[沖縄]12月3日〜9日は 障害者週間|障がいがあっても 自分で愛車を運転|fun okinawa~ほーむぷらざ~

沖縄で暮らす・食べる
遊ぶ・キレイになる。
fun okinawa 〜ほーむぷらざ〜

沖縄の魅力|スマイリー矯正歯科

わたしらしく

介護

2022年11月24日更新

[沖縄]12月3日〜9日は 障害者週間|障がいがあっても 自分で愛車を運転

12月3日~9日は障害者週間。障がいがあっても愛車を運転し、充実した日々を送る山川朝教さん(54)にインタビュー。その車両を改造したタイヤランド沖縄の高里健作代表へ、福祉車両への熱い思いを聞いた。やりたいことをあきらめず、本人もサポーターも主体的に取り組むことが、互いを尊重し支え合う「共生社会」につながる。

自分で運転し行きたい所へ

山川朝教さん(54)は自操式福祉車両を運転し、「夢だった娘や娘の友だちの送迎をしている」と喜ぶ。福祉車両専門店「タイヤランド沖縄」の高里健作代表は「福祉車両で自由な世界が広がる」と話す。

愛車で娘と友だちの送迎も

福祉車両の運転歴7年 山川朝教さん
愛車で夢だった娘や娘の友だちを送迎しています。
大きめの車にして正解でした!
山川さんのマイカーは、ネイビーカラーの上品でスポーティーな3列シートの国産車。「いつか再び車に乗れるようになったら、この車にしたいと思っていたんです。ハンドルやアクセル、ブレーキを私の身体機能に合わせて改造してもらいました」と笑顔で話す

山川朝教(ちょうきょう)さんは、2013年にギラン・バレー症候群を発症し全身まひの状態に。リハビリに励み、徐々に回復。現在も握力が弱い、歩行困難などの障がいはあるが、車いすと自操式福祉車両で、仕事もプライベートも充実した日々を送る。

発症後、県外のリハビリ施設にいた山川さん。車いすバスケ九州大会に参加していた沖縄出身の選手に「沖縄に戻ったら車はあるか? 運転ができないとヤーグマイ(ひきこもり)するよ」と言われたのが、福祉車両の所有を考えるきっかけとなった。沖縄で情報収集に努めたが、簡単にはいかなかったと振り返る。

福祉サービスの中の移動支援を使うことで移動はできる。しかし、「病院や買い物など目的がないと使えないため、使いづらい。自分の車があって自分で運転できれば、自分が行きたいときに、行きたいところへ行ける」

山川さんは沖縄県脊髄損傷者協会から情報を得て、福祉車両専門店のタイヤランド沖縄(宜野湾市)とつながった。同店は山川さんの運転操作能力の測定、福祉車両の取得、改造から、助成制度などの手続きまでサポート。「好きな車を運転する」という山川さんの望みをかなえた。
 
「かっこいい」は大切

山川さんの車選びにはいくつかの条件があった。一つは、車の座席が車いすから移乗できる高さであること。もう一つは、人を乗せられる広さがあること。「一人娘とその友達を乗せてあげるのが僕の夢。後ろの座席に車いすを収納しても、何人か乗れるように3列シートのタイプにした」。さらに、こだわっているのが「かっこよさ」だ。

「障がい者用のものは車に限らず、かっこいいものってあまりない。気に入らないものを我慢して使うより、使っていて気分のいいものがいい」。福祉車両を運転し始めて7年。好きな車を運転し、自由を満喫できる喜びを感じている。


補助装置で運転が可能に。握力が弱い山川さんは、ハンドルに手首が固定できる旋回グリップを装置。ブレーキは左手の手動装置を操作している

安全性+デザインも大事
福祉車両専門店 高里健作代表


タイヤランド沖縄の高里健作代表。
(一社)沖縄県身障者運転支援協会会長も務める

「福祉車両で障がい者の移動支援をしたい」と、福祉車両専門店「タイヤランド沖縄」を営む高里健作代表(51)。「障がい者の免許更新や福祉車両の取得には、情報収集の難しさがある」と課題を指摘する。

障がいがある人の免許取得や更新には、まず自動車教習所で適性検査を受けてパスする必要がある。さらに市町村によって助成制度の有無が違ったり、制度を利用する際の申請や書類提出のタイミングが限定的だったりと分かりづらい部分も多いという。

「一般車両に比べて障がいがある人の福祉車両の取得は手続きが複雑で、サポートが必要。当社では運転ができるか不安、というところから相談を受けています。気軽に相談してほしい」と話す。

福祉車両の点検や修理、中古車の販売、買い取り、レンタルなど、福祉車両に関するさまざまな相談に応じている。

好きな車を福祉車両に

「福祉車両はデザインが画一的なイメージがあるが、障がいのために選択する権利をあきらめてほしくない。安全性を第一にした上で、機能性だけでなく、デザインも大事。使っていてうれしいものを選んでほしい」と、高里さん。

福祉先進国でデザイン性の高い欧米の車両や部品を扱っていて、多様な素材や色、デザインの運転補助装置を展開。国産車、輸入車を問わず、お気に入りの車を福祉車両にする改造を請け負っている。

「障がいのある人が自分で車を運転できれば、行動範囲が広がり、通学や就労、社会参加の拡大にもつながる。福祉車両は今後、ますます重要な役割を果たすと思う。福祉車両を扱う者として、これからも必要な方が福祉車両を手に入れられるようサポートしたい」と話した。

福祉車両でできること

電動で車イス収納
車の屋根に車椅子が電動で収納できる外国製のリフトは、ボタンを押すだけで、車イスを収納できる。車種を問わず取り付け可能。

手足をサポート
右半身にまひがある場合は、補助装置を装着すると左足でのアクセル操作とウインカーを左側に延長でき、左手と左足で運転ができるように。また、グリップを押すとアクセル、引くとブレーキになる手動運転装置を取り付ければ、手だけでの運転が可能になる。



測定器で操作力を確認
タイヤランド沖縄には「運転能力測定器DTS」が設置されていて、握力や脚力など自動車の操作力を測定できる。測定結果は車両改造に生かす。「この機器は日本で4台しかなく、沖縄では当店だけ」と高里さんは胸を張る



文・赤嶺初美(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』12月3日〜9日は障害者週間

第1842号 2022年11月24日掲載

この記事のキュレーター

スタッフ
funokinawa編集部

これまでに書いた記事:4287

沖縄の大人女子を応援します。

TOPへ戻る