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2025年5月1日更新
Q.株価急落、どう動く?|A.「長期目線」で焦らずに|マネーのヒント!⑭
2025年4月にトランプ大統領が相互関税・追加関税を発動したことで、日経平均株価やS&P500などの株価指数が値を下げていて、株価の急落に不安を感じた方も多いのではないでしょうか。
今回は運用資産の目減りを目の当たりにしてストレスを感じている投資初心者やNISA利用者に向け、株価が全体的に下がっている時に気を付けるポイントを解説します。

Q.株価急落、どう動く?
A.「長期目線」で焦らずに
2025年4月にトランプ大統領が相互関税・追加関税を発動したことで、日経平均株価やS&P500などの株価指数が値を下げていて、株価の急落に不安を感じた方も多いのではないでしょうか。
今回は運用資産の目減りを目の当たりにしてストレスを感じている投資初心者やNISA利用者に向け、株価が全体的に下がっている時に気を付けるポイントを解説します。

落ち着いて現状把握を
それでは、現在の状況を以前に紹介した投資信託「オルカン」(eMAXIS Slim 全世界株式)を例に見てみましょう。この投資信託は2018年の設定から成長を続けてきましたが、25年4月10日時点の基準価格は2万2305円で2024年2月の価格まで下落しています。そのために2024年以降にNISAでオルカンに積み立て投資をした人のほとんどが含み損を抱えている状況ですので、資産価値の減少に戸惑う方も多いでしょう。
とはいえ、落ち着いて考えてみましょう。株式市場は常に波があり、株価は上昇と下落を繰り返しています。過去を振り返るとバブル崩壊、金融危機、リーマンショック、コロナショックなど市場は何度も急落を経験しながら、再び回復して成長を続けてきたことは、25年分の日経平均株価の推移グラフ=上表=を見ても明らかです。過去の動向を理解して冷静になれば今回も短期的にはインパクトが大きくても、相場は再び回復に向かう可能性が高いので、「株が下がった=損」とは考えず、「株が下がった=未来へのチャンス」と捉えることが大事です。
長期目線で利益つかむ
「株価急落の今が買い時?」と考える方も多いと思います。しかし、今後の相場は不透明ですし、下落が続く可能性も残っています。このような時こそ「長期投資」と「積み立て投資」が重要です。一度に多額の資金を入れず、時間をかけてコツコツと投資を続ける。これが、リスクを抑えてリターンを狙う一番の近道です。
ポートフォリオを見直す
今回の市場下落で焦った人は資産バランスを見直しましょう。保有する金融商品の組み合わせを「ポートフォリオ」と呼びますが、多種類の資産を含むポートフォリオは資産全体の安定感が増すと言われています。しかし、近年はS&P500関連の投資信託や世界株式ファンドを推す情報が増えた影響で、極端に米国株式寄りに傾いているポートフォリオを持つ人が増えています。これを機にポートフォリオに含める資産の種類を見直して、目先の利益よりも全体の安定感を増していくような資産バランスを心掛ける事をお勧めします。
株価が大きく下がると、不安になるのは当然です。でも、大切なのは「一喜一憂し過ぎないこと」。相場の大幅下落はこれまでも何度もありましたし、長期的には回復していますので、これからも焦らず、コツコツと資産を積み上げていく姿勢が、最終的な勝者になる鍵だと思います。

おかだ・ゆり/ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業を経て沖縄へ。女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動
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『週刊ほ〜むぷらざ』マネーのヒント!⑭
第1968号 2025年5月1日掲載
この記事のキュレーター
- キュレーター
- 岡田有里
これまでに書いた記事:76
ファイナンシャルプランナー。ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業に就職し海外勤務を経験し、2000年に沖縄へ。「私の未来に安心を!」をテーマに、女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動。