My Style
2018年8月30日更新
季節のオススメ島野菜や県産野菜をピックアップ[8月31日は野菜の日]
野菜ソムリエの堀基子さんが、特徴的な成分や栄養素、上手な食べ方や保存法を紹介します!
夏のオススメ 冬のオススメ 春のオススメ
オクラ
とろみが美味
おひたし・汁物で食物繊維を
旬は5~10月。ハイビスカスと同じアオイ科に属し、淡い黄色の美しい花を咲かせる。水溶性食物繊維が豊富で、生のまま小口切りにし、だし汁などに浸しておくと、とろみ成分が溶け出してくるので、そのまま鍋ごと火にかけ、かき玉汁などにすると美味。βカロテン、カリウム、カルシウムも多い。赤オクラのアントシアニンは熱に弱く、加熱すると変色してしまうので、生のまま刻んで薬味にしたり、ピクルスなどで色を生かして。
ハンダマ
抗酸化力+ミネラルも
キク科に分類される島野菜。旬は11~翌6月。葉の表の緑色はクロロフィル、裏の鮮やかな赤紫色はアントシアニンによるもので、いずれも優れた抗酸化力で知られる。βカロテンをはじめ、カリウム、カルシウム、鉄などのミネラルも豊富。加熱するとぬめりが出て、特有の香りが立つので、この香りが苦手な人は生のままサラダで食べるとクセを感じにくく、たっぷりと食べられる。汁椀(わん)に生の葉を入れ、熱いみそ汁を注いでも美味。
冬瓜(トウガン)
ミカンより多いビタミンC
カロリーの低さはキュウリ並み
ウリ科の島野菜。旬は4~9月だが、冬まで保存できることから、この名に。ビタミンCの含有量は、なんと温州ミカンより多く、100g当たり39mgも含まれている。キュウリ並みに低カロリーなので、ダイエットの強い味方に。使い残しは傷みやすいため、冷蔵ではなく、食べやすい大きさに切ってから冷凍しておくのがおすすめ。凍ったまま煮汁に入れて加熱すると、生の状態よりも火の通りが早く、味もしみ込みやすく、時短調理できて便利。
ニンジン
βカロテン含有量1位 皮ごと食べて
セリ科に属し、旬は1~4月。βカロテンの含有量は、野菜の中で第1位。表面は皮ではなく内鞘(ないしょう)細胞といわれる部分で、表面に近いほどβカロテンを豊富に含むため、ぜひ皮をむかずに使いたい。βカロテンは、油と一緒に摂取するか、水からゆでると、吸収率が高まる。おなじみのオレンジ色のニンジンは西洋種だが、11~翌2月に収穫期を迎える島野菜の島ニンジンは金時ニンジンなどと同様に東洋種に分類される。
トマト
強力な抗酸化力 熟したものを
ナス科に属し、旬は12~翌5月。赤い色素成分リコピンが豊富。青みが残っているトマトは室温で置いておけば数日で真っ赤に熟し、リコピンがぐっと増える。ヘタが濃い緑色でピンと張ったものが新鮮で、お尻に放射線状の筋があるものが美味とされる。完熟トマトの保存は、ヘタを取り除き、水で洗って水気を拭き取り、ラップに包んで丸ごと冷凍庫へ。凍ったまま水に漬けるとツルリと皮がむけ、煮込み料理やソース作りに便利。
キャベツ
キャベジンが胃粘膜修復
ビタミンCやカルシウムも
アブラナ科に属し、旬は12~翌5月。ビタミンCやカルシウムを多めに含むので、日頃からたっぷり食べたい野菜の一つ。キャベツには別名キャベジンと呼ばれるビタミンUが含まれ、胃粘膜を修復する働きを持ち、胃や十二指腸の潰瘍の予防や回復に役立つ。煮込むと甘みを増す冬キャベツはずっしりと重いものを、生食がおいしい春キャベツは巻きがふんわりとした物を選ぶのがポイント。紫キャベツはアントシアニンが豊富。
カボチャ
余分な塩分排出するカリウム豊富
ウリ科に属し、県産の西洋カボチャの旬は12~翌5月。すぐれた抗酸化作用を持つカロテン、ビタミンC、ビタミンE、体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を助けるカリウムが豊富に含まれている。津嘉山産や南風
原産の西洋カボチャは、ホクホクと甘い高品質なブランド野菜とし
て、全国的に知られている。また、沖縄在来の島カボチャは島野菜の一つで、6~10月にかけて旬を迎える。果皮にオレンジ色の傷ががあれば完熟の証し。
ダイコン
生は上部、煮物は中央部
先端はおろして辛みを
アブラナ科。県産の旬は12~翌4月で、本島北部産の赤土ダイコンは甘みが高く人気。ダイコン特有の辛みはイソチオシアネートによるもので、葉のある上部より、下部の先端側が辛みが強いため、生で食べるなら上部、煮物なら中央部、大根おろしなら先端部と使い分けたい。葉にはカロテンやカルシウムなどが豊富なので、ぜひ捨てずに活用を。また、沖縄在来の島ダイコンは島野菜に数えられ、12~翌3月に収穫期を迎える。
玉ネギ
香りと辛みがポイント
水にさらさず広げて
ネギ科。表皮を乾燥させた玉ネギは年間を通じて店頭に並ぶが、新玉ネギは1~4月頃だけの旬の味。辛みが少なく、糖度が高いので、生のまま味わいたい。疲労回復に役立つ特有の香りと辛み成分アリシンは水に溶け出しやすく、揮発性なので、辛味が強い場合はスライスした後、水にさらさず、大きな皿などに広げておくと、辛味がやわらぐ。また、皮に多く含まれる黄色色素ケルセチンは、抗酸化作用やがん抑制作用などで注目されている。
<闘うカラダは野菜で作る>
・野菜、足りていますか?
・こんなにスゴイ! 野菜のチカラ
・野菜ソムリエのオススメ島野菜5つ
・島野菜・県産野菜図鑑
・四季の野菜の12レシピ
・ホテルやお店で手軽に
『週刊ほーむぷらざ』第1623号 2018年8月30日掲載