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2022年9月8日更新

[沖縄・マネー術]成年年齢が18歳に引き下げ|女性のイマドキ!マネー術[42]

文・岡田有里(ファイナンシャルプランナー)

成年年齢が18歳に引き下げ

親も子も十分な金融知識を

今年4月、成年年齢が18歳に引き下げられ、クレジットカード、高額な買い物のローン、賃貸住宅の契約などが保護者の同意なしでできるようになりました。同じく4月から高校での金融教育が必修となり、大人も十分な金融知識を身に付けて、家庭内でお金を通じて社会の仕組みや生活に必要な知識、判断力を養う教育をする必要性が高まっています。

今回は、投資や借金に伴う「金利」にスポットを当て、「72の法則」を使って金利によってお金が増えるスピードを検証してみましょう。

まずは質問です。

Q.借金100万円と投資運用100万円。金利が同じ場合、どちらが先に2倍になる?

この質問を筆者の周りにすると、「借金は雪だるま式に膨らむ」というイメージから、借金が先に2倍になると答えた人が過半数でした。ちなみに、正解は「2倍になる速さは同じ」です。意外かもしれませんが、同じ金利だと借金と投資は同じスピードで2倍になるのです。では、2倍になるまでにどのくらいの年数がかかるのでしょうか。簡単に計算できる「72の法則」をご紹介しましょう。

72の法則って?

元金を固定金利で運用して2倍になるのに必要な年数が分かる便利な計算方法が「72の法則」です。「72÷金利=2倍になるまでの年数」が分かります=右上図。答えの年数は、利子に利子が付く複利計算を前提で、正確な年数ではなく近似値です。

例えば、現在のゆうちょ銀行の普通預金金利は0.001%なので、預金100万円が200万円になるのは7万2000年後という計算です(72÷0.001=72000)。この計算から分かる通り、普通預金でお金を2倍にするのは不可能に近く、今後の資産形成は貯金だけに頼らずに投資運用と組み合わせた貯蓄計画が必要だと理解できるでしょう。

ここで注意してほしいのは、72の法則はまとまった資金を固定金利で複利運用する際の計算方法なので、積立型の投資資産(少しずつ元本を増やすつみたてNISAなど)には、適応できません。

例えば100万円を4%で複利運用すると72÷4=18の計算により200万円になるのは約18年後です。それに対して、つみたてNISAで100万円分を18年分割で4630円/月ずつ平均利回り4%で積立投資をした場合、18年後の運用予想額(※)は約150万円と2倍に届かないことが分かります(積立総額=4630円×18年間=100万80円)。

※運用予想は変動リスクを伴うため予想される数値であり確定ではありません。

高金利で借金すると

借金は元金に利子がかかるので、72の法則が適用できます。身近な借金の一つであるクレジットカードを例に見てみましょう。一般的なカードのキャッシング金利は15%前後です。これで100万円をキャッシングすると約4.8年後に200万円の借金に膨れます。(72÷15=4.8)ちなみに、リボルビング払いの利用手数料も約15~18%と非常に高い設定になっていますので、借金をしているつもりがなくてもリボ払いで買い物をすると高金利の借金をしているのと同じことだと理解しましょう。

成年年齢が下がり、社会経験がない18歳の若者が自分でクレジットカードを作りリボ払いができる世の中です。筆者も若いころは欲しい物、行きたい所と若さゆえの高い好奇心で満ちていました。ただ、あのころの18歳は現金決済のみでしたので自分で支払えない高額商品を買う手段がありませんでした。一方、現代は18歳で契約したカードのリボ払いで、簡単に買えてしまいます。

欲しい物、行きたい所への好奇心で満ちている若者を守るには家庭と学校教育が連携して正しい金融知識と社会の仕組みを教え、お金に関して適切な判断ができる能力を高めることが必要です。筆者を含めて大人世代こそ、金融知識を身に付けることが急務だと考えます。

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おかだ・ゆり
おかだ・ゆり/ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業を経て沖縄へ。女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動
『週刊ほ〜むぷらざ』女性のイマドキ!マネー術
第1831号 2022年9月8日掲載

この記事のキュレーター

キュレーター
岡田有里

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ファイナンシャルプランナー。ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業に就職し海外勤務を経験し、2000年に沖縄へ。「私の未来に安心を!」をテーマに、女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動。

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