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2017年6月29日更新

[彩職賢美]二胡講師 上地エリサさん|二胡で架け橋に

二本の弦を、馬の尾の毛を張った弓でこすって演奏する「二胡」。中国のバイオリンとも呼ばれる優美な音色の楽器だ。二胡の奏者で講師、ショップ店長の上地エリサさん(30)は「人の声に近いと言われ、多様な表現ができる楽器。文化を知ると、理解が深まります。二胡を通じて、中国との交流の架け橋になれたら」と明るく話す。

彩職賢美|文化を知ると理解が深まる|funokinawa
 

文化を知ると理解が深まる

「二胡姫」店長
二胡奏者、講師
上地エリサ 
さん


店長を務める「二胡姫」は、台湾や中国から輸入した二胡や、日本語の楽譜や教材をインターネットや店頭で販売している。扱う商品が豊富で、楽器選びや手入れの相談ができる店として、県内だけでなく、県外、国外から買い求める客も多いという。

「一度ハマると、とことん」という上地さん。本格的に二胡を始めたのは10年ほど前。県内、県外で先生について学んだ。日本語の教材や楽譜が少ない中、「お客さんの問い合わせに答えたい」と、県外のさまざまな楽器店や教室へも足を運び、指導法を参考にし、教材を集めて徹底的に読み込んだ。練習に夢中になるあまり1日5~6時間弾き続け、けんしょう炎になったことも。7年前からは本場台湾に通って学びを深め、現在では、二胡姫教室のほかにカルチャースクールでも講師を務める。

県内外で、演奏会も行っている。ピアノや三線など、異分野の楽器とも積極的にコラボレーション。中国音楽だけでなく、沖縄民謡、ジャズ、クラシックと、幅広く演奏する。二胡の音色は多様で、演奏会で奏でた“馬の鳴き声”は、観客から驚きの声が上がるほどリアル。「中国各地で劇が行われた際に用いられた伴奏楽器が基になったと言われています。各地の生活に密着した、鳥のさえずり、馬の鳴き声、女性の嘆き悲しむ声など、いろいろな音が表現されてきたんです」。

子どものころから、不思議と中国に興味を持ってきた。小学生で三国志や水滸伝にハマり、中学の教科書でモンゴル自治区の写真を見て、あこがれた。高校は中国語が学べる学校に進学し、言語に触れた。

二胡を始めたきっかけは、母が営むショップで二胡を扱い始めたこと。父は民族音楽家。小さなころから音楽に囲まれて育ち、ピアノやバイオリンなど楽器に親しんでいたが、「二胡は、これまでに演奏した楽器の中でも私に合っていた。出合えたのは、運命でした」。もともと、異国の民族楽器に興味を持っていた上地さん。「音楽の裏にある言葉や文化、歴史にひかれます」。

仕事で携わるようになり8年。「みんなで二胡を広めたい」と、精力的にチャレンジを続ける。当初は自身の生徒のみで小さな会場で行っていた発表会を、他のスクールと合同で開催。徐々に規模を広げ、3年前から南城市のシュガーホールを舞台に、昨年は出演者約80人、観客400人の演奏会となった。さらに、2年前からは石垣にも教室を開き、昨年は二胡の検定を受ける台湾ツアーも企画。「以前よりは知られているけれど、沖縄での歴史は浅く、ようやく根付いてきたところ。全体的にレベルを上げて、一つのジャンルとして確立したいですね」と力を込める。

演奏会やレッスンでは、楽曲の歴史や背景など、中国の文化を紹介する。うれしかったのは、生徒から「二胡を始めて、中国の印象が変わった」と言われたこと。「台湾や中国でその国の曲を一曲弾くと、すごく喜んでもらえるんですよ。文化を知ることで、相手への理解が深まると思うんです」。来年行う10回目の発表会は、台湾や県外からもゲストを呼び、二胡フェスティバルを開く予定だ。架け橋へ、また一歩踏み出す。


二胡サークル姫|funokinawa

「二胡サークル姫」

教室の生徒のほかに、県内各地で二胡を演奏する女性が集まった「二胡サークル姫」。毎月集まって練習し、発表会や演奏会などに出演している。おそろいの衣装も、楽しみの一つだという。2017年8月26日(土)、浦添市で親子コンサートを開く。0歳児から参加OK。
<問い合わせ>
二胡姫 098-885-3685


チャイナドレス|funokinawa

(上地さん提供)


衣装はチャイナドレス
衣装はチャイナドレス。オーダーやインターネットで購入していて、20着ほど持っている。演奏会では、ドレスに10センチのヒールの靴をはき、優雅に演奏をする。上地さんは「最初は大変だったけど、慣れました」と笑う。


シャーロックホームズ|funokinawa

(上地さん提供)


カフェやバー巡りが楽しみ
上地さんの休日の楽しみは、カフェやバーを巡ること。「那覇市内にあったシャーロックホームズというバーのマスターが面白くて、そこに通うようになってお酒のおいしさや楽しさを教えてもらいました」。



上地さんのハッピーの種

(上地さん提供)

Q.趣味は何ですか?
読書です。読んだり考えたりすることが好きです。愛読書は、ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎」。最近、中国のドラマにハマっていて、「宮廷女官若曦(ジャクギ)」の原作を、勉強がてら中国語で読んでいます。人間の文化や歴史、民族学的な分野に興味がありますね。


彩職賢美|二胡奏者の上地エリサ|funokinawa

PROFILE
上地エリサ(うえち・えりさ)
1986年那覇市出身。2005年那覇国際高校国際科卒業。アメリカに留学し、2007年エドモンズコミュニティーカレッジ卒業。帰沖後、二胡の講師を始める。2011年、二胡姫の店長に就任。二胡姫教室、ウエルカルチャースクール、石垣島教室など、各地で二胡の講師を務めるほか、県内外で演奏活動を行う。アルベルト城間やしゃかりのレコーディングにも参加。



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今までの彩職賢美 一覧


撮影/泉公(ララフィルム)・編集/栄野川里奈子
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1260>
第1563号 2017年6月29日掲載

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栄野川里奈子

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編集者
おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

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