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2022年10月6日更新

[沖縄]10月は乳がん月間|治療には“人情予金”を

【治療とキャリアの両立】

治療には“人情予金”を

9人に1人が罹患すると言われる一方、早期発見すればほとんど治すことができるのが乳がんだ。早期に発見し、治療とキャリアを両立させるために大事なことは何か? 乳腺科・甲状腺科「マンマ家クリニック」の久高学院長に話を聞いた。


久高学さん
乳腺科・甲状腺科。医療法人幸正会「マンマ家クリニック」院長

 沖縄はワースト2位
早期発見・治療がカギ 


―沖縄の現状は?

厚生労働省によると、上皮内がんを含む乳がんの罹患率は9人に1人の割合となっており、沖縄は全国ワースト2位。

増加原因の一つがライフスタイルの変化。特に、高脂肪食を好む食生活、肥満や閉経後の人は罹患リスクが高くなります。

一方で乳がんは、2㌢以下の1期で見つかった場合、5年後生存率は98%、10年後生存率も95%と、早期発見であれば、ほとんど治すことができるのです。

 乳がん年齢調整罹患率の推移(上皮内がんを含む、女性) 

上皮内がんを含む乳がんの罹患数は全国で11万人。乳がん年齢調整罹患率(※)は全国が115であるのに対し、沖縄は128.6と高く、東京に次いでワースト2位。他府県に比べても上昇傾向が強い
参考資料:厚生労働省全国がん登録罹患数・率報告
※)各都道府県の人口・年齢構成の差異を除くため、一定の基準人口に当てはめて算出した指標



―予防するには?

乳がん予防は、どうやったら乳がんにならないようにするかという1次予防と、どうやれば乳がんで命を落とさないかの2次予防があり、罹患率の高い今の時代は2次予防が大事。早期発見、早期治療のためにも検診が必要です。


―どんな検査があるの?

乳がん検査にはエコー検査とマンモグラフィー検査がありますが、しこりや腫瘍を見つけるのはエコーが得意で、マンモグラフィーは0期の石灰化した小さながんを探すのに適しているなど、どちらの検査も得手不得手があるため、両方を受けてほしい。乳がんは、経過が相談できる専門医に診てもらうのが必要です。乳腺科のある医院を受診して、乳がんのかかりつけ医を持ってください。


仕事やイベントに合わせ
治療スケジュールも配慮


―治療と仕事を両立するには?

大事なのは「人情予金」。人=相談できる人。情=働き続けるための制度や役立つグッズやサービスなどの情報。予=予防、特に命を落とさないための2次予防。金=お金の心配を軽減する保険など。

治療中に参加したいイベントなどがあれば、あきらめずに医師に相談してみましょう。抗がん剤を投与する日を逆算して決めることもできます。病院では、ウィッグ、補正下着、ストッキング、ネイル、患者会といった闘病に役立つさまざまな情報を得ることができます。最近は患者の職場の上司が一緒に来て働き方についての相談を受けたりと、治療と仕事の両立支援に対する意識の変化を感じることがあります。

乳がん治療はホルモン治療を10年続けることもあり、治療が長い分、お金も掛かります。十分な貯蓄が難しい若い世代が乳がんに罹患することも多いため、治療費を補てんする保険に入るなど、どう備えるかも大切だと思います。

気になることがあれば、信頼できるかかりつけ医に相談すること。完治に向けて医療者と患者がチームとなり歩むことが大切です。

 両立に役立つグッズ&サービス 

ウィッグ

補正下着

爪に優しい素材のネイル

患者会

外見のケアについての悩みを持つ乳がん患者にオススメのグッズやサービス。マンマ家クリニックでは、乳房再建手術は他院を紹介している他、ウィッグや帽子、補正下着、ストッキング、ネイルといったグッズの相談や情報提供に看護師など女性スタッフが対応。また、患者会にもつなげ、患者同士の交流の場も提供している。



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『週刊ほ〜むぷらざ』10月は乳がん月間 「治療とキャリアの両立」
​取材:赤嶺初美(ライター)

第1835号 2022年10月6日掲載

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