美しく
2022年10月6日更新
[沖縄]Smileエイジング(7)|運動器カテーテル治療②
加齢とともに増えるトラブルや病気と上手に付き合い、健康管理しながら、笑顔で年齢を重ねたい方へ。最新医学に基づく統合医療、体調を整えるエクササイズやスポーツなどの専門家が堀基子さんと対談。毎回のテーマに合わせた簡単ヘルシーレシピも紹介します。今回も前回に続き、モヤモヤ血管による長引く痛みを改善する運動器カテーテル治療について。
極細カテーテルでモヤモヤ血管を直撃!
放射線診断・IVR専門医 佐久川貴行 さん (さくがわクリニック)写真左
さくがわ・たかゆき/放射線診断専門医。IVR(画像下治療)専門医。琉球大学医学部卒業後、県内外で様々なカテーテル治療に従事。その後、関東の運動器カテーテル治療専門クリニックでの勤務を経て、2021年9月、さくがわクリニックを開院。
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食 堀 基子 さん (野菜ソムリエ上級プロ)写真右
ほり・もとこ/野菜ソムリエ上級プロ、J Veganist、アンチエイジング・プランナー、ベジフルビューティーセルフアドバイザー、アスリートフードマイスター3級ほか。第6回・8回野菜ソムリエアワード銀賞受賞。
運動器カテーテル治療(2)
堀 前回は、肩や首、膝、手足などの関節や筋肉といった運動器に3カ月以上の長引く痛みがあり、レントゲンでも異常がなく、治療やリハビリでもなかなか改善しない方は、モヤモヤ血管という細い異常な新生血管の固まりが痛みの原因になっている場合があるというお話でした。そして、今回は、いよいよモヤモヤ血管を消す運動器カテーテル治療についてですね。
佐久川 カテーテル治療というと、心臓や脳の血管で行う治療というイメージがありませんか?
佐久川 負担が少ないので日帰り手術が可能なのです
堀 そうなんです! 足の付け根から細い管を入れて、患部の心臓や脳の血管まで管を通して治療するイメージがあります。それを肩や手足で行うというわけですね。
佐久川 モヤモヤ血管が見つかった部位まで、膝なら足の付け根、肩なら手首の動脈から、局所麻酔をしたうえで細くて柔らかいカテーテルという管を通し、薬剤を注入してモヤモヤ血管を消す治療を行います。治療にかかる時間は、止血も含めて片方の肩なら45分、両肩なら1時間半ほどです。これが実際に使うカテーテルなんですが、直径0.6ミリしかありませんので、カテーテルを通すための傷もとても小さく、治療後は止血して傷口にばんそうこうを貼り、その日のうちに帰宅できます。
堀 こんなに細いんですか! だから体に負担が少なく、日帰り手術なのですね。治療後はすぐに痛みが改善しますか?
佐久川 個人差はありますが、モヤモヤ血管が消えて、痛みが軽減するまで少し時間がかかります。痛みの部位にもよりますが、数週間はかかることが多いです。
堀 それでも長引いていた痛みが軽減されたらうれしいですよね。ちなみに初回の診察からの流れは?
佐久川 まずは問診と診察、超音波検査などを行います。そしてモヤモヤ血管が痛みの原因であると診断できたら、カテーテル治療を実施します。治療後は1カ月ごとに3回、その後の経過を診察します。
堀 私も肩や膝の故障がなかなか治らず、悩んでいた時期があるので、カテーテル治療を知っていたら、受けていたかも。私の周囲にも肩や膝の長引く痛みで困っている方は少なくないですよ。
佐久川 まずはモヤモヤ血管があるかどうか、確認してみるといいと思います。
堀 血管新生を防ぐ食材を組み合わせてみました
堀 ところで血管の新生を防ぐ食材について調べてみたら、前回のウコンだけではなく、茶カテキン、大豆ポリフェノール、昆布などに含まれるフコキサンチンという色素成分などにも、その効果が期待できるそう。そこで今回のレシピは、カテキン豊富な緑茶を炊き込みご飯にして、大豆ポリフェノールたっぷりの枝豆を混ぜ込み、塩昆布を添えました。
佐久川 これは手軽でおいしそうですね! では、次回は症状別の治療法についてお話しします。
さくがわクリニック
電話 098-877-5577
浦添市前田 1-11-1 1F
「緑茶のカテキンに注目」
血管新生を防ぐ(2) 緑茶の炊き込みご飯
●材料(2人分)
米1合、緑茶大さじ1、塩小さじ1/2、枝豆50g、塩昆布適宜
●作り方
(1)厚めの食品用ポリ袋に緑茶を入れ、袋の上から包丁の刃を押し当て、茶葉を細かく切る。包丁を前後に動かすとポリ袋が切れてしまうので要注意。
(2)炊飯器の釜に研いだ米を入れ、1合の目盛りに合わせて水を注ぎ、塩と(1)の茶葉を入れてかき混ぜ、30分ほど浸しておいてから炊飯スイッチを入れる。
(3)炊き上がったら、ゆでてさやから取り出した枝豆を加えて混ぜ、茶わんに盛り、塩昆布を添える。
「Smileエイジング」記事一覧
『週刊ほ〜むぷらざ』Smileエイジング(7)
第1835号 2022年10月6日掲載