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2024年6月6日更新

沖縄男性のがん第2位!|身近な病気もっと知ろう 家族の医学手帳(121)

家族の健康が気がかりな「ほーむさん」が専門のドクターを訪ね、気になる病気について聞くコーナー。4回にわたって前立腺がんにスポットを当て、その最新の治療法などについて紹介します。初回は南部徳洲会病院副院長で泌尿器科主任部長の向山秀樹先生に話を聞きます。

前立腺がん①

自覚症状 早期はほとんどなし

親兄弟の罹患でリスク約4倍

Q1 前立腺がんとは

前立腺とは男性特有の臓器で、精液を作る働きをしています。ここにできるがんを前立腺がんといいます。全国的に増えており、沖縄県でも男性のがんのうち大腸がんに次ぐ第2位の罹患(りかん)数となっています。60代以降に多いのですが、30代でかかる方もいます。特に親や兄弟に前立腺がんになった方がいると、リスクは約4倍になりますので注意が必要です。

早期の前立腺がんには自覚症状がほとんどなく、人間ドックや健康診断のオプションの血液検査の前立腺がん検査で、指標となるPSAの数値が高いことから発見される場合がほとんどです。新型コロナの影響で健診を控えていた方も多く、久しぶりに受診する方も少なくないため、今年は発見されるケースが増えると思います。40歳を過ぎたら、年に一度は検査をおすすめします。家族歴がある場合は30歳を過ぎたら、検査を受けましょう。
 



Q2 進行するとどうなる?

前立腺がんは、触診でも超音波検査でも発見できない小さながんで、前立腺肥大症などの手術の際に偶然に見つかったものをステージA、がんが前立腺の中にとどまっているステージB、前立腺の被膜を越えて進展しているけれど転移がないステージC、すでに転移しているステージDに分類されます。進行すると、血尿や尿のキレの悪さといった自覚症状が出てくるようになり、がんが骨盤や背骨に転移すると腰痛などを感じます。早期では自覚症状がないからこそ、前立腺がんは検査を受けることが大切なのです。

 

Q3 どんな検査をするの?

PSAの数値が高い方は、まずは直腸から隣接する前立腺に触れて調べる直腸診と、МRI検査を行います。これは不必要な生検を避けるためです。

生検とは、麻酔をかけた状態で、肛門から超音波を発する器具を入れて前立腺の状態を確認しながら、生検用の針を前立腺に刺して疑わしい部位の組織を採取し、がん細胞の有無を調べる検査のことです。直腸診とМRI検査で前立腺がんの可能性が高い場合、当院ではフュージョン生検を行います。

フュージョン生検では、МRI画像をデータ処理して超音波画像に重ね、立体的な画像で前立腺をリアルタイムに確認しながら生検を行うことができるため、従来の2次元の超音波画像に比べ、より精度の高い検査が可能となりました。当院でのフュージョン生検は、1泊入院のうえ、下半身に麻酔をかけて行います。このフュージョン生検でがん細胞が発見されると、前立腺がんと確定診断されて、個々の患者さんの状態やご希望に合わせながら治療が始まります。

次回は、治療の選択肢と術後の尿漏れ治療について聞きます。


 


向山秀樹/南部徳洲会病院 副院長
     泌尿器科主任部長 医学博士


むこうやま ひでき/琉球大学医学部医学科卒。1999年から南部徳洲会病院泌尿器科医長、2007年に同科部長、22年に副院長に。日本泌尿器学会指導医、ロボット手術認定医、腹腔鏡技術認定医、がん治療認定医、再生医療認定医。モットーは「温故知新の心で、古を参考に、最新最良の治療に応用する」。

南部徳洲会病院
電話=098-998-3221(代)
八重瀬町字外間171-1

↓画像をクリックすると、南部徳洲会病院のホームページに移動します


文・堀基子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』 家庭の医学手帳<121>
第1922号 2024年06月06日掲載

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