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2019年2月28日更新

[イマドキ子育て・ダウン症]親だけでなく社会で育てる|泉川医師

ダウン症とはどんな病気か。子どもがダウン症だと分かったとき親はどう受け止め、周囲はどう関わったらいいのだろうか。名護療育医療センターの泉川良範院長に聞いた。

親だけでなく社会で育てる
ダウン症は21番目の染色体が一つ多い先天的な障がいです。筋力が弱く体も心も通常の倍の時間をかけてゆっくり育ちます。特徴的な顔かたちから診断されることが多いのですが、よく見るとみなさん個性的で親にも似ています。個人差は大きいのですが、大人になったときに7~9歳くらいの知能の方が多いです。心疾患のほか緑内障や白内障、難聴、老化が早くなる、などの合併症を伴うことがあります。

ダウン症の原因である過剰な染色体は母親の影響が8割、父親が2割です。子どもを産む女性は自分を責めることが多いのですが、必ずしもお母さんが原因ではありません。いずれにしても夫婦の二人三脚で捉えると良いですね。

ダウン症は、昔から世界中どこにでも約千人に一人の割合でいる普遍的なもの。一部染色体が過剰になるのは生殖システム上必然で、社会で受け入れるべきものです。ダウン症にならなかった残りの999組も、同じ環境にあることを理解してほしいです。これは自然現象とも言えます。発生は偶然的で、どこの家で生まれてもおかしくないし、たまたまあなたじゃなかっただけ。そのことをみなさんに知ってほしい。

一人で抱え込まないで

ダウン症のある子を授かった両親だけが育児負担を背負い込むのではなく、みんなでかわいがって育てていければいい。

ダウン症のある子がいる親には、一人で抱え込まないでほしい。ダウン症は原因のはっきりした知的障がいの中で最も多く、より良く適応するためのスキルを学ぶ療育や特別支援教育、就労支援などが充実しているので、悲観的になることはありません。ダウン症だと分かった瞬間はどうなることかと不安も大きいでしょうが、少し先を見通すことができれば不安や恐怖はしぼみます。経験者に話を聞いたり親の会に参加するのは、とても意味があることだと思います。

ダウン症のある子は乳幼児期には気を使いますが、学齢期に入ると病院に来る回数は減ります。合併症がなければ、一般的な子と同じように育てられますよ。ダウン症は治らないけれど、気負わずにそれぞれの家族らしく子どもを育てればいい。

周囲の方は、ダウン症に関心を持って温かく見守っていただきたいですね。世界ダウン症の日などのイベントはいい機会。特に幼少期に接すると自然に受け入れられるので、保育園や幼稚園でダウン症のある子も一緒に育つといいなぁと思います。


 

いずみかわ・よしのり。先天異常が専門。名護療育医療センター院長。医学博士
 

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編集/栄野川里奈子
『週刊ほーむぷらざ』第1648号 2019年2月28日掲載

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おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

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