血糖値と食欲を抑える「ダイエット薬」 生活習慣病専門の医師が教える理想的な使い方|健康チャレンジ!(67)|fun okinawa~ほーむぷらざ~

沖縄で暮らす・食べる
遊ぶ・キレイになる。
fun okinawa 〜ほーむぷらざ〜

沖縄の魅力|スマイリー矯正歯科

わたしらしく

健康

2025年10月16日更新

血糖値と食欲を抑える「ダイエット薬」 生活習慣病専門の医師が教える理想的な使い方|健康チャレンジ!(67)

医師の安谷屋徳章さんが、ダイエットの基本について話します。
文・安谷屋徳章

「やせ薬」の理想的な使い方

「GIP/GLP-1受容体作動薬」という薬をご存じでしょうか。この薬は約10年前から糖尿病治療に使われてきましたが、数年前にGIPとGLP-1の両方を刺激する薬が登場し、その第1号が「マンジャロ」とされています。GLP-1受容体作動薬は、血糖値を下げる効果に加えて食欲を抑える作用があり、その結果として体重が減少します。このためダイエット薬として注目を集めるようになりました。さらに、GIP/GLP-1受容体作動薬はGLP-1受容体作動薬よりも強力に血糖値の改善や食欲抑制をもたらすため、期待も一層高まっています。

しかし効果が強いことが裏目にでて、乱用が問題視されています。たとえば痩せ型の人がさらに痩せる目的で使えば、体力低下や健康障害を招く恐れがあります。

また肥満の人にとっても、薬をやめた途端に食欲が戻って体重がリバウンドする可能性があり、薬が切れた後にどう維持するのかが課題となります。実際に使用した人の感触では、「明らかに食欲が落ちて食べる量が減った」「水分の摂取さえも減った」との声がありました。もしこの“食欲が減った状態”を薬の効果が切れた後も続けられれば、リバウンドを防ぐことができるはずです。

そこで大切になるのが、薬を使っている間の生活習慣の改善です。食欲が増してしまう背景には、糖質過多・睡眠不足・飲酒といった習慣があります。薬が効いている間にこれらを見直せば、体重維持の土台を作ることができます。特に糖質やアルコールには中毒性があるため、この期間に離脱できれば今後の健康にも大きなプラス効果が期待できます。つまり、この薬は“痩せさせる魔法”ではなく、“生活改善の後押し”として使うのが理想なのです。薬を上手に利用し、効果があるうちに生活習慣を整えることでリバウンドを防ぎ、より健康的な体を維持できるのです。



あだにや・のりあき。糖尿病や生活習慣病の改善を専門とするゆいゆい内科クリニック院長。自身も糖質コントロールで20キロ痩せた。著書に「沖縄の医師が教える糖質コントロール健康法」など

↓画像をクリックすると、ゆいゆい内科クリニックのホームページに移動します

「健康チャレンジ」のバックナンバーはこちらから。


毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」健康チャレンジ!
第1992号 2025年10月16日紙面から掲載

この記事のキュレーター

スタッフ
funokinawa編集部

これまでに書いた記事:4802

沖縄の大人女子を応援します。

TOPへ戻る