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2024年3月21日更新

声がれが病気発見の発端に|身近な病気もっと知ろう 家族の医学手帳(118)

家族の健康が気がかりな「ほーむさん」が専門のドクターを訪ね、気になる病気について聞くこのコーナー。今回から3回にわたって声の異常にスポットを当て、沖縄初のボイスクリニックである、きゆな耳鼻科院長の喜友名朝則先生に話を聞きます。

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声の異常①

命に関わる声のトラブル

手術後に出ない声が戻る場合も

Q1 喉頭がんって声がかすれるの?

声の異常から気づく病気の中でも、ぜひ早期発見したいのが喉頭がんです。喉頭は気管の入り口にあたり、ここに声帯があります。声帯は呼吸の際には左右に開いていますが、発声時には声帯が閉じて細かく振動して声が出ます。この声帯がしっかり閉じなくなると、声がれなどの障害が起こります。間違えやすいものに咽頭がありますが、こちらは鼻の奥から食道の手前までを指します。

声帯とその周囲にできるのが喉頭がんで、主に喫煙が原因となり、60代以上の男性に多く発症します。初期症状として声がれがあり、なかなか良くならず持続します。早期であれば化学療法や放射線療法など声を残す治療ができますが、進行すると声を失う場合もあります。声がれが2~3週間以上続く場合は、ぜひ1度、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
 


Q2 他にも声で分かる病気があるの?

声がれから、大動脈瘤(りゅう)、食道がん、甲状腺がんなど、命に関わる病気が見つかることがあります。声帯を動かす反回神経は首から胸にかけて通っていて、大動脈、食道、甲状腺などが隣接しており、ここに大動脈瘤、食道がん、甲状腺がんなどができると、反回神経が圧迫されて麻(ま)痺(ひ)し、声がかれることがあるからです。声がれや声が出にくいなどの症状が続いているときは、ぜひ耳鼻科を受診してください。

 

Q3 術後に声が出なくなることも?

大動脈瘤、食道がん、肺がん、甲状腺がんなどの手術を受けた際に、反回神経が傷つき、術後に声が出なくなったり、出にくくなったりする場合があります。半年から1年ほど様子をみても改善しないときは、声の回復を目指す治療を行います。左右の声帯のうち、麻痺して動かなくなった側の声帯に薬剤を注入して閉じるように膨らませたり、中央へ寄せて閉じるように固定したりする手術を行う場合もあります。

次回は、よく声を使う人と使わない人の声の異常について聞きます。

 


喜友名朝則/きゆな耳鼻科 沖縄ボイスクリニック院長
琉球大学医学部医学科卒。医学博士。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定専門医、日本音声言語医学会認定音声言語認定医。琉球大学病院の耳鼻咽喉科などで声の異常を専門とする音声外来を18年にわたって担当。沖縄初のボイスクリニックとして2023年8月きゆな耳鼻科を開院。モットーは「患者さんの視点に立って治療する」。

きゆな耳鼻科 沖縄ボイスクリニック
電話=098-871-4276
那覇市古島2-6-5

↓画像をクリックすると、きゆな耳鼻科 沖縄ボイスクリニックのホームページに移動します


文・堀基子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』 家庭の医学手帳<118>
第1911号 2024年03月21日掲載

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