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2017年12月14日更新

[彩職賢美]仲宗根糀家代表取締役社長の仲宗根悦子さん|米糀で沖縄元気に

6年前、テレビ番組で紹介された糀(こうじ)と甘酒に、「手軽に酵素が取れる。健康にはこれだ」と確信。翌年、59歳で「仲宗根糀家」を立ち上げた仲宗根悦子さん(64)。糀製品の製造・販売をし、糀について学ぶ講習会を開く。「健康は家庭から! いずれ、沖縄を長寿県に」と、意気込む。

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家庭から健康広げたい

仲宗根糀家代表取締役社長
仲宗根悦子 
さん

「じっとしていられない性格。新しいことが好きなんです」と仲宗根さん。糀を知った翌年には、経営していたお好み焼き屋を閉店、仲宗根糀家を立ち上げた。それを可能にしたのは、持ち前の行動力と、健康への強い関心だ。

40代後半、突然立てなくなり、救急車で運ばれ、心臓のバイパス手術を受けた。その約1年後、立てなくなるほどのひどい頭痛で一週間入院。数年後、検査で軽い脳梗塞だったと判明した。その後、元気に過ごせるようになったものの、続けて病気になったことに不安を覚えた。「医師には原因不明と言われましたが、生活習慣や食事に関係があるのではと考えたんです」。栄養学を学び、アドバイザーの資格を取得した。

そのころ、仲宗根さんは広島風お好み焼き屋を経営していた。「生地が薄くて、キャベツなど野菜がたっぷり取れて健康にもいい」と考えていたが、栄養学を学ぶうちに、疑問が湧いてきた。「野菜をたくさん食べるだけでは不十分。消化吸収に欠かせない酵素を取るには、生の果物や野菜が必要」。糀に着目したのは、その下地があったからだ。「生野菜や果物に比べて、糀で作る甘酒なら酵素を毎日手軽に取れる」。

「沖縄でなじみの薄い甘酒や糀を広めたい」と、最初は甘酒の作り方の講習会を開いた。受講したお年寄りの「自分で作るのは難儀だから、作ってほしい」という声を受けて、商品化へ乗り出す。お好み焼き屋を閉店し、仲宗根糀家を立ち上げた。

最初に作ったのは、「飲む点滴」とも言われる甘酒だ。蒸した米に麹菌をもみ込んで米糀を作り、さらにそれを発酵させる。「初めて甘酒を飲む人も多い。また飲みたいと思ってもらえるように、完璧なものでないと」。試行錯誤を繰り返し、米糀から自社で製造することで、安定した商品を作ることに成功した。「難しいのは、温度調整。温度が低過ぎると発酵せず、高過ぎると発酵し過ぎて酸っぱくなる。外気の影響を受けるので、室温にも気を配ります」。糀を作る際は、夏もクーラーはかけられず、体力勝負。「糀は生き物。おいしくするには、作り手の気持ちも大事」と、愛情を込めて作る。

商品には着色料や保存料は使わず、原料はシンプル。こだわっているのが、活きた酵素を届けることだ。「60度以上の熱を通すと、酵素が失活してしまう。活きた状態で届けたい」ときっぱり。常温だと発酵が進むので、冷凍販売を貫く。

愛用者からは、「血糖値が下がった」「リウマチの痛みがひいた」「大腸のポリープがなくなった」など、うれしい声が届いている。設立当初、周囲からは「糀は一過性のブーム」と言われたが、5年たち事業は拡大。店舗以外に大手スーパーでも販売され、全国発送も増えている。

商品開発の傍ら、力を入れているのが糀の講習会だ。「知れば、使いたくなる。家庭から健康を広げていきたい」と、積極的に開催している。 新商品として、ぬか床のおからバージョン「おから床」や、「キムチ」を考案中だ。「沖縄の食材とコラボレーションし、糀で発酵させて商品開発をしたいですね。失敗は怖くない。成功するまで続ければいい」。気負いなく、挑戦は続く。




商品さまざま
写真右から、甘酒の「酵素甘こうじ」、モズクを発酵させた「モズクの王様」、甘酒を凝縮した「糀の糖」、「米糀」。ほかに、「塩糀」も。発酵により食材の持ち味を引き出し、うま味、保存性が高まり、消化吸収をスムーズにする。仲宗根糀家では、毎月、「塩糀」や「甘こうじ」の作り方や使い方、酵素の話をする「知っとこ会」を開催している。

<問い合わせ>
仲宗根糀屋
098-833-0710
那覇市国場397-1




手軽においしく
食卓でも糀を使いこなしている仲宗根さん。「調味料は、塩糀、しょうゆ糀、糀の糖のみで簡単です」と話す。写真中央下から時計回りに、魚のホイル焼き、ヘチマのピリ辛みそいため、鶏南蛮、肉じゃが、野菜の塩糀漬け、ピリ辛みそ。中でも手軽でオススメなのが、野菜の塩糀漬け。パプリカやキュウリ、ダイコンなど野菜をカットし、塩糀をまぶして一晩置けば完成。「生の野菜と糀で酵素たっぷり。食事の前に食べると、消化吸収を助けてくれますよ。4、5日冷蔵保存できます」と仲宗根さん。




仲宗根さんのハッピーの種
Q.趣味はなんですか?
絵を描くことです。25年前に水墨画を少し描いていたことがあり、2、3カ月前から、興味があった油絵の教室に通っています。絵を描いているときは、仕事のことを忘れて集中できます。ほかに、DVD鑑賞も好きで、休みにレンタルして見ています。とにかくスカッとするものが好き。何もしないでいると仕事のことばかり考えてしまうので、DVDを見るのも大切な時間です。


今週の彩職賢美|仲宗根糀家代表取締役社長の仲宗根悦子さん
PROFILE
なかそね・えつこ
1953年那覇市生まれ。71年浦添高校卒業。広島県へ移り住み、82年(株)エレーヌに入社。2002年帰沖し、お好み焼き屋を開業。13年、仲宗根糀屋を開業し、糀商品の製造・販売を始める。17年に株式会社化し、代表取締役社長に就任。ビジネスサプリメントアドバイザー、ホリスティック栄養アドバイザー。



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撮影/矢嶋健吾・編集/栄野川里奈子
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1281>
第1587号 2017年12月14日掲載

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栄野川里奈子

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編集者
おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

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