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2018年8月30日更新
闘うカラダは野菜で作る[8月31日は野菜の日]
野菜には、抗酸化作用や抗がん作用、免疫力アップなどの働きで注目の成分「ファイトケミカル」が含まれるものが多く、美容健康効果が期待できる。だが県民の摂取量は右肩下がりだ。8月31日の野菜の日にちなみ、野菜のチカラを大特集。「病・老化・紫外線・ストレス」と闘うカラダづくりに役立てよう!
県民は野菜不足 食見直し改善を
最も低い30代女性の摂取量
野菜、足りていますか?
厚生労働省が推奨する1日に必要な野菜の摂取量は350g。しかし沖縄県民の平均摂取量は約270gと全国平均の294gを下回る。今回は読者の食生活を管理栄養士の野嵩正恒さんに見てもらい、改善点や食べ方の工夫を聞いた。
淡色2対 緑黄色1の割合で
「たくさん食べた方がいい」とは思っていても、意識しないとなかなか摂取できない野菜。ビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富で、炭水化物やタンパク質、脂質といった3大栄養素の吸収や働きを補助する役割があり、人が生きる上では欠かせない。
厚生労働省が国民の健康のために目標として定めた「健康日本21」では、抗酸化ビタミンやカリウム(ミネラルの一種)、食物繊維などの摂取が循環器疾患や、がんの予防に効果的に働くと考えており、1日に350グラム以上の野菜を摂取するように推奨している。しかし、県民の摂取量平均は約270グラム。特に30代女性の摂取量が少なく、子育て中の家庭であれば子どもの摂取量にも影響しかねない(グラフ参照)。
県栄養士会理事の野嵩正恒さん(43)は「野菜を350グラム食べる必要があるということを知らないので、摂取量が少ないのではないか」と指摘。「肉も野菜もバランスよく食べるのが理想的で、野菜は70グラムの小鉢(ミニトマトなら7個)を一日に5皿食べるようにイメージしてほしい」と語る。
沖縄県の年代別の野菜摂取量(平成28年度調査)
県内では30代の女性の摂取量が最も低い。県民全体でも摂取量は減少傾向にあり、野嵩さんは「野菜の価格高騰やサプリメント類の充実なども減少傾向の要因として考えられる」と自身の考えを述べた/平成28年度県民健康・栄養調査結果の概要(平成30年1月沖縄県医療保健部)より
淡色と緑黄色の両方が必要
野菜であれば350グラム何を食べても良いわけでない。「健康日本21」では、食物繊維が豊富な淡色野菜(レタスやキャベツなど)は230グラム、ビタミンを多く含む緑黄色野菜(トマトやホウレン草など)は120グラムを目安としており、できるだけ多種類の野菜を摂取することが望ましい=下記「理想的な一日の野菜の量」参照。
キャベツ100g | (1/10個) |
玉ねぎ50g | (1/8個) |
キュウリ50g | (1/2本) |
ダイコン40g | (1cm輪切り1枚) |
ニンジン15g | (1/10本) |
ピーマン30g | (1個) |
ホウレン草45g | (1/4束) |
オクラ30g | (3本) |
ミニトマト30g | (3個) |
淡色=ブルー/緑黄色=オレンジ |
下記の読者の食事を見ると、Aさんは淡色野菜が足りない。野嵩さんは「朝食のスープの小松菜をレタスに代えても良い」とアドバイス。
反対にBさんは緑黄色野菜が不足。朝食を食べる習慣をつけることが野菜不足解消に効果的で、トマトサラダやミネストローネスープを食べると補えるという。食欲がない場合は市販の野菜ジュースでも良いが塩分や糖分が多い商品もあるので飲み過ぎには注意が必要とも。
Cさんはサラダ、炒めもの、汁物と複数の調理法で摂取している点が良いという。野菜の総摂取量はクリアしているが、淡色野菜が少し目標値に足りない。サラダにはレッドキャベツやレッドオニオンを加えるとポリフェノールが摂取できるため、抗酸化作用も期待できるそうだ。
外食時はメニュー選びが大切
外食やコンビニの食事は野菜が少なく、塩分が多くなりがち。野嵩さんは「サンドイッチならレタス入り、麺類なら野菜入りの焼きそばにするなど、意識してメニューを選んでみて」と提案。定食の付け合わせの野菜も残さず食べると野菜不足を補いやすくなる。
また、昼食が外食なら朝と夜の食事で野菜の量を調節するなどの工夫が必要。「全ての食事で主食・主菜・副菜を食べるように意識することでバランスが良く、健康的食生活に近づける」と呼びかけた。
ほ~むぷらざ読者の食事例
20代女性 Aさん
朝
昼
夜
Aさんの声
お弁当は彩りを意識して作っています
野菜総摂取量:325g
○淡色野菜:130g
○緑黄色野菜:195g
野嵩さんからアドバイス!
緑黄色野菜は目安量をクリア。朝食にレタスのサラダを食べるか、スープの小松菜をレタスに代えてもOKです。
ーー
40代女性 Bさん
昼
夜
Bさんの声
夜は必ず丼ぶりいっぱいに野菜を食べています♪
野菜総摂取量:285g
○淡色野菜:225g
○緑黄色野菜:60g
※朝食は食べていない
野嵩さんからアドバイス!
あと一皿分(70g)野菜が足りていません。朝食にゆでたブロッコリーやトマトのサラダ、ミネストローネスープを食べるのがおすすめです。
ーー
60代女性 Cさん
朝
昼
夜
Cさんの声
いろいろな種類の野菜を食べるようにしています! 朝はサラダが定番です。
野菜総摂取量:360g
○淡色野菜:205g
○緑黄色野菜:155g
野嵩さんからアドバイス!
野菜の総摂取量は合格です。みそ汁にダイコンやトウガンを入れると淡色野菜を補えます。
ーー
効率的に野菜を食べる方法
- みそ汁や麺類など汁物に入れる
⇒調理の手間が省けて簡単。インスタント食品に入れるのもOK。 - 冷凍野菜を活用する
⇒1年中価格が安定しているので経済的。 - 加熱してかさを減らす
⇒揚げる、煮る、炒める、蒸すなど熱を加えるとかさが減って食べやすい。
野嵩正恒さん
のだけ・まさつね/管理栄養士、沖縄県栄養士会理事。栄養面を考えた弁当を販売する「エブリカロリ」代表
<闘うカラダは野菜で作る>
・野菜、足りていますか?
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表紙撮影/比嘉秀明
表紙撮影協力/なごアグリパーク・美ら島キッチン
『週刊ほーむぷらざ』第1623号 2018年8月30日掲載