健康診断 受けただけになってない?|そろそろ本気で! 生活習慣病予防(12)|fun okinawa~ほーむぷらざ~

沖縄で暮らす・食べる
遊ぶ・キレイになる。
fun okinawa 〜ほーむぷらざ〜

沖縄の魅力|スマイリー矯正歯科

わたしらしく

特集

2024年3月21日更新

健康診断 受けただけになってない?|そろそろ本気で! 生活習慣病予防(12)

生活習慣病の予防・早期発見のために欠かせない健康診断。でも、異常が見つかっても改善のために保健指導を受けたり、医療機関を受診したりしないで悪化するまで放置するケースが多いそう。自身の健康状態をしっかり把握して、改善に役立てるために知って起きたい健診の種類や中高年の人が受けておきたい検査、結果の生かし方について専門家に聞きました。


異常の放置 禁物 早期発見 心掛け

全国健康保険協会沖縄支部(以下、協会けんぽ)の企画総務グループの新垣清乃さんは「生活習慣病の予防のための特定健康診査に加え、がん検診も定期的に受診を」と呼び掛ける。同グループの冨永菜緖子さんは「県内では異常が見つかっても医療機関を受診せず悪化するまで放置してから入院に至るケースが多いので、早期受診を心掛けて」と注意を促す。



教えてくれたのは

全国健康保険協会沖縄支部 企画総務部 企画総務グループ
グループ長 新垣 清乃さん(右)
主任 冨永 菜緖子さん(左)


 

中高年は特定健診を受診

年齢などによって受けられる健診は異なる。例えば、40~74歳の中高年の人は、「特定健康診査」(40~74歳の全国民が受診。以下、特定健診)を受けられる。また、事業所に勤めている人は職場の「定期健康診断」(年齢に関わらす労働者が受診。以下、定期健診)を受けることが義務づけられている。新垣さんは「定期健診の検査項目は特定健診の項目をほぼ満たしているので、定期健診を受けたら特定健診を受けたと見なすことができます」と説明する。

特定健診は医療保険(国保や協会けんぽなど)が実施していて、病院やクリニックなどの健診機関や市町村が実施する集団検診などで受診できる。冨永さんは「特定健診は定期健診と違って受診は義務ではありませんが、生活習慣病の予防・早期発見のために率先して受診しましょう」と呼び掛ける。

そのほか関連する健診としては、協会けんぽが実施している「生活習慣病予防健診」や医療機関が独自に実施している「人間ドック」がある。どちらも特定健診より検査項目が多く、がんなどの病気の有無も調べることができる。




 特定健診と関連する主な健診の関係 

円の大きさは検査項目の多さを表している。②の定期健診を受けると①の特定健診を受けたと見なすことができる。また、事業所によっては、③の生活習慣病予防健診を定期健診として扱うところもある

 

定期的にがん検診も受けよう

特定健診は、メタボリック症候群の予防などを目的とした健診。問診、身体測定、血圧測定、血液検査、尿検査などを行う。新垣さんは「特定健診には含まれない肺・胃・大腸がんや、乳・子宮頸がんの検査も定期的に受けましょう。特に県内は大腸がんになる人が多いので注意が必要です」と呼び掛ける。

がんの検査は、市町村が実施しているがん検診や医療機関が独自に実施している人間ドックを受けるのも一つの方法。協会けんぽでは、特定健診の検査項目にがん検診を含んだ「生活習慣病予防健診」を実施している。

冨永さんは「生活習慣病予防健診は、体重や腹囲の測定や血圧・血液などの検査に加え、胸部X線、胃部X線、便潜血反応検査といったがん検診を含んでいて、乳・子宮頸がん検査もオプションで受診できます。費用の約6割を協会けんぽが補助しているので加入している方は、ご活用ください」と話す。



特定健診の受診率



特定保健指導の実施率
上のグラフは2019年~2022年度の協会けんぽ加入者の特定健診受診率、下は特定保健指導の実施率。2022年度の特定健診の受診率は約64%、特定保健指導の実施率は約24%。全国平均を上回ってはいるが、さらなる受診率・実施率の向上が望まれる

 

特定保健指導や医療機関の受診を

健診を受けて自身の健康状態を把握した後について、新垣さんは「健診は受けるだけでなく、異常があれば改善のためのアクションを起こすことが大切です。特定保健指導の利用や医療機関の受診を徹底しましょう」と呼び掛ける。特定保健指導とは、健診を受けた結果、メタボリック症候群のリスクがある40歳~74歳までの人(BMI25以上、代謝異常のリスクがある)に行う健康サポート。加入している医療保険(国保や協会けんぽなど)が実施していて、保健師や管理栄養士などが健康に関するセルフケアができるように支援する。

冨永さんは「医療機関の受診も大事。県内では異常があっても受診せず悪化するまで放置してから入院に至るケースが多く、1人当たりの入院の医療費は全国平均より高いというデータもあります。早期に受診したなら、完治もしやすく医療費も抑えられます」とアドバイスする。
 

※異なる集団(都道府県など)の死亡率を比較する際、年齢構成がそろうように調整した死亡率。正確な死亡状況が比較しやすくなる




取材/池原拓
毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」そろそろ本気で!生活習慣病予防(12)
第1911号 2024年03月21日紙面から掲載

この記事のキュレーター

スタッフ
funokinawa編集部

これまでに書いた記事:4461

沖縄の大人女子を応援します。

TOPへ戻る