マネー
2024年4月4日更新
通貨の桁数の多さに驚き|ベトナムのお金事情|マネーのヒント!①
「賢く生きる!マネー術」をリニューアル。マネーの話題を幅広くお届けします。今回のテーマは旅先のベトナムで考えたお金と暮らしのことです。文・岡田有里(ファイナンシャルプランナー)
1964年4月1日に海外旅行が自由化されて今年で60周年。当時は1ドル=360円の固定相場制で海外旅行は高嶺の花でした。為替レートが73年に変動制になり、高度成長期と相まって80年代後半から1ドル150円以下に。90年代末には1ドル90円台が続いた円高の影響もあり、日本人の海外旅行客数は急増。コロナ前の2019年に初めて年間海外渡航者が2千万人を超えました。22年には年間2770万人以上が出国しており、人と物の移動が以前よりも活発になっています。
ベトナムの最高紙幣は50万ドン。硬貨もあるが、あまり流通していない
5万ドン紙幣は300円
昨年筆者はベトナムを訪れ、ベトナム通貨のドンを初めて使いました。当時の為替レートは1VND(ベトナム・ドン)=0.006円。空港からホテルへ向かうタクシー料金の50万ドン(3千円)がとても大きな金額に思えて、慌てたのを覚えています。ドンの桁数が大きいのは、1980年代以降の慢性的なインフレーションにより、物の値段が高騰し続けたためです。
ちなみに、為替換算をすると100ドン紙幣が0.6円、1000紙幣1枚が6円、高額紙幣に見える5万ドン紙幣が300円でした。ベトナムと日本の物価を、地元食堂、おしゃれなレストラン、世界展開のカフェの3パターンでご紹介しましょう。
ハノイで食べたフォーは日本円だと約240円~350円で、お得に感じた
沖縄そばVSフォー、安いのは?
まずはご当地フードの代表、フォー(ライスヌードル)VS沖縄そばの比較です。首都ハノイの食堂で食べた牛肉のフォーは4万~6万ドン(240~360円)でした。沖縄そば1杯800~1千円とすると、3分の1程度で楽しめてお得感を感じました。
その後、都会のホーチミンのおしゃれなレストランで5品をデリバリー注文すると62万7000ドン(3762円)でした。日本では1品1400円と仮定して5品で7千円弱になると考えるとベトナムが日本の2分の1です。
最後に世界展開の某有名カフェのアイスコーヒーは1杯6万5000ドン(390円)、日本は440円と同等の価格設定で、旅行中には割高に感じました。それでも慣れ親しんだ味に安心しました。
物価が安い海外で老後
物価水準が変わると、旅でも日常生活でも懐感覚が大きく変わります。年金と貯金の取り崩しに頼る老後生活は、物価水準の影響を強く受けます。筆者はファイナンシャルプランナーとして、豊かで楽しい老後の実現方法について、通常は日本での生活をベースに考えます。しかし今回の旅を通じて、老後生活の一部に日本より物価水準が低い海外の街での長期滞在を取り入れると、生活コストを抑えて豊かな老後を過ごせるかもしれないと感じました。
昨今は暮らしや働き方が急速に多様化しています。老後の暮らし方を柔軟に考えることで、現役時代の貯蓄プロセスも楽しめるようになるかもしれません。
おかだ・ゆり/ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業を経て沖縄へ。女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動
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『週刊ほ〜むぷらざ』マネーのヒント!①
第1913号 2024年4月4日掲載
この記事のキュレーター
- キュレーター
- 岡田有里
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ファイナンシャルプランナー。ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業に就職し海外勤務を経験し、2000年に沖縄へ。「私の未来に安心を!」をテーマに、女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動。