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2025年2月6日更新

119番、心肺蘇生、AED!|身近な病気もっと知ろう 家族の医学手帳(128)

家族の健康が気がかりな「ほーむさん」が専門のドクターを訪ね、気になる病気について聞くこのコーナー。前回に続き今回も小児救急にスポットを当て、沖縄県立南部医療センター・こども医療センター小児集中治療科部長の藤原直樹先生に話を聞きます。

小児救急②

119番、心肺蘇生、AED!

勇気を持って心臓マッサージを

6歳以上なら大人用AEDも

Q1 子どもの心肺蘇生の方法は?

「大丈夫?」と声をかけ、反応がなければ救急車を呼び、周囲に人がいればAEDを持ってきてもらいます。10秒ほど胸と腹の動きをよく観察し、動きがなければ心停止と判断して直ちに心臓マッサージを開始します。

心臓マッサージは、1分間に100~120回のテンポ(目安はアンパンマンのマーチ)で、胸の厚さの3分の1ほどが沈むのを目安に、胸の真ん中を強く絶え間なく押します。1歳未満の乳児は両乳首の真ん中よりやや下を指2本で押します。1歳以上のお子さんでは胸の真ん中を片手で、体格が大きければ成人同様に両手で押します。目を覚ましたり体動が出てきたら心臓マッサージを中止しますが、そうでなければ救急隊が到着するまで続けます。

さらに子どもの場合は、鼻をつまみ、あごを引き寄せ、口対口の人工呼吸を行うことも大切。救助者が1人の場合は心臓マッサージ30回に対して2回の人工呼吸を、救助者2人の場合には15回に対して2回の人工呼吸を行います。

 

Q2 子どものAEDは?

AED(自動体外式除細動器)は、心臓のけいれん(心室細動)の際に心臓に電気ショックを与え、異常な心臓のリズムを止める機械です。

大人では心筋梗塞などでよくみられることですが、子どもは呼吸やショック状態からくる心停止が一般的で、AEDが必要になる状態は実は多くはありません。しかし、もともと心臓の病気があったり、ボールが強く胸にあたって生じる心臓振とうなどで心臓のけいれんを起こすことがあり、倒れたお子さんを見た際には心臓マッサージに加えてAEDを装着する必要があります。公共施設や学校、コンビニなどにはほぼAEDが備えられています。6歳以上なら大人用を使っても問題ありませんが、6歳未満の場合は、あれば小児用を、なければ大人用を使ってください。
 

Q3 救急車を呼ぶ目安は?

意識がない、呼吸していない、呼吸が止まる、チアノーゼがある(唇や手足の色が青白い)、けがなどで出血がひどい、けいれんが止まらないといった状態であれば、迷わず119番してください。

次回は、子どもの誤嚥(ごえん)と誤飲について聞きます。

藤原直樹さん/県立南部医療センター・こども医療センター 小児集中治療科部長

ふじわら・なおき/三重大学医学部卒。静岡県立こども病院小児集中治療室(PICU)勤務を経て2011年より現職。小児科専門医・指導医、集中治療専門医、小児救急医学会代議員、PALS(小児二次救命処置講習)インストラクター。モットーは「最善を尽くしたい」。

沖縄県立南部医療センター・こども医療センター
電話=098-888-0123(代)
南風原町字新川118-1


文・堀基子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』 家族の医学手帳<128>
第1956号 2025年2月6日掲載

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