美しく
2022年7月21日更新
[沖縄]話そう!女性のカラダのコト⑮|子宮筋腫
女性のヘルスケアについて、婦人科ドクターの高宮城直子さんと、友人の医学博士、エリセーバ・オリガさんが、女子会トークでレクチャー。今月は「子宮筋腫」について、お二人の経験談とあわせて紹介します。
子宮筋腫症状があれば婦人科で相談を
直子 子宮は赤ちゃんや月経血を押し出すため、平滑筋という筋肉でできている。その子宮筋層にできたこぶのような良性の腫瘍が「子宮筋腫」。できた場所や大きさによって症状はさまざまで、例えば月経時の経血がかなり増える過多月経、それによる貧血、月経痛など。おなかを触ると腫瘍が分かるほど大きくなる人もいる。
オリガ 良性だし、妊娠も出産もできるからそんなに神経質にならなくていいけど、見つけたらみんなすごく気にするよね。
直子 子宮頸がんは自覚症状が出たら進行してる。早期発見かワクチンを
オリガ 検査・検診は人任せにしないで。自分に何が必要か自分で把握して
直子 私が医者になりたてのころ、ひと世代上の女性たちは筋腫が見つかると「子宮取りますか?」と言われてたから、筋腫=大ごとだった。今は急に大きくなったり重度の貧血にならない限り、手術で子宮や筋腫を取るのは少なくなってる。
オリガ 外国は筋腫だけ取るのが普通。最近は内視鏡での手術もあるから体への負担も軽くなってるよね。
私は20代の時に検診で子宮筋腫が見つかった。30代後半にはかなり大きくなって出血量も貧血もひどくて。足の裏まで血が流れ出てお産時のパットを使わないといけないくらい。38歳の時、筋腫を取る手術をした。
術後、3人目の子を妊娠・出産。その後も少しずつ大きくなってる。私はできやすい体質だね。
直子 子宮筋腫があるかどうかは超音波検査で分かる。検診で見つけたり、症状があって検査したり、妊婦のようにお腹が大きくなって受診する人もいる。手術で取ったり薬で小さくしても、また大きくなる人もいる。
オリガ 私も45歳ごろには10㌢になったので、心臓カテーテルで筋腫につながる血管を詰まらせる「子宮動脈塞栓術」を検討したことがある。閉経間近だったから結局やらなかったけどね。
子宮筋腫は、小さい時はどうもないけどできた場所や大きさによって出血量がすごく増えて貧血になるし、夜も頻尿で何度も起きる。手術をしたら改善される。
直子 治療法は子宮を全摘する、筋腫だけ取る、子宮動脈塞栓術がある。最近は手術せずに出血量や月経痛をコントロールするため、治療用の内服薬や注射、低容量ピル、IUS(※1)などを使うこともあるけど、これらは保存的治療(※2)で筋腫がなくなるわけじゃない。筋腫は女性ホルモンの影響で大きくなるから、女性ホルモンがほとんど無くなる閉経後は小さくなり問題なくなる人がほとんど。
オリガ HRT(※3)を使ってるとそうでもない。私自身は最近HRTを使う量が減り筋腫も小さくなった。
直子 子宮筋腫はよくある良性疾患で症状がなければさほど心配しなくてもいい。出血、貧血、頻尿など症状があるなら、早めに婦人科に相談してコントロールを!
※1)子宮内黄体ホルモン放出システム。子宮内に装着する。筋腫の位置によっては使えない。
※2)手術以外の治療法。
※3)ホルモン補充療法
たかみやぎなおこ/Naoko女性クリニック院長。Naoko美と健康のサロン代表。1961年、長崎県生まれ。佐賀医大(現佐賀大医学部)卒業後、87年に来県。琉大医学部附属病院や県内の公立、個人病院等で産婦人科医として勤務後、開業。1女2男の母。産婦人科専門医、女性ヘルスケア専門医、更年期に関するメノポーズカウンセラー
えりせーばおりが/沖縄科学技術大学院大学(OIST)アクセラレーター プロジェクトリーダー。1971年ベラルーシ出身。同国立医科大学卒業後、国立血液研究所医師をへて96年来日。大阪大学医学博士課程修了後、OIST、理化学研究所で癌免疫研究。自身の更年期を機に女性の健康課題に取り組むHerLifeLab㈱設立
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『週刊ほ〜むぷらざ』話そう! 女性のカラダのコト
『週刊ほ〜むぷらざ』話そう! 女性のカラダのコト⑮
第1824号 2022年7月21日掲載