正は、企業が方針や姿勢をどう見せるかがポイントになると思います。単に制度を作るだけではなく、従業員の人生に寄り添っていく、そういうメッセージを伝えられるチャンスでもある。

富山 介護休業法の改正については、厚生労働省のホームページで確認することもできます。複雑で難しいので、なかなか理解しにくいかもしれませんが、必要なときに閲覧できる状態を作っておく、相談先をしっかり把握しておくことはとても大切です。

今回の改正で介護の状態の判断基準が見直されました。例えば自傷行為のあるお子さんを見守る行為について、以前は「介護」と認められにくかったのですが、柔軟に解釈されるようになりました。介護には多様性があり、柔軟な対応が求められます。この法改正をより働きやすい社会への第一歩として捉えていければと思います。

大城 介護に直面した労働者だけが我慢すればいいという問題ではありません。仕事と介護を両立できる環境や制度を整えていくことで、仲間や職場の働きやすさに関わってきます。そのモデルを作るためにも、今、課題を抱えている人はみんなのために声を出してほしいと思います。

富山 それと同様に、男性の育休についても、最初の事例をきっかけに企業の雰囲気が変わることがあります。国も両立支援等助成金の予算を増額予定で、企業の取り組みを後押ししています。積極的に活用してほしいと思います。

↓下の画像をクリックして「おきなわ仕事と介護両立サポート協同組合」のサイトへ

 

取材/赤嶺初美(ライター)
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1962号 2025年03月20日紙面から掲載」

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