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2014年11月13日更新

[彩職賢美]浦添商工会議所 新垣直美さん|浦添桑菓撰を軸に地域づくり

「浦添市には地域に根差し、頑張っている菓子屋や飲食店、事業者がたくさんある。こうした個をつないで地域の力にしていきたい」。人を結び知恵を絞り地域活性化にと奔走する浦添商工会議所総務部総務課長の新垣直美さん。「やるならトコトン面白く」を信条に、事業者の業種・世代の垣根を越えて取り組む特産品事業は、さまざまな波及効果をもたらしている。


 

「個」つなぎ力に浦添の良産支援

「浦添桑菓撰」を軸に地域づくり
浦添商工会議所 総務部総務課長 兼 結の街事業推進課長

新垣 直美さん


焼き菓子やゼリー、豆菓子など、桑の葉を原料にした和洋菓子5品がセットになった「浦添桑菓撰(そうかせん)」。4年前、経営指導員だった新垣さんの呼び掛けに賛同した複数の製菓業者が協力し、試行錯誤を重ねて誕生したみやげ菓子だ。「抹茶に似た桑の風味を生かしながら、ゴーヤーや黒糖など沖縄らしい素材とコラボした味が楽しめます。食物繊維やミネラルを含む島桑を使い、体に優しいのも魅力」と新垣さん。

桑菓撰の開発をきっかけに、桑を原料に使った新しいお菓子や食品が増え続けている。他の事業者から希望を受け、企画・開催している「桑っちーコンテスト」も功を奏した。「今年、学生部門も新設し、アイデア豊かな応募が数多く集まりました。味や見せ方もすごく洗練されてきた」と、ものづくりへの意欲や技術の高まりを実感している。受賞者の店舗では入賞作が発売され「午前中で売り切れた」「新規顧客につながった」など反応も上々だ。

さらに市の特産品の絹織物「うらそえ織」や「桑茶」の取り組みも相まって認知度が高まり、市は9月8日を「桑の日」に制定。日本商工会議所の地域力活用新事業にも採択され、商品改良や販路拡大を進めるなど動きは加速している。



14日から開催する「第3回うらそえ島桑フェア&物産展」の打ち合わせの様子。ギリギリまで入念に進め方を打ち合わせ=4日、浦添商工会議所。編集部撮影


きっかけは、市内のシルバー人材センターから持ち込まれた「桑の粉」だった。うらそえ織の養蚕のために栽培された桑の葉を粉砕したもので、当時の上司から「これを使って開発してみては」と担当者に抜擢されたのが始まりだ。

未知の分野にとまどいながらも「事業所の可能性を広げる起爆剤になるかもしれない。企業、行政、市民を結ぶ会議所の強みを生かしたい」と腰を据えた。その後わずか半年間で参加事業者を公募、試作、商品化にこぎつける。関係機関との意見のすり合わせなどハードルが高くても「迷っている余裕はない。役立つことに結び付けるのが私の役目」ときっぱり。

最も気を配るのは事業者を結ぶこと。「つながることで地域が循環し、活力が生まれる」との考えからだ。当初は事業者同士の接点がなく、会議もぎこちなかったが、相手のペースに合わせ根気強く感想や意見を拾うことで、化学反応が起こった。「次第に提案や技術共有が活発になり、改良を重ねることができた。メンバーの地道な努力がブランド化につながった」。参加者からの「一番の成果は仲間」との声が励みだ。

企画提案で八方ふさがりになると、心の中で中島みゆきの「地上の星」を歌い、今は成功への途中と自身を奮い立たたせる。どんな時もギリギリまで全力を尽くす底力は、大好きな弟の死と子育てが原点。「身内の死を経験し、いまをしっかり生きようと心に決めた。調整時の忍耐やどうにかなると思うしぶとさは子育てで培われた。母になって異なるチャンネルを持てたおかげ」。

現在、結の街の建物運営と特産品開発事業の兼務で忙しくしながらも視線は常に前へ。「14日からの島桑フェアもお楽しみが盛りだくさんですよ」。心に描くのは、みんなが喜びにぎわう姿だ。

 

新垣さんのハッピーの種

Q.仕事への熱血ぶり、感服です。
新しいことをはじめる時、情熱と説得力(理論)、根気が大事ですからね。私の場合、理論不足は専門家の力を借ります。物事にはタイミングがありますから会議に呼ばれた時は、必ず発言するようにしています。互いに発することで化学反応が生まれるので。

Q.元気の源は?
家族との時間。私は学生の頃、陸上にのめり込んでいて、子どもたちも同じく長男は陸上、次男はサッカー、長女はバスケに頑張っています。週末は試合をはしごしています。大声で応援するので、家族からよく注意されます(笑)。あとは家の壁に琴線に触れた新聞記事を張って、子どもたちのメッセージ、自身の奮起にしています。



PROFILE
新垣直美(あらかき・なおみ)1966年、浦添市出身。89年、浦添市商工会(現・商工会議所)に入所。会議所設立準備室、共済担当、記帳専任、経理、労務保険、経営指導員と各部署を経て、2014年、総務課長兼結の街事業推進課長に就任。「この異動で会議所内の全部署制覇。これまでの経験を生かしたい」と意気込む。1992年より結婚を機に那覇市に定住。3児の母。



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撮影/高野生優・フォトアートたかの・編集/岸本貴子
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1146>
第1427号 2014年11月13日掲載

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