出産・子育て
2025年8月7日更新
歌いながら触れることで親子の絆育む|ベビー&キッズ向け わらべうたでマッサージ
子どもとの時間が増える夏休み。わらべうたを歌いながらする「ベビー&キッズマッサージ」を、始めてみませんか。手のぬくもりが、子どもに安心を、親に穏やかな時間をくれます。


子どもと向き合う数分のマッサージが、親子の絆を育むリラックスタイムに。沖縄のわらべうたに合わせて、マッサージをしてみませんか。
うちなーベビマタッチケア代表の大城智賀さんに、マッサージのやり方や効果を聞きました。


大城 智賀さん
おおしろ ちか。うちなーベビマタッチケア代表。3人の子育て中
fuchukuru@gmail.com
Q 子どもへのマッサージはどんな効果があるの?
A 皮膚と脳は深くつながっていて、ベビーマッサージは赤ちゃんの脳と心の発達をやさしく促します。マッサージの効果は、さまざまです。まず、触れることで「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンが分泌されます。また、リンパの流れを促すことで免疫力が高まる、とされています。さらに、子どもが「愛されている」と感じることで、自己肯定感が育まれるとされています。
また、わらべうたを歌うことで、赤ちゃんや子どもの安心感がより高まると言われています。昔から歌い継がれてきたわらべうたは音階が一定なのが特徴です。沖縄のわらべうたは、県外出身の受講者にも「不思議と落ち着く」と好評なんですよ。

私自身、子ども3人をワンオペで育てました。末っ子が生まれたころ、当時小学2年生だった上の子が赤ちゃん返りをして、心が不安定になってしまったんです。私も余裕がなくてイライラしていました。そこで、3人を寝かせて、上の子から順番にわらべうたを歌いながらマッサージをしたところ、子どもたちも私自身も、だんだん落ち着いていったんです。
マッサージは、子どもとのコミュニケーション。マッサージをしながら、子どもの名前を呼んだり、話しかけるといいですよ。
Q マッサージは何歳になるまで?
A 子どもが「気持ちいい」「してほしい」と感じる間は、何歳になってもマッサージして大丈夫です。うちでは、子どもたちが中高生になってからも、マッサージして」とリクエストがあり、足のマッサージをしています。マッサージ中はスマホを置いて、子どもと向き合える貴重な時間。子どもだけでなく、親も心地良く、リラックスできます。

特に脳の発達する6歳ごろまでにたくさん触れあっておくと、大人になってからストレス耐性やコミュニケーション力に良い影響があるといわれています。それ以降も、スキンシップは子どもに安心感や幸福感を与えます。
子どもが成長すると触れる機会は減りがちですが、何歳だから遅い、ということはありません。できるだけ続けてみてください。
Q いつマッサージをするといい?
A ベビーマッサージにぴったりなのは、赤ちゃんがごきげんなとき。いつでもいいのですが、私は1日2回、朝や夜寝る前、お風呂上がりによくマッサージしていました。マッサージを受けるには体力を使うので、1回15~20分くらいを目安に。1カ月健診を過ぎたころから始めるといいでしょう。ただし、予防接種後2日は、もしも副反応が出たときに気づきにくくなるので、避けた方が安心です。

ベビーもキッズも、最初にオイルを使う際は、パッチテストを忘れずにしてくださいね。パッチテストは少量のオイルを指先に取って、子どもの内ももか腕の内側に塗ります。そのまま15分置いて、様子を見てください。赤みなど反応があった場合は洗い流して、オイル無しでマッサージしましょう。必要に応じて、病院を受診してください。
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沖縄のわらべうた「赤田首里殿内(あかたすんどぅんち)」のメロディーに合わせてするマッサージを、大城さんに教わった。
「あかたすんどぅんち~」のメロディーに合わせて、歌いながらマッサージをする。
【歌】背中(ながに)なーでぃなーでぃー ○○ちゃんの背中(ながに)なーでぃよー
※○○ちゃんに、子どもの名前を入れて呼びかける。
【マッサージ】赤ちゃん(子ども)をうつぶせにして、両手で背骨の両側を上から下にさする。

2
【歌】天使の羽広げて 優しくなーれー
【マッサージ】背中(肩甲骨)にハートマークを描くように4回なでる。

3
【歌】しーやーぷー しーやーぷー
【マッサージ】首の付け根からおしりまで、背骨を中心に両手で外回りに円を描くようになでおろす。それを2回繰り返す。

4
【歌】ぽーこぽこー ぽーこぽこー
【マッサージ】カップハンド(手を軽く丸めて)背中全体をぽこぽこ優しくたたく。

5
【歌】ちーびまるー ちーびまるー
【マッサージ】仙骨回りを時計周りに大きく円を描くように、優しく2回なでる。

6
【歌】うふーちゅー なーりーよー
【マッサージ】首の付け根から手先まで、頭から足先までなでおろす。

タッピングで穏やかに
一定のリズムでタッピングする(軽くたたく)ことは、心を安定させるセロトニンの分泌が促されると言われています。 4 のマッサージにも取り入れていますが、赤ちゃんが泣いている時は背中を「トントン」とタッピングするといいですよ。タッピングをする側の気持ちも穏やかになるそうです。
取材/栄野川里奈子
毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」ベビー&キッズ向け わらべうたでマッサージ
第1982号 2025年08月07日紙面から掲載