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2018年11月22日更新

[イマドキ子育て]子どもに「スマホ」持たせてる?

子どもスマホ(スマートフォン)を持たせていますか? 最近、スマホやネットで、子どもたちの生活習慣の乱れや疲れ、学力の低下が問題になっているという。上手な付き合い方を、家族で考えよう。

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長時間で学力低下 親子で向き合おう
沖縄市立教育研究所ネットいじめ防止対策推進員の高宮城修さんは、県内各校でスマホやネットについて講演している。「子どもにとってスマホやテレビなどのデジタル機器の長時間利用はリスクがあり、1日1時間以内が理想。少しずつでも短くしてほしい」と提案する。


男子はゲーム、女子はSNS
ネットやテレビ1時間以内に
3人の子の母親のOさん(51)。末っ子の次男(中1)にスマホを持たせるのを、ためらっている。「高校入学時にスマホを持ち始めた長男、長女は生活がスマホ中心になっている。持たせるとハマりそうで心配」と話す。

中1の娘がいるYさん(39)は、娘にスマホを持たせず、自分のものを使わせている。「ラインのやり取りで気分の浮き沈みが激しく、使いこなせるようになるまで、持たせられない。周りはみんな持たせていて、考え過ぎかなとも思うけれど」と、悩んでいる。娘は「今すぐ自分のがほしい!」という。

スマホの普及に伴い、所有は低年齢化。スマホは、親子間の連絡や友だちとのコミュニケーション、情報収集にも便利だ。

一方で、各学校でネットやスマホの講演会をしている高宮城さんは、「スマホやネット、テレビを含むデジタル機器の長時間の利用には、リスクがある」と注意を促す。最近、急増しているのが、長時間の使用による生活習慣の乱れや心身の疲れ、学力低下、だという。エスカレートすると登校を渋り、不登校になったり、依存症になり、止めた親に暴力をふるうケースも。

寂しさから依存
「子どものネットリスク教育研究会が、デジタル機器の長時間使用により、子どもの脳の一部に機能低下が生じることを立証。習慣化すると、学習効果が消える脳に変わる恐れがある、とも。乳幼児への影響はより強く、言葉の発達が遅れる可能性が指摘されている」という。「2歳まではデジタル機器の利用は控え、小中高生は1日1時間以内を心がけることが理想です。難しい場合は、30分単位で短くするなど頑張ってみてほしい」。

講演会で、「1時間を意識して」と伝えた子どもたちから、後日、「ゲームを1時間にするように頑張っている」という声をよく聞くという。「うちの子には無理と言う保護者は多いけれど、子どもたち自身、やり過ぎじゃないかと不安に思っている。ちゃんと理由を話すと、コントロールできる子は多いですよ」。

ネット依存が疑われる中高生が全国に約93万人、という推計を8月に厚生労働省の研究班が発表した(中学生は全体の12.4%、高校生は16%)。ネットのし過ぎでの問題は、授業中の居眠りや成績低下が多かった。

発表によると、男子はゲーム、女子はSNSにはまりがち。高宮城さんによると、男子はオンラインで仲間ができ、褒められたり、頼られてのめり込む。女子はSNSで気にかけてもらい、承認欲求が満たされる傾向があるという。「現実逃避や寂しさから、すぐ反応が来るスマホやネットに依存する子は多い。根本に、満たされない思いがある」。

では、親はどうしたらいいのだろう。

 

 


親が見本に アプリの管理を
スマホとうまく付き合うには、どうしたらいいか。高宮城さんは「目的をはっきりさせて、利用時間を決める。アプリの管理は親の責任です」という。

目的が連絡を取るためなら、キッズ携帯という選択肢も。スマホが必要なら、どのアプリを利用したいのか、それが子どもの年齢に適したものかを親が選ぶ必要があるという。

また、練習期間を設けることも勧める。「簡単に与えず、正しい使い方ができるまでは親のもので練習を。ネットいじめやトラブルに巻き込まれにくく、コメントの送信時間や回数、利用マナーなども学べます」。

スマホを持つ際は、生活習慣が乱れないように利用時間などのルールを決めよう。気を付けたいのが、スマホ中心にせず、家族団らんや勉強などを優先させること。一方的な禁止でなく、なぜそうするか、話し合って決めること。親にもペナルティーを課す。「子どもは、親を見ている。できるだけ、子どもが起きている間は親もスマホを制限し、子どもの目を見て、コミュニケーションを取って」。


加害者になりうる
県内で、SNSによる18歳未満の子どもの性犯罪被害件数は増加傾向に。県警察本部の島雅孝少年事件指導官は「わいせつな行いをされたり、その画像を撮影されたケースが増えている」と話す。意外なのが、性被害のうち、ほとんどが強制的ではないこと。「子どもたちの寂しさ、未熟さにつけこみ、SNSで信頼関係を築いて犯罪に及ぶ。被害者は見た目にはごく普通の子たちで、昔よりも見えづらくなっている」。

わが子を守るには、サイトを制限できる「フィルタリング機能」が基本だが、それだけでは十分でない。回線無しのスマホやタブレット端末は、フリーWi‐Fiでネットにつながり、フィルタリングはかけられない。アプリによってもリスクは異なる。

怖いのは、被害者だけでなく、加害者にもなる可能性もあること。例えば、ラインやSNSなどネット上で悪口を書くと、名誉毀損などに。承認を得ずに写真をネットに上げて民事裁判になったケースもあるそう。

「保護者も先生も知識が不足し、子どものスマホ事情についていけていない。すぐにネットにつながることのリスクを知り、関心を持ってほしい」と注意を呼びかけた。
 

県内の18歳未満のSNSでの性犯罪被害数

 


子どもたちの困りごとや悩みは、県警の「ヤング・テレフォンコーナー」へ。少年や保護者の相談を受け付けている。
電話0120‐276‐556、098‐862‐0111




たかみやぎ・おさむ
沖縄市立教育研究所ネットいじめ防止対策推進員。
takamiyagi@npo-cbp.org

 


『週刊ほーむぷらざ』第1635号 2018年11月22日掲載

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スタッフ
栄野川里奈子

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編集者
おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

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