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2025年5月15日更新

介護リテラシーを高める|突然の事態に備え 不安軽減|つらくない介護を⑬

在宅介護は、目の前の生活を乗り切ることに精いっぱいとなりがちだ。介護人材の育成に携わる中松光さんは「情報や知識が不足したまま、手探りで介護に臨むのではなく、介護リテラシーを高めることが介護の負担軽減につながる」と語る。



介護リテラシーを高める
突然の事態に備え 不安軽減

在宅介護は、目の前の生活を乗り切ることに精いっぱいとなりがちだ。介護人材の育成に携わる中松光さんは「情報や知識が不足したまま、手探りで介護に臨むのではなく、介護リテラシーを高めることが介護の負担軽減につながる」と語る。


情報を探しに行く
制度や知識の把握を


中松光さん
「となりのカイゴ屋さん ココカラハピネス」代表。フリーの介護講師として活躍。おきなわ仕事と介護両立サポート協同組合理事


-中松さんが大切にする「介護リテラシー」とは?

介護に関する情報や制度、福祉用具、技術などを理解し、必要に応じて使いこなせる力です。介護は突然始まることが多く、戸惑いながら手探りで介護する人が少なくありません。例えば、行政による介護初心者向けの講座や、在宅でも取り入れやすい福祉用具、介護ロボットなどがあることを知っていれば、「こんな方法があった」と気づける場面もあります。選択肢を持つことで、介護の負担や不安はぐっと軽くなるんです。

-情報が届きにくいのは、どのような背景があるのか?

介護について「誰に聞けばいいかわからない」と感じる人は多いです。相談先にたどり着けず、1人で抱えてしまう。地域包括支援センターのような身近な相談窓口を活用してほしいと思いますが、それが難しい場合は、動画サイトや書籍などで紹介される介護情報もおすすめ。リアルな経験を伝えているものが多く、参考になります。

また、沖縄県社会福祉協議会で毎年開催され、私も携わっている「はじめての介護講座」でも、「こんな基本的なことを知らなかった」と驚かれることが多いです。知らないで困る前に、“知ろうとする”こと。それが、介護の準備につながります。

-介護者自身の心と体のケアも重要ですね。

介護リテラシーには「自分を知り、ケアする視点」も含まれています。介護者が健康でいなければ、介護は続けられません。必要に応じてサービスを使うことは甘えではなく、必要な手段です。

以前、勤めていた介護施設に、ある高齢者が「将来に備え、施設とはどんなところか見てみたい」と自転車で訪れました。数年後、実際に介護認定を受け、通所リハビリや訪問介護、訪問看護も利用しながらみとりまで行ったんです。自分の足で施設を探す姿勢にすごく感銘を受けました。自分が何をしているときが楽しいか、しんどいかを考えるのはとても大切です。すべて将来につながりますから。

介護の備えはいつから始めるべきかという質問には「今です」と答えています。将来、施設入居も考えるなら、地域にどんな施設があるか、どんな介護が受けられるか、みとりも可能か、実際に足を運んだり、ボランティアで関わったりすると、施設や介護のことがよく見えます。

-介護リテラシーが高まると、どんな変化があるか?

サービスを選ぶ目が養われます。施設入居時の説明書類や契約内容の確認など、納得して選択する力がつく。「終末期にどういうケアが受けられるのか」といった深い部分まで情報収集できれば、家族の希望に沿った介護ができる可能性も広がります。

日ごろから介護に触れること。重く捉えず、明るく楽しく関心を持つことが大切です。介護リテラシーを高めることは、未来の自分と家族を守る備えになります。

7月から沖縄県介護実習・普及センターの「はじめての介護講座」が始まり、私も講義を担当します。介護リテラシーを高める一歩として、ぜひ参加してほしいです。


 介護講座の講師 1500回以上​ 

これまでに1500回以上、介護従事者や一般向けの介護講座で講師を務めてきた中松さん。伊平屋村や北大東村で定期開催されている健康教室でも講師を担当。体操指導や介護に関する講話を行っている=写真は北大東村での様子(中松さん提供)。また、7月から開催される沖縄県社会福祉協議会の介護実習・普及センター主催の「はじめての介護講座」でも一部、講師を担当する。
 
取材/赤嶺初美(ライター)
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1970号 2025年5月15日紙面から掲載」

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