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2023年11月16日更新

閉経後の猫背は要注意!|身近な病気もっと知ろう 家族の医学手帳(114)

家族の健康が気がかりな「ほーむさん」が専門のドクターを訪ね、気になる病気について聞くこのコーナー。今回から3回にわたって脊椎の病気にスポットを当て、琉球大学大学院医学研究科 整形外科学講座 教授の西田康太郎先生に話を聞きます。

脊椎の病気①

背骨の変形招く 圧迫骨折原因も

Q1 猫背やストレートネックは病気なの?

背中が丸まった姿勢のことを猫背といいます。スマートフォンやパソコンを使う作業、デスクワーク、料理や掃除といった家事など、日常的に背中を丸めた状態で行う動作が多い方は、猫背になりやすいのではないでしょうか。背中が丸くなるだけではなく、肩が前に出てしまう巻き肩を伴う場合もあります。猫背は世代を問わず起こりますが、特に心配なのは閉経後の女性の場合で、これについては後ほど紹介します。

日常的に背中を丸めて下向きで作業を行っていると、通常なら少し後ろに反るようにカーブを描くはずの首の骨がまっすぐになる、いわゆるストレートネックと呼ばれる状態になります。これは、整形外科的にみて病気というわけではありませんが、首や肩、背中のこりなどの症状が出てくることもありますので、ストレッチや正しい姿勢を心がけることが大切です。
 

毎年、骨粗しょう症の検査を

 


Q2 閉経後の猫背が心配な理由は?

若い方の猫背のほとんどは日常的な姿勢の悪さに由来するのですが、中高年以降の世代では、加齢によって姿勢を支える背中の筋力が低下して背骨のS字カーブが崩れたり、背骨の骨と骨の間でクッション材の役割を果たす椎間板が減って姿勢が前かがみになったりして、猫背になる場合があります。

特に心配なのが閉経後の女性の場合です。骨粗しょう症によって骨がもろくなって、孫を抱き上げたり、植木鉢を持ち上げたり、ほんのちょっとした動作が引き金になって、背骨がつぶれる圧迫骨折を起こし、背中が丸くなることがあります。背骨の変形が進んでくると、まっすぐに立てないばかりか、腰を曲げたままでしか歩けないようになり、やがては顔を上げることもできなくなって、日常生活に大きな支障をきたすようになりますので、注意が必要です。

 

Q3 背骨の圧迫骨折を防ぐには?

2019年の報告によると、沖縄県における大(だい)腿(たい)骨近位部骨折の発生率は男性が全国ワーストの1位、女性が2位となっており、沖縄県民は男女ともに骨の質がよくないことが判明しています。特に深刻な変形を招く圧迫骨折を防ぐためには、閉経後は毎年、骨粗しょう症の検査を受け、早めに治療を開始すること、骨粗しょう症であれば背骨に負担がかかる動作や転倒を避けることが非常に重要です。

次回は、50代以降に増えてくる頸椎(けいつい)症性脊髄症について聞きます。

 


西田康太郎さん/琉球大学大学院 医学研究科 整形外科学講座 教授 医学博士
にしだ・こうたろう/鳥取大学医学部医学科卒。神戸大学医学部附属病院整形外科准教授を経て、2019年7月から現職へ。日本整形外科学会代議員および専門医、日本脊椎脊髄病学会理事、脊椎脊髄外科指導医、日本側彎(そくわん)症学会評議員。モットーは「精度の高い手術を心がける」。

琉球大学病院
西原町字上原207番地


文・堀基子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』 家庭の医学手帳<114>
第1893号 2023年11月16日掲載

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