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2017年5月25日更新

[特別対談]春のデトックス|琉球薬膳とアーユルヴェーダから輝く美をキャッチ

暖かくなり、活動的になるこの時期。冬から春へと変わる季節におすすめなのが「デトックス」。ため込んだものを排出して、輝く美をキャッチ!

特別対談

春は体の大掃除 苦い食と運動を

i-PLANA 代表​
 知念伽央梨
さん

琉球薬膳研究家
 宮國由紀江さん


女性を中心に人気がある薬膳とアーユルヴェーダ。中国で確立された中医学を基に、琉球薬膳料理を研究する宮國由紀江さん。5000年の歴史があるインドの伝承医学・アーユルヴェーダの普及と実践を行う知念伽央梨さん。それぞれの立場から「デトックス」について語ってもらった。

 

芽吹く季節は「発散」冬の疲れが流れ出す

デトックスに適した時季やタイミングは?

 宮國 


中医学では季節ごとに役割があり、心と体のことを同時に考えます。春は秋と冬の間にため込んだ物を出す「大掃除の季節」。それがデトックスになるので、今の季節が適しています。そして新しい栄養を入れる大切な時季でもあります。
季節の特徴として、秋は食欲が出て、冬に向けて栄養を補充します。冬になるとその栄養をため込み、さらに感情までも内にため込むとされます。つまり、ストレスもたまるので、体力と精神力を消耗しないようにすることが大切です。

春になると新芽が生えるのと同じで、人間も活動的になります。冬の間に寝ていた臓器がゆっくり起き出し、感情も同様に発散する季節です。体と感情のデトックスを行う季節が春になります。

 

アーユルヴェーダ的な季節の過ごし方は?

 知念 


そうですね。アーユルヴェーダでも季節ごとに過ごし方は変わるので、その点は中医学と同じです。春と秋は異なる治療法でデトックスをして、体力が弱まる夏と滋養が必要な冬には行いません。前の季節の過ごし方が次の季節へと影響すると考えているため、季節ごとの注意点を踏まえて、対処します。
春は冬に固まった氷が溶け出す季節。鼻水が出たり、呼吸器系にトラブルが起こるなど、体が「重だるい」感じで、一般的にいう五月病とも重なります。

それらの症状は、春を迎える前の季節となる冬の過ごし方が関係すると考えるのです。アーユルヴェーダでは冬は体力があり、ハードな運動をしてもいい季節だととらえられています。冬の忘新年会で暴飲暴食すると、春には重い症状が出てしまうことになります。
そこで大切なのが、個人ごとに異なる体質の見極めです。

 

体質や体調に応じてやり過ぎは禁物!

注意点やポイントは?

 知念 
人には生まれ持った体質があり、今の生活の乱れ、アンバランスな部分を全体的に見ます。大きく分けると三つ、さらにその複合タイプがあって、デトックスの方法も異なるため、自分の体質を見極めることが大切です。
三つの体質は風、火、水のエネルギーを持ち、火の体質は何事も徹底的にやりたくなり、その結果、やり過ぎてしまい体調を崩すことも。「風」は冷えがあり、体力があまりないので、動きすぎないようにしてください。「水」は冷えがありますが、積極的に動くといいでしょう。

 宮國 
自分の体質や環境を知ることはアーユルヴェーダと共通します。現代は電化製品が発達していることもあり、夏でもクーラーによる冷えがありますよね。単に季節だけに目を向けず、環境を見つめ直すことからデトックスを始めましょう。注意点としては、安易に即効性を望まないことです。即効性を追求すると体や心のどこかに負担がかかります。

 知念 
毎日の積み重ねが大事ですよね。そして、季節や体質に応じた方法で少しずつデトックスすることも忘れないでほしいです。


具体的な方法は?

 知念 
この季節はドライマッサージをします。絹の手袋を付けて乾布摩擦のように軽くさする方法です。体に覆いかぶさったものをはがすようなイメージです。



その後、スチームを使って発汗すると、心も体もすっきりです。大きい三つの体質のうち、水のタイプは常に鈍重感があり、むくみやすいのが特徴です。そこで、絹の手袋やハーブでドライマッサージをするとすっきりしますよ。

 宮國 
冬の間に蓄えた物が体の中にたまっていると、気の巡り、水の代謝が悪く、むくんで、めまいを起こす場合もあります。そのような気の巡りを沈めるためには、ヨモギやニガナ、カラシナなど苦味と酸味、香りがある物を食べると良いとされています。苦いのは利尿作用もあるので、体の大掃除です。

 

ドライマッサージや苦味や酸味を食べて

食べる時に心がけることは?

 知念 
ヨモギは苦味があっておすすめです。アーユルヴェーダも食を大切にして、「おいしかった」と思いながら満足感を持って食べることを勧めています。翌日、帳尻を合わせるといいんですよ。

 宮國 
薬膳でも「おいしく食べる」「嫌々食べない」が基本です。食べ過ぎたら翌日は胃を休め、アーユルヴェーダと同じように帳尻を合わせます。睡眠も大切で、起きたらゆっくり体の機能を動かすウォーキングが良いでしょう。洋服もできるだけ緩めて、締め付けないで。

 知念 
薬膳もアーユルヴェーダも人々が経験を積み重ねてきた学問で、近年、データで裏付けされています。共通点や違いを踏まえ、デトックスを含めた情報発信をしたいですね。

 宮國 
そうですね。それぞれの特徴を知り、自分に合うデトックスを取り入れてください。


PROFILE
 宮國由紀江(みやぐに・ゆきえ) 
琉球薬膳料理研究家。うるま市内で「薬膳龍花」主宰。国際中医薬膳講師、栄養士。中医学に基づく薬膳を学び、現在は沖縄の食材を使った琉球薬膳料理を研究。一般向けの講演会や、薬膳の専門家を育成する講習会など、多方面で活動している。
www.y-ryuka.com/

 知念伽央梨(ちねん・かおり) 

株)i-PLANA(アイ・プラーナ)代表。アーユルヴェーダの理論に基づきスパを経営。セミナーなどで普及に努める。米国補完医療大学AUCM、グジャラートアーユルヴェーダ提携の Ayur Vedic Medicine Practitioner 、日本アーユルヴェーダヘルスカウンセラーなどの資格を持つ。
www.i-plana.org/

 


編集/高江洲千里
『週刊ほーむぷらざ』特別対談 デトックス特集
第1558号 2017年5月25日掲載

この記事のキュレーター

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ちぃちゃん

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元企画・編集プランナー
身の回りの「はてな?」や「なるほど!」を追い求めながら、好奇心のアンテナを張り巡らせて日々、取材中。何でもやるからには「徹底的」に。そのための息抜きも大切に。メリハリのある暮らしと、メリハリのある仕事のこなし方ができるよう心がけています。

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