彩職賢美
2021年2月11日更新
[彩職賢美]ウオーキングインストラクターの屋良充佑紀(みゆき)さん|「美しく健康」目指す ウオーキング指導
モデルウオーキングは体幹を鍛え、基礎代謝をアップさせるので、太りにくくなり、肩こり、腰痛、便秘、猫背の改善、転倒防止などいいことがたくさん! 80代になってもハイヒールを履いて歩く、そんな女性を沖縄で増やすのが私の目標です。
80代でもハイヒールでかっこよく
ウオーキングインストラクター
屋良 充佑紀 さん
正しい姿勢、歩き方で
体幹を強化しキレイに
その美しさに思わず息をのんだ。見た目のことだけではない。撮影時にカメラに向かい表情を作るとき、レッスンで生徒に正しい姿勢や歩き方を示すとき。彼女の積み重ねてきた研究と努力が自身を輝かせているのだと気付く。
モデル、ウオーキングインストラクターとして活躍する屋良充佑紀(みゆき)さんは、沖縄市のTriangle studio lounge(トライアングル・スタジオラウンジ)をはじめ、フリーでもウオーキングレッスンを行う。
「正しい姿勢で正しく歩くと、体幹が鍛えられるので基礎代謝が上がり太りにくくなるんです。スタイルアップや肩こり、腰痛、便秘、猫背の改善になり、転倒防止にもなる。練習すれば高齢者でもハイヒールで歩けるようになります。そんな元気な女性を沖縄に増やしたいんです」
目標を語る屋良さんの瞳がキラキラと輝く。
自身の経験は「モデルだけが必要なものではない」と言い切る。屋良さんのレッスンを受けるのは、5歳から80代まで老若男女を問わず幅広い。モデルを目指す若者やビューティーコンテストの出場者もいるが、ほとんどが一般人。「ピンヒールでかっこよく歩けるようになりたい」「猫背を直したい」「健康づくりで」ときっかけはさまざまだ。
「X脚が悩み。40代に入って姿勢がどんどん崩れ、このままじゃいけないと思った」と話す女性は、レッスンに通って約1カ月。「正しい姿勢や歩き方を教わり、日常生活でも意識するようになった。体幹と太ももの内側の筋肉が鍛えられ、脚の形も変化してきている。苦手だったハイヒールを履いておしゃれを楽しみたい」と笑顔を見せる。
他にも、姿勢が良くなった、肩がこらなくなった、40代で身長が伸びた、変化に気付いた会社の同僚が一緒に通うようになったなど、うれしい報告が次々と届く。
リウマチによる足の痛みがあった女性の場合は、靴にインソールを入れ、重心の掛け方や脚の運び方を指導。本人が自信を持って歩けるまでになった。「変化を実感すると生徒の表情がパッと輝く。それを見るのが本当にうれしくて、やりがいなんです」。屋良さんの声が弾む。
レッスンは柔軟体操が多く、鏡を見ながら行うので、目線が上がり、美しさを意識することで気持ちも前向きになるなど心理面への作用もあると話す。「身体的、心理的な悩みや障害があっても、誰でも、姿勢や歩き方から体と心に良い変化を与えることができる」と力強い。
ファッションショーの演出も行っており、昨年2月に関わった「罪と罰」(社会福祉法人楓葉(ふよう)の会主催)が今後を考える大きな経験になった。「障がい、ジェンダー、国籍などを超え、自分の好きな服を着て自分を表現する企画。知的障がいのある子どもたちが生き生きとした表情で楽しんでいた」と振り返る。同イベントを企画した島(しま)粒希(りゅうき)さんは、「障がい者に限らず、意思決定を制約される人は多い。自分を表現することの大切さを改めて感じた」と話し、ウオーキングの技術を習得して今後につなげたいと、男性ながら屋良さんのレッスンに通っている。
屋良さんは今後も、トランスジェンダーのクラス設置や知的障がい者への指導など「表現する場を創造したい」と語り、沖縄における女性の活躍の発信や、高齢者向けの指導など、積極的な社会貢献も目指す。
憧れの屋良さんを目指しレッスンに励む最年少生徒の大城華七さん(5)は屋良さんを「プリンセス」と呼ぶ。人々に自信と笑顔を与える美の後継者が既に誕生しているようだ。
屋良さんのプチレッスン! 正しいウオーキングで美しく
街中でウオーキングしている人を見て、「もったいないと思うことがよくある」と屋良さん。「正しい姿勢で歩くと体幹が鍛えられ、基礎代謝がアップ。太りにくくなります。バストやヒップが上がりウエストが引き締まるなどスタイルが良くなり、若々しい印象に。血行も良くなるので、肩こり、腰痛、不眠の解消にも。気持ちも前向きになります」とアドバイスする。
悪い姿勢 正しい姿勢
■悪い姿勢
膝が曲がり、骨盤が前傾し、猫背。あごが前に出ている。元気や自信がないように見え、印象も悪い。下記のような体調不良も。
・血行不良で代謝が下がり、太りやすくなる
・呼吸が浅く、内臓が圧迫され心肺や消化機能が低下
・肩こり、腰痛、頭痛、便秘、不眠症、肌荒れ、くすみ、 シミ、たるみ
・集中力の低下
■正しい姿勢
横から見ると、耳、肩、脚の付け根、くるぶしが一直線。
正しいウオーキング
①まずは正しい姿勢を作る。壁に背中とかかとをくっつけて立ち、両手を組んで背伸びをし、体の横に腕をストンと下ろす。
②頭の頂点が天井から引っ張られているように意識する。
③正しい姿勢をキープしたまま、一歩を前に踏み出す。
国内外で活躍する女性を応援
ミスやミセスコンテスト公認のウオーキングインストラクターとして多くの出場者をサポートしてきた。昨年11月開催の「ミセス・オブ・ザ・イヤー2020日本大会」では、指導したヤング祐佳さん(39・下写真から2人目)がビューティー部門でグランプリ、糸数千恵子さん(86・右から3人目)がエージレスビューティー賞を受賞し、共に喜んだ。「県外、世界へ活躍する女性を応援したい」と屋良さん。その一つとして、着付けの技術が不要な着物の代理店業を始める予定だ。「洗濯機で洗えるので、海外でも着物でパーティーに参加できる」と意気込む。
コンテストの受賞者と一緒に笑顔を見せる屋良さん(右端)
プロフィル
やら・みゆき
宜野湾市出身。1994年、宜野湾ミスはごろも。モデル活動開始。2006年からウオーキングインストラクター。現在、Triangle studio and loungeやフリーでウオーキングを指導。ファッションショーの演出、県内企業研修で立ち居振る舞いの講師も務める。昨年、国際女性財団日本支部の副会長に就任。3人の子の母。
[今までの彩職賢美 一覧]
撮影/比嘉秀明 文/赤嶺初美(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美<1376>
第1749号 2021年2月11日掲載